ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
第六十四話
笑いながら言う陸の目は本気だ。
彼らはソレを悟って震える。

「ご、めんなさ……許して……」

「喋るな、って言ったよな? 日本語わかる?」

口を開いた大男の首に刃先が突きつけられる。
完全におびえきった二人(痩せこけた方は既に気絶してる)に陸は冷たい目で見下ろす。

「まず、医者料出してもらうか」

倒れている男の財布を奪い取り、中の金銭を取り出して財布を投げ捨てる。

「次に……謝罪料と俺の機嫌損ね料払ってもらわねぇとなぁ」

もう言葉すら出せない大男の財布をはぎ取る。
そしてさっきと動揺に中身を出し財布は捨てる。
大男は気づいた。
隣に居る仲間の痩せこけた男はもう死んでいると。
恨めしそうな目で大男はうなる。

「この……人殺し……っ」

その台詞を聞いて陸は無表情のまま彼を見据える。
その不気味さにぞっと震える。

「誰が……先に喧嘩売ったんだ?」

呟く様なぼやく様なその声に大男はすごい違和感と危機感に教われる。
陸を取り巻くオーラが変わった。
さっきまでの邪悪な笑みさえも浮かべない人形の様な無表情。
まるで全てをあきらめた哀れな咎人の顔だった。
そして最後を告げる。

「この世で最後の痛み、刻み付けてやる」

告げると同時に持っていた鉈で男をめちゃくちゃに蹂躙する。
グチュ……と嫌な音を立てながら男は死体から肉骸に変化していく。

「ふぅ……っ」

一通り落ち着いた陸は深く行きを吐く。
気づくと室内は鉄の様なもうれつな臭いが籠っていた。
陽菜はハンカチで顔を押さえているので気づかない。
(とりあえず、部屋汚しちまったし修復使うか)
陸は手から黒い炎を出す。
そしてその炎を発臭源の男が転がっている所につける。
悪魔の修復術だった。
陸は窓を開ける。
空気の入れ替えの為だ。
炎が男を灰に変えたのを陸は確認した。



処理を済ませた陸は怪我をした陽菜に駆け寄る。

「もう、ハンカチで顔かくさなくていいぞ」

恐る恐る陽菜は顔を上げる。
そこには怪しい二人の男の影も、何も残っていなかった。
体がまだ震えている。
陽菜は聞いてしまった。
男たちの絶叫、蹂躙されていた音、全てを。
陸の吐いた言葉の数々を。

「陽菜……痛いか?」

考えていたことと別のことを聞かれたので陽菜は少し黙って言う。

「ちょっとだけ……」

心配そうな陸は陽菜の知っているやさしい陸だった。
さっきまでとは別人の陽菜の大好きな陸だった。
(じゃあ……さっきのは何だったんだろう……)
ハンカチをしていたから見えなかったが機械の様に感情の無い声はとても陸のものとは思えない。
cont_access.php?citi_cont_id=238008549&size=135 毎日ワンクリック 長編小説ランキング †ラブファンタジー† 祝80万PV突破キャラ人気投票(〜10/15) みりんイラスト館


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。