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第五十九話
いきなりすごいディープなことを言われたので戸惑う。
しかし陽菜はもう慣れてきたのかこういう話はどんどん自然に頭に入ってくるのに違和感が無い。
たぶん常識部分が麻痺してきたのだろう。
つくづく人間の脳は恐ろしいなと思ってしまった。
陸は自分の首にかかってるネックレス……だと陽菜は思っていたがよく見ると鎖だった。

「こいつがその成長を止める役割を果たしている。まぁ俺のはまりもたちのと違って勝手に放出する強力な電磁波と莫大な存在感を押さえる効果も入ってるけど」

陽菜は鎖をまじまじと見る。
見た目は……どう見ても普通のアクセサリーだ。
とくに変わっている所といえば、頑丈そうだと言うことだけ。

「電磁……波……あ、さっき出してた電気?」

鏡と喧嘩になった時使っていたことを陽菜は思い出す。
陸は苦笑しながら話す。

「うん、あれが俺の生まれながら持ってる特殊能力。超能力、って言った方がわかりやすいか。アレは使いすぎるともともと抵抗力のある俺でも脳に害をもたらすし……コレが無いと俺に近づいた人全員おかしくなっちまう。人間は微弱な電磁波で伝えているからな、俺みたいな強力なのが近づいたら……わかるよな?」

いい終わると同時に着いた。
陽菜は心配そうに訪ねる。

「じゃぁ……それを手に入れる前は……?」

そんなことを聞く陽菜に陸は笑いかける。
それはいつもの明るい笑顔ではなく、悲しそうな、辛そうな笑みだった。
陽菜の心に締め付けられる様な痛みが襲って来た。

「陸……くん……」

きっと辛い思いをして来たんだろう。
陸は話さない。
さっきの話ではろくに人と話すこともできなかったのだろう。
(私は……陸くんに何をしてあげられる?)
陽菜は自分に問いかける。
無言で靴を脱ぐ陸を見つめる。
陽菜は靴を脱ぎ捨ててそっと陸に駆け寄る。

「ん? どした?」

わざとらしくとぼける陸を陽菜はやさしく抱きしめる。

「ずっと、ずっと辛かったんだね」

「な、何が?」

どうしても認めたくないのか陸は誤摩化す。
本人は誤摩化しきれた、と思ってるようだが少し震えているのを陽菜は知っている。

「もう……我慢……しなくていいんだよ?」
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