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第五十七話
二人が陸の家に帰って来たのは結局午後の四時過ぎだった。
あの後陽菜は陸と魔界出店通りを回った。
陽菜が買ったのはいかにも女の子だなーって感じの可愛らしいコスメケースだった。
これのどこが人間界のものと違うのかというとなんでも中に入れた物はその入れた時のまんま保存できるらしい。
なので古くなったり腐ったり等はしないということになる。
陸が言うに以前生魚で試したら三ヶ月が軽く保ったらしい。
もちろん陽菜はそんなものを入れる予定は無いが。

「ただいまー」

陸があいさつをして一階のロビーのドアを開ける。
本当は最初と同じ飛んで家に入る予定だったらしいがそれでは陽菜があまりにもかわいそうすぎるので普通に入ることにした。

「おかえりなさいませーって!? ちょっと!? 誰ですか、私の隊長にベタベタくっついてるその子は!!」

真っ先に出迎えたのはまりもだった。
目をまん丸くして陽菜をガン見している。

「ぁ……ぅ……ぇ」

陽菜は陸の後ろに隠れる様にして観察する。
陸はそんな様子を見てまりもに言う。

「俺のツレだよ。っていうか初対面でソレはないだろ、しかも俺お前の物じゃない」

泣きそうな目ではまりもは陸にに聞く。

「その子……隊長の恋人なんですかー?」

「いや、だから友達だって……たぶん」

(間違っては無いよな、結局認めたくないけど片思いだし)
そのなにげない返事にまりもは反応する。

「たぶんって何ですか!? ああっ!? 手繋いでる!! 私でもしてもらったことないのに!!」

「もういいだろう、じゃな」

陸は適当に流してエレベーターに向かう。
そしてそっと呟く。

「あいつなんか荒れてるな、なんかあったのか?」

陽菜は心中思う。
(陸くん鈍過ぎだよ……)
さっきから槍の様な視線を向けてくるまりもに少し同情してしまう。
結局陽菜にとってまりもの第一印象は"怖い"になってしまった。
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