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土曜日なので文字数多めです(←暇だった

あともうすこしで中間テストがあるらしのでこれから更新少し遅くなるかもです。
第五十六話
陸もめったにこの感覚にはならないので忘れていた。
悪魔の危機を未来予知する能力だ。
こんな反応はよほどのことがない限り発動しない。
(ヤバい……このままじゃ陽菜は近いうちに死ぬ!!)
焦りと不安でめちゃくちゃになりそうだった陸を心配して陽菜が手を握ってくれていた。
おかげで落ち着くことができた。

「なぁ……陽菜」

陽菜は不思議そうに聞き返す。

「何?」

「少し、走るぞ。緊急事態だ」

陽菜の手をそのまま握り返して陸はほぼ全速力で走った。

「ぇ!? ど、どうしたの!?」

聞いても陸は答えてくれなかった。


陸は一度コレと同じ感覚になった時のことを思い出していた。
その時は今と違い、自分の危機だった。
もし気づいていなかったら死んでいただろう。
あんな思いを陽菜には絶対してほしくない。
だから陸は走る。
(まだ、間に合う)
未来を、運命を変えるために陸はひたすら走った


そのまま路地裏まで来ると、陸は足を止めた。

「誰も……いないよな」

よく状況が分からないのでとりあえずこくんと頷く陽菜。

「陽菜……今から俺の言うことをよく聞いてくれ。今はわかんなくてもいいから」

その表情にはいつものちゃらけた感じは微塵もなく、深刻そうな空気なので陽菜はうん、と相づちを打つ。

「これから一週間、ヤバいとかどうすればいいのかわからなくなったらとりえず俺の所に来い、絶対にだ」

「う、うん。でも私陸くんがいつも何処に居るのか知らない……」

焦っていた陸は肝心なことを忘れていた。

「言うの忘れてたな、ごめん。お前今携帯持ってたよな? ちょっと貸して」

「はい」

陽菜はポケットの中から携帯を取り出し、陸に渡す。
陸は携帯好きの女子高生の打つスピードで自分のアドレスを登録した。

「よし、これで大丈夫。何かあったら連絡しろよ? なくても連絡してくれると俺はうけしいけど。あ、あと一応コレ渡しとく」

そう言うと陸は内ポケットからソレを出した。
陽菜はそれを見たのは初めてだったのでつい間違ってしまった。

「髭剃り?」

言った瞬間陸がものすごい勢いで吹いたので間違ったということがすぐに分かった。
よく見ると先端にカミソリがついていないことに気づいて陽菜は恥ずかしくなる。
そういう状況の陽菜を察したのか陸は笑いを堪えて謝る。

「ご、ごめん……かなりツボった、髭って……っ、コレスタンガンだよ」

本や漫画でよく出てくるスタンガンだった。
でも陽菜はどうしてそのような物を渡されるのかが分からない。
(っていうかなんでそんなもの携帯してるんだろう)

「使い方は……わかるよな? ソレの威力は相手の動きを鈍くしたり歩くのを困難にする程度の一時的な護身用だから、あんまりあてにするなよ?」

どうやら気絶させたりはできないようだ。

「なにか質問あるか?」

言いたいことは言い終わったらしい陸は陽菜にに聞く、
もちろん彼女はいきなり意味不明なこと言われっぱなしだったので当然のごとく聞き返す。

「どうして……これから一週間に何が……あるの?」

一番説明しにくいことを聞く。
("レッドの予言"……って言っても分かる分けないよな)
陸たちにとって"レッド"は命の危険を表す。
すなわち"レッドの予言"とは危機をかわすための予言だった。
不安を煽るだけの真実をできるだけ陽菜に安心してもらうため陸は表現を暈す。

「なんっつーか……はっきりは言えねぇけどお前に良くないことが起こりそうな予感がするんだ……」

真面目な顔で陸は言うので冗談ではないようだ、と陽菜は判断する。
スタンガンを渡すくらいだからきっとよほどのことなんだろう。
心配そうに陸の手を無意識に握り直している陽菜に陸は笑って返す。

「大丈夫だ、お前は俺が絶対死なせない。だからここ一週間はできるだけ傍に居るようにするから、それじゃ、嫌か?」

ふるふると首を振って、それからふにゃっとしたやさしい笑顔で、

「うん、ありがとう」

陽菜はお礼を言う。
支えがないと今にでも倒れてしまいそうなか弱い陽菜を見て陸は囁く。

「よし、いい子だ」

いい終えた直後自分と十五センチも離れていない陽菜を引き寄せ、口元ギリギリの頬にやさしくキスをした。

「リベンジ完了」

舌の先端でぺろっと彼女の口元を軽くなめて陸は満足する。
(他の男に取られるのも嫌だけど死んでも鏡なんかには取られたくねぇしな)
半分溶けかかって真っ赤になってる陽菜は本日二回目の放心状態で、

「り、陸くん……今、今ナニを……!?」

もはや言葉になってない日本語をこぼしている。
陸の方も数秒経ってから自分の大胆さに気づいたのか、耳まで赤くなって吐き捨てるように言う。

「ご褒美だ。ほら、行くぞ」

「ま、待ってー……っ」

照れ隠しに早足で行く陸を陽菜は追いかけることになった。
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