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第五十話
「わかったんならいいよ、じゃ、行こうか」

陸が手を差し伸べた。
陽菜は自然に笑みがこぼれる。

「うんっ」

今までの自分はこんな返事したことがなかった。
変われた、嫌だった自分から変えてくれた。
目の前の誰よりも大切な男の子が。
その少年が思いついた様に声をかける。

「あ、一応聞いておくけどお前高所恐怖症とかじゃないよな?」

陽菜は不思議そうに答える。

「ううん。でもどうして―!?」

陽菜は言葉を切らした。
陸がいきなり陽菜を抱き上げたからだ。

「ぇ? え!?」

家の一番大きい窓を開けて小さい庭のようなものの手すりに上る。

「しっかり捕まってろよ?」

陸の背中からさっきまでしまわれていたコウモリの様な小さい羽が現れる。
十七階という高さを初めて実感した陽菜は必死に陸にしがみつく。
そして陸はついに飛び降りた。

こうして陽菜に新たな恐怖の思い出が追加された。



ずっと好きでいてもらえるって思ってた。
だから、勘違いでもすごいショックを受けてしまった。
(姫は……ずっと甘えていたんだ……和佐くんのやさしさに)
和佐がもしこの手を離してしまったら自分はどうのなるのだろう。
どうすればいいのだろう。
自分に飽きて、他の人の方へ行ってしまったら。
(嫌、絶対に嫌!!)
考えるだけで堪えられないほど悲しくなる。

(このままじゃいけない、絶対に)


(ん?)
和佐は姫が自分の腕にしがみついてることに気づいた。
小さいながらも強い力に和佐は内心苦笑する。

「そんなにしがみつかなくてもどこへも行きませんよ?」

意地悪な笑みを浮かべて和佐は言う。
しかし、姫の方はいつもの様に反撃せず、力を緩めた。
明らかに様子がおかしいことに気づいた。

「? どうしたんですか?」

具合でも悪いのかと心配する。
姫はとんでもない状況で無理矢理生かされている子なのだ。
いつ体調を崩してもおかしくない。

「……か……で」

「はい?」

聞き取れなかったので聞き返す。
姫は伏せていた顔を上げ涙目で言う。

「どこへも行かないで」

和佐は微笑し、答える。

「どこへも行きませんよ。ずっと貴女のそばに居ます」

我慢していた熱い雫がぽたぽたと流れ落ちる。
そんな彼女を和佐は思いっきり抱きしめた。
やがて乾いた嗚咽が室内に響く。
和佐は子供に絵本を読み聞かせる様なやさしい口調で囁く。

「ずっと、一緒です」
キャラクターファイル3

xx神城姫かみしろ ひめxx
性別:女
身長:145cm
体重:33kg
年齢:16(高二)
種族:悪魔(吸血鬼)
陸曰くエロイ体型。
国籍は日本だけど完璧なフランス人。
髪の色はピンクベージュです。
主に火を使う戦い方が得意(彼女の体は火を無効化にする為)で守る系統の戦いは苦手。
鏡に続くヘビースモーカー。
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