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第四十五話
「ご、ごめんっ、俺……俺……っ」

口が半分硬直してるため言葉が言葉にならない。
(何やってんだ俺はぁあああああっ!!)
自分のしてしまったことに少し遅れて心中絶叫する。
本当に恥ずかしい。
恥ずかしすぎて、マジで死ねる。
たぶん今頃自分の顔はトマトみたいに真っ赤になってることはだいたい予想はつくが認めたくない。
否、認めたら確実に精神的にクる。
本当は今にでもナイル川に飛び込みたいくらいの恥ずかしさだ。
こんな状況十夜に見られたら一瞬で脅しのネタにされるだろう。

「い……いいの……その、うれしかったから……」

照れながら陽菜はポケットに入ってる携帯を確認する。
新着メール一件、母親からだ。
震える指で開く。
陽菜は文章を目に通し、ため息をつく。
(見なきゃ……よかったな……)
内容は暴言混じりで今日は家に帰らない、ということ。
眉を潜めて携帯の電源を切る。
母のことは今くらい忘れておきたかった。
せめて、今くらいは……。
罪悪感と自己嫌悪に胸が少し痛む。
陸は陽菜の表情が一瞬曇ったのを見逃さなかった。

「何か……あったのか?」

心配してくれている。
そうはわかっているものの自分の家の状態はあまり人に話したくなかった。
とくに陸には。
話したら絶対心配も迷惑もかける。
だから陽菜は言う。

「ううん。なんでもない。心配してくれて、ありがとうね」

自分なりにがんばって微笑んでみる。
陸はなにかあることには気づいてはいたが深く聞く気はなかった。
陸が誰にも話してない、話したくない触れることさえ許さない秘密を持っているせいもあるのかもしれない。

「そっか、悩みとかあったら言ってくれよ? 絶対相談にのってやるから」

「……うん、わかった。でも今は何もないから……今度……ね」

「了解」

陸は自分のとった選択がどんな悲惨な事態を招いてしまう事になるか知らない。




「か、和佐くん!?」

泣いていた人物の意外性に思わず姫は大きな声をだしてしまった。
和佐(五歳バージョン)は小さく縮こまって泣いていた。

「ふ……ぇ……」

ぼろぼろと涙を流しながら姫に目を向ける和佐。

「月見里くんでしたか。ちっ、もっといい獲物期待してたんですけど」

不本意ーと言う機嫌が悪いの丸出しの表情で愚痴る十夜。
(こ、こいつ……マジもんの悪魔だっ!! 心が黒すぎる!!)
姫は心中悪魔と人間の間の子ってある意味最強なのかなーと呟く。
はっきり言って性格の悪さならこいつに勝る奴は銀河系にいないだろうと確信する。

「もう、いいんですっ!! 僕もうトイレの和佐さんデビューしますっ!! う……っ」

和佐はそんな事はスルーして意味不明なことを泣きながら叫んでいる。
しかたがないので姫は聞いてみる。

「ちょ、どうしたの? なにかあったの?」

「喧嘩……しちゃいました……」

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