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第四十二話
微笑む和佐は性欲オーラ(陽菜にはそう見えた)満開で陽菜の腰らへんを触った。

「ひゃうっ」

とてつもなく敏感な陽菜の感覚は反応してしまう。
なんだか悲しい。

「次は首、いきますよ?」

「い、嫌!! 触らないでくださいっ」

陽菜は反射的に和佐を突き飛ばした。
突き飛ばした、と言っても陽菜の力では自分より背の高い和佐をよろけさせるくらいしかできないのだけれど。

「あ……ご、ごめんなさ……」

自分のしてしまったことにワンテンポ遅れて謝ろうとする。
しかし、和佐の方はかなり精神的ダメ―ジを受けたらしい。

「僕、ここまで人に拒絶されたの人生初めてです……」


――その頃トイレでは……

(ううっ。絶対あれ嫌がられたよな……)
洋式便座にウンコ座りする形でひたすら悩んでいた。
ちなみにこのポーズは痔の陸流快便ポーズなのだ。
彼がトイレに向かったのは一番さりげなくあの場を保留するためでもあったがもう一つ重大な理由がある。
陸は……今まで人に話した事がないがトイレに入るとなぜか心が落ち着くからだった。
それは昔悪魔になったばかりの陸が囚われた虐待・人体実験生活のなごりかもしれない。
嫌な、嫌な思い出であり、陸が未だに克服できないトラウマの一つでもある。

(あああああっ!! もう俺なんか嫌いとか言われたらどうしよう)

陸にとってさっきの行動はただのコミニュケーションのつもりだった。
保護された時から陸が属している"黒狩人"では抱きつく、(頬に)キス等はあいさつみたいなものだった。
実際姫等は完璧な悪魔(吸血鬼)なだけあってそういう習慣は当たり前である。

(とにかくこのままうじうじしててもしょうがない、とりあえず無かった事にしよう)

陸は大げさなほどに決心してトイレのドアを開けた。


「僕、傷ついちゃったかも……」

「ぇ? え!?」

いきなりの和佐の発言に動揺する陽菜。
そんな陽菜をよそに和佐は、

「うわぁああああんっ!! 僕なんて、僕なんて……年下の女の子にもいやがられる生きてる価値のない生物だったんですねーーーっ」

等と意味不明、理解不能な言葉を吐きながら出て行った。
ぽかんとする陽菜。

「ありゃ? どうしたんだ? 和佐のヤツは」

ため息まじりにトイレから出た陸は陽菜に聞く。

「なんかよくわからないけど……私……和佐さん、傷つけちゃったみたい……」
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