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第四十話
「あ、ああ。持ってる持ってる。ちょっと待って、今持ってくる」

陸は玄関の横の図書室(として使ってる部屋)へ向かった。
不思議に思った陽菜は和佐に聞く。

「生物図鑑?」

「はい。普通の人間の感性を基準にした僕ら異能力者たちの図鑑です」

簡単に言えば普通の生物図鑑のメルヘン版みたいなものだ、と和佐は説明する。
写真付きフルカラーらしい。
陽菜がわくわくして陸を待っていると彼は意外と早く図鑑を持って自室に帰って来た。

「おまたせ。これな」

陸が開いたページには……

陽菜の想像を洗濯機をフル(乾燥つき)でめちゃくちゃにしてもこれほどにはならないほど悲惨な姿の妖精が載っていた。

陸の言ったとおり本当に気持ちが悪い。
目が飛び出していて、指が三本、おまけにこの目つきの悪さ、はっきり言って妖精と言うより妖怪と言った方がいいのでは?というのが陽菜の正直な感想だった。

「えー……」

あからさまにがっくりした声を漏らす陽菜。
それに陸がさらに説明する。

「こいつらいつも同じ全身タイツ着てるんだぜ? オシャレとかそういうの無いらしい。本当妖怪みたいなやつらだよ」

陽菜はページをめくる。
次の項目には”悪魔”と書いていた。

陽菜は写真の悪魔のモデルの女の子をみて少し動揺した。
髪の長い小さなかわいらしい女の子がすごい機嫌悪そうにアイスをくわえている写真。
かなり美人な子だとは思ったが自分とちがう生物なんて思えないほど人間そのままの姿である。
もし背中に小さいコウモリの様な羽がなければ学校に居てもわからないくらいだ。
それに……

なぜかとても懐かしいような気がした。

「っていうかこいつがモデルだと悪魔=短気って思われそうで怖い」

陸が苦笑する。
そんな彼を見て和佐が反論する。

「恋人の前で悪口を言うとはいい度胸ですね……」

邪悪な笑みを浮かべる和佐。
陸はそんな彼に酷い質問で返す。

「え!? お前らまだ付き合ってたの!?」

「失礼ですね。毎晩抱き合って寝てるし最近姫の方からちゅーしてくれるし、とにかく両思いですってば!!」

へー、と陸は関心する。
それから絶対余計だと思っているがつい言ってしまう。

「俺ずっとお前が一方的に好きなのかと思ってた」

「ちがいますよ。姫はただ照れ屋なだけで二人っきりになるとそれはもうかわいくて……」

「ノロケはよそでやってくれ」

そんな二人の会話を聞いて陽菜は興味深そうに聞いてみる。

「この子と……付き合ってるんですか?」
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