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第二十七話
自分に突っ込む事しかできない和佐。
そんな彼に、

「それはないと思います。女物の香水の香りがしましたから」

十夜は最後まで堕とした。
これで和佐は戦闘不能、よって事体は急展開に入る。
「和佐くん、携帯貸して」
油断していた和佐は自分の携帯を姫に取られてしまった。
これでもう、助けることはできない。
(許してください、陸。僕は姫に勝てませんでした)
もちろん聞こえるはずのない親友に心中で謝る。

ピリリリリリリリ……

「うお!?」
食事を終えた陸の携帯がいきなり鳴った。
「んな!? 和佐!?」
あまりの展開に驚く陸。
そんな彼を陽菜は心配そうに見つめる。
「悪い陽菜、ちょっと出てくる」
そう言い残すと陸は自室に入った。
陽菜の視界には食べ終えた料理の皿があった。
(洗っといてあげようかな……)
不器用なのは自覚しているがごちそうになったのに何も恩返しをしない訳にもいかない。
それに、陸なら自分のことを不器用なくせにと責めないと思えた。
陽菜が皿に水をかけたとき、隣の陸の部屋からとんでもない怒鳴り声が飛び込んできた。

「陸ちゃんんんんっ!! 今からあんたの家行かせてもらうからね!!」

「げっ!? 姫!? なんで和佐の携帯からかけてんだよ!! っていうかどうしてうちに……!?」

ぷつ……っ

切れた。
(!? なんでバレてんだ!?)
陸はふとさっきの気配を思い出し、舌打ちする。
(十夜か……っ)
まずいことになった。
十夜と姫が合流してるとなると彼の空間移動で、少なくても二分以内にはここに着いてしまう。

「どうしたの、陸くん……?」
陽菜がこっちに来て聞いた。
心配そうな顔をしている。

(しょうがない……っ)

「めんどいことになった」
細かい事は説明せずに陸は言う。
見つかったらいろいろ大変だ。
もし姫がショックを起こし攻撃でもしたらただの人間の、しかも女の子の陽菜が平気なはずが無い。
下手をしたら死んでしまう。
陸としては、それだけは避けたい。
だから多少手荒な事をしなければならない。

「ちょっとだけ、ここに居てもらえるか?」

陸が促したのはベットの下。
陽菜の表情が曇る。
(でも、嫌われたくない……っ)
陽菜はわかった、と頷く。
そんな陽菜に陸は言った。

「ごめんな……」

言い終えると陸は陽菜を担ぐ。
そしてベットの下のいわゆる隠し収納場のようなところに寝かせる。
やはりというか、狭い。
陽菜は急に怖くなった。

「ぁ……」

陸は声を漏らした。
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