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第二十五話
そんな陸に陽菜は心配する。

「大丈夫?? 目」

もう、緊張は溶けたので普通に話かけることができる。
「あ、うん。たぶん」
陸は自信なさそうに答える。
実を言うとあんまり大丈夫ではない。
(まぁ、目薬さしときゃ大丈夫だろう)
こんな恥ずかしい所は陽菜に見られたくなかったのだが。
そんなことを思いながら陸は陽菜の方を見る。

「わぁ……っ、これ陸くんが作ったの!? おいしそうー」

こちらはペペロンチーノに目が釘付けになっていた。
「それ、結構作るの簡単だぞ」
おおげさな陽菜のコメントにもやはりうれしい陸は言う。


「へぇー……」

陽菜が尊敬のまなざしを向けてくる。
これはヤバい。
と、いうか……

(なんなんだこの破壊力は!! やべ、なんか陽菜のまわりに花が散っている様な幻覚が……っ!!)

陸の方はある意味危険な心情に至っていた。
自分の顔が熱くなっていくのがわかる気がしてしまうが、それを認めてしまうと恥ずかしくて死んでしまう。
否、確実にショック死する。
だから陸はごまかす。
「こんなの、ちょっと練習すれば誰でも作れるって」
あえて、というかがんばってそっけなく言ってみる。
(こういうとき和佐だったらもっと上手いこと言ってんだろーな)
女子からモテるイケメンの友人がこういうときに少々憎くなる。

「私でも……?」

陽菜は少し首を傾げて言う。
(チャンス、到来!! 神様アリガトウ!!)
陸は普段信じようともしたことがないどこかの神に祈り、先ほどから考えていた言葉を言う。
「あ、ああ。なんなら、今度、作り方教えてやるよ」
(俺の馬鹿ぁああああああアぁァあ!! なぜ声が震えるんだぁあああっ!!)
陸は心の中で絶叫した。
言っている事のわりに、声が震えてるし、言葉がとぎれとぎれになってしまった。
もう顔を見られただけでも恥ずかしくて死ねると確信した陸はうつむくしという選択しか取れなかった。

「ぇ……いいの?」

少し、いやかなりうれしそうに陽菜は聞き返す。
「いいって。お前ならいつでも歓迎だ」
もう自分が何を口に出してるかも意識できてない陸が答える。
そんな陸に陽菜は笑いかける。
「うん、ありがとう」
うれしさが言葉や表情によく現れていた。
恥ずかしながらも陸は陽菜に笑い返し、言う。
「じゃ、食べようか」
結局陸の方が最初にギブアップしてしまった。
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