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第二十二話
(いいのかな、こんなことしてもらって……)
よく考えればこれで二度目になるのだが、やはり緊張してしまう。
と言うか、この距離の近さは初めてだった。
この距離だと相手のにおいまで感じ取れてしまうほどである。
(この香水……どっかで嗅いだ事あるかも……)
そんな陽菜を唯一落ち着かせてくれたのが陸のつけていた香水だった。
うれしさ、恥ずかしさ、懐かしさが全て混ざったような不思議な感覚がした。
(陸くんの家、どんなところなんだろう……)

家へ向かっている時、実は陽菜よりもヤバい状況に立たされている人物がここに居た。
陸である。
(ちょ、息が!! ヤバい!! 家に着くまで持つか!? 俺)
心臓が重傷だった。
この距離、陽菜からも近いが陸が一番気まずい状態だった。
自分の頭の、後ろに陽菜の頭がある。
つまり……この距離だと陽菜の息が陸の首筋におもいっきりあたるのだ。
(早く着いてくれ……っ)

二分後。
ようやく家が見えて来た。
「陸くん、大丈夫!?」
「わひゃ!? だだだ大丈夫だ!! たぶん」
もう少しで鼻血が出るんじゃないかと心配する陸。
(ここで鼻血吹いたら今までのムードが台無しだ)
なんとが我慢する。
「つ、着いた……」
精神的に疲れてしまった陸は扉を開ける。
まだ朝なのでもちろんお迎えはない。
「わぁー、ホテルみたい」
陽菜は驚いた。
豪華なことは予想してたが、まさかこんなホテルみたいなところとは思わなかった。
「ここの十七階だ」
陸はエレベーターのボタンを押す。

(まず家帰ったらティッシュを……鼻が……っ!!)


「わぁーっ!!」
陽菜はまたしても感動してしまった。
ガラス張りのエレベーターなんて初めてだった。
「結構いい景色だろ?」
陸は得意そうに言う。
「うんっ」
やがてエレベーターは最上階の十七階に着いた。
「ここだ」
陸はドアに手をかける。

ガチャ……

「わぁ……」
家の中は陽菜の想像を遥かに超えるほどきれいだった。
はっきり言って一人暮らしの男の子の家とは思えない。
「靴、脱ぐから」
陸はそう言うと、陽菜をおろした。
(へぇ……ちゃんと、靴そろえるんだ、陸くん)
陽菜はまた新たな一面を見つけ、感心する。
「ん」
「あ、大丈夫……もう歩けるから」
「そっか。こっち」
陸は陽菜をリビングに案内する。

カチャ
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