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第六章 風邪……?
第百九十八話
「ちっ、てっとり早く済ませるぞ!!」

『おう!!』

知らないオバさんがこちらを見て怪訝な顔をしている。
それも無理はない、彼女には陸が独り言を言ってる様にしか見えないのだから。
陸は若い女性で混んでいる下着売り場に狙いを定める。

(実行!!)

自慢の脚力で猛スピードで突っ込むと急いで例の物を探し出す。
と、その時、

「あんた邪魔よ」

「何?!」

油断していた陸は見事にオバさんの肘鉄をくらった。
(くそ、なんて腕力だ……ババアマジ怖っ、後は任せたぜ!!)

『は?! 俺?!』

兵器の問いかけを陸は無視した。
彼は不満げに舌打ちすると陸と入れ替わって体に乗り移る。
これぞ、一つの体に二人分の精神が入っている利点!!

「どけババア」

腕力レベルの高い太めのオバさんに低い声で脅すとショーツを漁る。
一気に不意期を変え殺気に包まれた陸(中身は兵器)を見、何人かの客は逃げ出した。
(おい、あんま派手なことすんなよ? 一応俺の体なんだから)

『解ってる』

兵器は一つのサニタリーショーツを手に取る。
それは紫のフリルのついた奴で……
(ちょ、おま、さすがにそれは趣味悪すぎだろ!!)

『うっさい、紫の方が陽菜嬢の妖婉さが引き立つんだよ!!』

(それがババアパンツ持って言う台詞か!! ったくわかってねぇな、陽菜は天使みたいな白いのが似合うんだよ)

『そうなのか……』

しょうがなく兵器はあきらめ、その隣の白い可愛らしいデザインのを手に取る。
そしてレジに持って行こうとした時……

『!!』

(なんだ? どした?)
兵器は急いで目に入ったショーツを手に取る。

『これは陽菜嬢が来たら絶対似合う!!』

(た、確かに似合いそうだけど……ってそれは不味いだろ!! あいつまだ中学生だぞ?!)

兵器が選んだのは白のフリルのソングだった。

『でも可愛いんならいいじゃないか、目の浄化になる』

(この、エロ兵器!! まぁ人の事は言えねぇけどさ)
妙にテンションの高い兵器は無事レジで買うと陸に体を返した。

「ってぇ……あのババアマジでやりやがって……」

腰をくの字にまげて言う。
乗り移っている間、兵器は痛みを感じない。
乗り移られているときは陸も痛みを感じない。
しかし、こうやって返された時その分の痛みも倍になって帰ってくるのだ。
陸は内心あのオバさんを呪う。

『全くだらしないな、これくらいのことで』

兵器は言うが、口調はキツいものではなくいたわる様な口調なので陸も反論はしない。

「だな……早くコレ陽菜に届けなきゃ……」

陸は這いつくばりながら客の視線を槍の様に刺され帰るハメになった。
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