第十八話
その夜、家に帰った和佐は姫に質問攻めされていた。
「ねぇねぇ、陸と何話してたのー?」
姫はシャワーを浴びた後なのかバスローブを着ていた。
「気になりますか?」
話しながら姫の自室に行く。
「うん、気になる」
「僕の事よりも?」
いきなりそんなことを言い出してくる和佐に姫は赤面する。
「か、和佐くんはっ、なんで、その、いきなりそんなこと……」
姫はどんどん声がか細いものになり、最終的には消えてしまっている。
そんな姫をからかうようにどんどん攻めていく。
「別にー。好きな女の子が別の男の子のこと気になってるなんて普通不愉快じゃないですかー」
ベットにたどり着いたことを確認し、和佐は姫を押し倒す。
「わふっ、ちょ、まって!! まって、和佐くんっ」
焦る姫。
「待てないと言ったら?」
微笑む和佐。
(これ以上やると嫌われちゃいますね)
「冗談ですよ。無理矢理する気はありませんですから。でも待てないって言うのは本当ですよ?」
そう言い残すと和佐は風呂場に向かっていった。
取り残された姫は押し倒されたままのポーズで固まるしかなかった。
(明日、でしたっけ。陸が女の子連れ込むの)
少し間違った解釈をしているように見えるがそこは無視していいだろう。
和佐はさきほどの陸とのやりとりを思い出す。
「明日、姫をどっか連れてってもらえないか?」
陸は少し済まなさそうに言う。
「別にかまいませんが、なぜですか?」
和佐は気になる点をつく。
「あいつ、人見知りなんだ。俺とはじめて話した時もかなり緊張してたみたいだし。一気にたくさんの人が来たらあいつ倒れちゃうかも。それに……」
言いにくそうに言う。
「ああ、確かに姫に知られるとややこしいことになりますね。あの子、少し嫉妬深いとこありますから」
姫と長く付き合って来た人だけに分かる判断だった。
姫は何年も前ずっと地下深くの牢屋に閉じ込められていたのだ。
だから最初人に気を許すまですごい時間がたったと聞いている。
ずっと、暗い中でひとりぼっちという経験をしてきたせいか、一度できた友達にはかなり執着する。
自分に何も言わないで秘密にしてたと気づかれたら絶対悲しむ。
それと、最も重要な点では今まで姫は一回も一般的な人間とまともに話した事がないことである。
悪魔、超能力者、死神等とはあるのだが……。
とにかく会わせるのは危険だった
「わかりました、僕がなんとかしときます」
和佐はシャワーを浴び終わり、体を拭く。
(僕にとっても別に不都合なことではない)
バスローブに身を包み、風呂場から出る。
向かうのは、姫の部屋。
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