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お待たせしました、第六章スタートです*
第六章 風邪……?
第百八十八話
季節は少し蒸し暑くなり始めた六月。
陸が陽菜と付き合って二ヶ月と少し経ったくらいのある日の朝の事。

「陽菜、朝だぞー……起きて」

いつものようにベットの自分の隣で心地良さそうに寝ている陽菜を起こす。
あれから陽菜は日々の特訓の末、主に脚力を鍛え1m15cmくらいまでは片足でも軽く跳べるくらいに上達していた。
昔同じ様に鍛えた男の和佐に比べればかなり遅いもののごく普通の女子中学生にすればものすごく早い上達ぶりである。
また、クラスで一番小さい陽菜はクラスのマスコットキャラクターとして多いに皆に馴染まれ、今ではすっかり人気者だ。
ちなみに陸のクラスでも中沢たちがこの前の失態を犯さぬよう、リベンジした所ほぼクラス全員から『なんであんな可愛い子が陸ちゃんに……』と敗北宣言され、それを聞きつけた他のクラス、学年のほぼ全校男子が敗北の涙を零すという淡紅学園高等部創立以来の武勇伝が出来たりもしたそうな。
陸もつくづく陽菜はすごいと思ってしまう。
そんな奇跡の女神(陸談)・陽菜はむくっと起き上がる。

「ぁ……おはよ……陸くん……」

(っ!?)
なんかおかしい。
顔が少し赤い気がするし、なんだか疲れてる様にも見える。
いつもよりも眠そうな足取りの陽菜はベットから立ち上がり、陸の予想通り、

ガクッ

「ぇ……?!」

「っと」

バランスを崩し、陸に倒れ込んだ。
陸はすかさず陽菜を抱き起こし、再びベットに寝かせる。
そして自分の額を彼女の物とくっつけて、言う。

「あー……やっぱちょっと熱いな……。風邪かもしんないから今日は学校休め」

陽菜ははっと気づき寝かしつける陸を無理矢理押しのけようとする。
が、いくら特訓したとしてもやはり人間の……それも女子中学生の力では勝ち負けは決まっている。
陸は押し倒す事でそれを防ぐ。
しかし、陽菜は必死にもがく。

「大丈夫、だから……っ、学校行けるよ……」

「馬鹿、学校で倒れたりしたらどうするんだよ?! 今日は安静にしとけ」

無理と判断した陽菜はしぶしぶもがくのをやめる。
(やっぱ無理させすぎたかな……)
陸は少し反省し、陽菜に一言言ってキッチンに向かう。

「とにかくっ、俺がごはん作ってる間に逃げるとかそういうことしたら本当に怒るからな?」

「は、はひ……」

(こ、怖いっ)
陸はキレると人数倍怖いと聞くので陽菜は了承せざる得なかった。
カチャンと言う扉の閉まる音と共に陸は去った。
(一人になるくらいなら……無理してでも学校に行きたかった……)
陽菜はベットの上に飾ってある例のまめしばの人形を手に取る。
陸はこれから着替えて学校に行くだろう。
その間陽菜は一人ぽっちになるのを免れなかった。



「あれーっ?! 今日陸ちゃん休み?」

授業が始まる直前、教室にて中沢が陸の(自称)真の親友・和佐に問いかける。
和佐は割と落ち着いた口調で、

「陽菜さんが体調を崩したみたいで今日は看病するって言ってまいたよ」

「へぇー、意外に溺愛タイプなんだ。いいなー陽菜ちゃん」

羨ましそうにする中沢にいつもなら笑いかける所だが今回は笑えなかった。
姫がこちらを少し気にして、目を合わしたとたんそらされたからだ。

(姫……)
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