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第五章 学校
第百五十八話
予想外の言動に海斗は戸惑う。
そういえば話したのは初めてだった。
(そんな顔されたって……っ)
よく見ると顔は確かに可愛い。
こんな子が変な連中に虐められてたらこの幻術師最強と呼ばれる能力を使ってでも助けるだろう。
(が、しかし……っ)
こんなところで折れるのはプライド上許せなかった。

「べ、別に、僕は隊長のためにやってるんで君のためなんかじゃない」

言ってから、激しく後悔。
(なんでこんな言い方しかできないんだろ……)
自然と赤くなる頬を隠す様にそっぽを向き、運悪くつかさに見られる。
彼女はにやりと意味ありげな笑みを浮かべ耳元でそっと囁く。

『意地っ張り。本当は仲良くしたいくせに。なんならひーちゃんに言ってあげようか?』

さぁーっと血の気が引くのを感じた。
図星をつかれてしまった。

「だ、黙れ!! 別に俺は……っ」

「あれ? 一人称変わってるよぉ? 海斗くぅ〜ん?」

(ヤバい、僕としたことが……っ)
完全につかさのペースに巻き込まれている。
海斗はなるべく平然を保とうと努力し、背を向けると、

「うるさい、うるさい、うるさいっ!! もう二度とお前らなんかと口聞いてやらないから!!」

テレポートで逃げ出した。



そのころ高等部2-Cでは……

「うぉっしゃぁっ!! 皆の者!! 中等部2-Eに突撃だ!! 指揮官の中沢、頼んだぞ」

「了解しましたっ!!」

クラスの大半の男子が団結して陽菜の顔を見に行くという任務を開始していた。
中沢が指揮官なのはたぶん陽菜を見たのは中沢しかいなかったからだろう。
クラスで唯一残っている男子二人(もちろん陸と和佐)と女子一人(言わなくても解るがクラスの唯一の女子・姫)が机を合わせて弁当を置く。

「あいつらマジでやる気なんだろうか?」

うんざりを顔に隠さない陸がぽつりと言う。
それを見て和佐は吹いた。

「なんだよ」

「い、いや、今のすごい橘に似てたなぁーっと」

和佐は年下年上構わず"くん"や"さん"を付けるが海斗だけは例外だった。
和佐と海斗は幻術師同士の所謂"ライバル"であり犬猿の仲だった。
にぎやかなクラスの連中をよそに姫は切り出す。

「それよりさぁ……姫たちが仕事してた間、あんた何があった訳?」
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