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第十三話
「ん、中身? ああ、別にいいよ、おごるから」

ほっとした様な顔で陸は言う。
実は彼、かっこつける為に今日は多めに持って来たのだ。

「ぇ……でも、悪いし……」

また声が小さくなる。
(本当、遠慮がちだよな、こいつ)
陸は陽菜の頭を撫で、
「俺はおなか空かしてる女の子の前で夕食食う様な最悪最低の男に見えると?」
少し調子にのってからかってみる。
(これくらい言わないと絶対遠慮するからな)
予想通り陽菜は、言った。
「ふぇ!? そういう訳じゃなくて、その、嫌われたく……ないから……」
「あのなぁ……そんなことで人嫌いになるかよ」
少し飽きれた風に言う。
「ごめん……」
「いや、だから別に怒ってる訳じゃなくて、謝らなくていいから!!」
そしてひたすら焦る。
(ヤバい、かなりデリケートっぽい。傷ついちゃいそうで危ない)
とりあえず、このまんまじゃ気まずいので陸は話題を変える事にした。
「苦手なものとかあるか?」
陽菜は気を取り直して言う。

「とくにないよ」

「じゃ、とりあえずそこのデパートの飲食店行くか」


十分くらいかけて着いたデパート十階の飲食コーナーは、とても学生同士が行く様な雰囲気の所ではなかった。
なんというか、少なくても「ちょっと食事」というには豪華すぎる。
そんな中に私立っぽい制服を着ている陸はまだしも地元の公立中学のセーラー服の自分はあまりにも合わない。
毛皮のコートを着たおば様方、明らかにただものではない雰囲気が漂ってるおじ様方がこっちを見ている……様な気がする。
陽菜自信でも、自分がここで食事するのは場違いだ、と思うくらい。
だから陽菜は陸に言う。

「あの、私別にこんな高そうなとこじゃなくても……」

陽菜は遠慮する。が、

「値段は気にしなくていい。一応今朝金補充しといたから」

陸はまったく気にしてない様子で言う。

「何食べたい?」

そう聞く彼は食べ物を見つけた小動物の様に、キラキラした目で食品サンプルを見ていた。
陽菜はこれ以上遠慮すると逆に失礼だと言う事に気づいて言う。

「中華料理……最近食べてないから」

「了解っ!!」

こうして二人は一番奥の中華料理店で食べる事になった。
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