ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
第三章 新しい生活
第百二十八話
そしてここにも一人。
誰も居ないはずの淡紅の街という土地の最果てにある小さい神社の石段で海斗も空を見ていた。
陸にはどうしても顔を会わせたくないのでここに居る。
(僕は、隊長のなんだったんだ?)
一番とまでは行かなくても近くに居たと思っていたのに。
まるで視界に占める数々の星と同じである。
目では近く見えても実際はものすごい遠いのだ。
なんとなく頭に陽菜の顔が浮かぶ。
(別にあの子自体が嫌いな訳じゃない)
顔はわりと可愛らしいどっちかと言うと自分の好みに近かった気がする。
もっとちゃんとした出会い方をしておればたぶんあんなことを言わずに済んだだろう。
発した言葉自体は間違っては居ないが反射的に怒鳴ってしまったので言い方が悪すぎた。
今までにない罪悪感が海斗の心を占めていった。



「下、絶対見るなよ」

「う、うん」

陸は陽菜を抱えたまんま最遅スピードで上にある陸の家のバルコニーまで飛んでいた。
早くすると陽菜が怖がるので仕方がないし、かと言って玄関を通ると海斗たちに見つかりそうでなにかと怖いからだ。
そう、陸はまだまりもたちに陽菜がここで暮らしている事を話していない。
陽菜の様子が落ち着いたら話そうかと思っていたがやはり無理があったようだ。
たぶん恋人だと知られなくともまりもたちも同じ反応をするだろう。
今ここ(淡紅の街)に人間は一人も居ない。
陸が人間嫌いだと言う事ではなくいつ戦争が起きてもおかしくないような街に人間は居ない方がいいからだ。
異能者ならまだしも自分の身も守れない一般人は邪魔になるだけである。
(どうしたら、みんな納得してくれるかな……)
姫や和佐やつかさなら同意してくれそうだが。
自分が今まで守ってきた、これからも守り続けるだろうあの子はどうだろう。
同意してくれるだろうか?
それとも怒って殺してしまうだろうか?
ようやくバルコニーに着いた陸は窓を開けてリビングに入る。
(まぁ、今は鍛えるだけでいいか)

「陽菜、俺風呂沸かしとくからケーキの準備しておいて」

「うん、解った」

陽菜は元気よく返事をしてキッチンの方へケーキの袋を持ってぱたぱたと走っていった。
(例え何を言われたとしても、今の俺は陽菜が必要で傍に居てほしい。それは変わらないんだ)
愛しくてたまらない、一人の女の子。
自分はここまで人を愛した事がない。
陸は風呂の準備をすばやく終え自室に戻った。


こぽこぽ……

紅茶を入れる優しい音と良い香りがリビングに広がる。
今日は陽菜のお気に入りのアップルティーだ。
恋人になった記念の日なのだからいつもより贅沢にしてもいいだろう、と陽菜は思う。
陽菜は紅茶を白い金のふちの可愛らしいカップに入れると食器棚を見渡した。
ケーキを入れるお皿を探すためである。
陽菜はカップとお揃いの皿を見つけて二枚手に取る。
よくよく見てみるとここに並んでいる食器はどれも高級そうな物ばかりで改めて陸がお金持ちだと言う事が一目で解る。
モノクロカラーで統一されているキッチンを紅茶と皿をトレイにのせて出る。
リビングの二人用のテーブル(折りたたみ式で姫たちが来たようにとわざわざテーブルの面積を広げれるようになっている)にトレイを置くと袋から丁寧にケーキを取り出す。
(こっちのモンブランが私ので、プリンのが陸くんので……あれ……?)
ケーキが三個、あった。
祝・10万PV!!
読者の皆様本当にありがとうございます!!

ここまで読んでくれた方のみちょっとした絵を公開してみます(初
忠告しておきますが、小説のイメージ崩れますから期待している人は見ない方がいいです。
気分が悪くなってしまっても作者は責任負いません。
それでもという方は下のURLにアクセスしてみて下さいw

URL:http://blog-imgs-24.fc2.com/h/i/s/hisumimisuzu/20090616071908524_convert_20090628121458.jpeg

あ、バナーに使ったので一部分だけ見た事あるかもです(
だいぶ前書いたから絵柄今とちょっと違うかもw
cont_access.php?citi_cont_id=238008549&size=135 毎日ワンクリック 長編小説ランキング †ラブファンタジー† 祝80万PV突破キャラ人気投票(〜10/15) みりんイラスト館


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。