ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
第三章 新しい生活
第百十八話
言って、少し経ったあとに弱々しい、誰よりも憎い少女を海斗は一瞥する。

「よりによっても……人間っ、ただの人間だなんて……っ」

「海斗」

陸は強く言う。
しかし、海斗は止まらない、止まる事ができない。
許せなかった。
それはただの嫉妬ではなく自分の一番大切な人のためへの怒りでもあった。
(隊長をこれ以上傷つける訳にはいかない)
陽菜に向かって珍しく怒鳴る。

「貴女は、何をしたい?」

「え……」

陽菜は意味不明の発言につい間抜けな声をこぼしてしまう。
それは海斗を怒り狂わせるほどの力があると、知らずに。

「貴女は何も解ってない!! それが、隊長に迷惑をかけて、傷つけて……っ、それでも貴女は何がしたいんだ!!」

「海斗!!」

陸が力ずくで海斗を黙らせる。
陽菜は完璧に怯えきった様子で端で震えている。

「お前の様な弱い奴は隊長の邪魔になる足手まといだ!!」

「っこの馬鹿が!!」

バチィッ

体に熱い衝撃がくる。
陸が弱い雷撃を放ったのだった。

「く……っ」

「頭冷やすまで俺の部屋に入ってくるな!!」

陸に怒鳴られたので海斗は舌打ちするとテレポートで去っていった。
出て行って陸は初めてため息をつく。

「ったくあいつはどうしちまったんだ、普段は割と無口な方なのに……」

今までこんなことはなかった。
陸の中で海斗は一番冷静な奴だと思っていたつもりだった。
しかし、海斗に言われて陸もやっと気付いた。
(俺は……本当にこうしてよかったのか?)
いつまでもみんなに隠して同居することはまず不可能である。
それにバレたら陽菜の立場はどうしても気まずいものになる。
強くも特別頭がキレる訳でもないただの少女。
そんな少女を自分の組織に入れる事なんてしたら隊員との、いやそれ以上の関係組織との内乱はさけられないだろう。
陽菜は事の肝心さに気付いて陸に言う。

「ごめんなさい……。私、どうしたら迷惑じゃなくなる? いてもいいよ、ってみんなに言われるにはどうしたらいいの……?」

声が震えていて振り返らなくても泣いている事が解る。
陸は決心するしかなかった。

「陽菜、方法はある。でも、厳しいぞ?」

「なんでもするから……っ、だからここに居させて下さい……っ」

陽菜は意外にもすぐ了解した。
そんな彼女の震える手を握る。
陸はいつもの笑顔で言った。

「じゃ、とりあえず寝る前に筋トレな。俺がちゃんとコーチしてやるから」
cont_access.php?citi_cont_id=238008549&size=135 毎日ワンクリック 長編小説ランキング †ラブファンタジー† 祝80万PV突破キャラ人気投票(〜10/15) みりんイラスト館


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。