第六話:涙(現実)
「隆司…俺…」
隆司はずっとこっちを見ている。
(隆司……)
そんな隆司の顔を見ていると、いつの間にか僕の目には涙がたまってきていた。
「彰?大丈夫かよ???どうしたんだ?」
隆司……やっぱり言えないよ…
「なんでもないよ。昨日からずっと目が痛くてかゆくてたまんないからさ。」
「ホントか?それならいいけど…ほらよ。」
そう言って隆司は僕にハンカチをさしだした。
「ありがとな隆司。」
僕は隆司のハンカチで涙をふいた。
ふいているのに……涙がとまらない。
僕はとまらない涙をふきながら隆司に言った。
「隆司好きな人いたっけ?」
なんでそんなこといったのか自分でもわからなかった…
でも今の僕には、ホントに話したい事を話す勇気がなかった。
「もちろん!!好きな人ぐらいいるに決まってんだろ。話したい事ってそんなことかよッ!」
隆司は笑いながらこっちを見て言った。
そんな隆司の笑い顔を見ていると、涙はだんだんとひいてきた。
隆司の笑顔には助けられてばかりだ。
「誰なんだよ。教えてくれよ!」
僕がそう言うと、隆司は少し照れながら言った。
「…小山だよ…」
え…?
……小山?
「お前聞こえた?」
隆司は僕の顔を見た。
「あぁ…、へー、隆司って夏のことが好きだったのかぁ。」
「まあ好きになったのは最近なんだけどな!
あぁ〜照れるなぁ、まじで。」
隆司はずっと笑いながら話していた。
けど僕は笑えない。
隆司が夏を好きだったなんて…
「彰は好きな人いないの?」
「……今は…いないかなぁ。」
言えるわけない。
「ゴメン隆司。僕そういえば今日用事あった!悪いけど先に帰るよ!じゃあなっ!」
「おっおい彰!」
僕は走って教室からでた。
隆司が夏を好きだったなんて。。。
正直すごいショックである。
僕はひたすらひたすら走っていた。
もう涙すら流れていなかった。
(…どうしよう。)
「彰君!!」
僕が学校の近くの公園にいると、公園の外から誰かが僕をよんだ。
「あっ…先生…」
そこにいたのは病院の梶山先生だった。
「彰君。こんなとこで何してるの?」
「いたっ…ちょっと気分転換に。」
「そうかっ。じゃあ病院でもいこうか?ここは寒いだろう?」
「そうですね。じゃあそうさしてもらいます。」
「できればご家族も一緒だといいんだけど…」
先生はそう言って僕を見た。
先生の気持ちも痛いほどわかる。
けど僕に勇気はなかった…
「すいません。じゃあ先に僕だけに全部話してください。
親には自分から話して明日また一緒に病院いきますから…」
先生は困った顔をみせていたが、小さく頷いた。
僕は先生と一緒に病院へむかった。
悲しい運命を受け入れる覚悟を決めて…
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