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作:ピッチ



第四話:いつもの風景


「彰!もう起きなさいよ!学校遅刻するわよ!」
リビングから母の呼ぶ声が聞こえた。
高校生になった今でも母は毎朝こうして起こしてくれる。そして僕はいつもその母の声を聞き、眠りからさめる。


けど今日はいつもと違っていた。


昨日は一睡もできなかったからだ。

それでも僕はいつもと同じようにベットからおり、いつもと同じようにリビングにむかった。


「彰〜!早く朝ご飯食べちゃってよ!」


「わかってるよぉ。」

いつもの朝ご飯。けど味がよくわからなかった…
何故だろう…


「母さん。今日は味ご飯いらないやぁ。」


「どうしたの?風邪大丈夫なの?無理したらダメよ!」



母の言葉に涙がでそうになった…僕を心配してくれる母の優しさを、僕は心の底からかんじた…


「いってきます。」

そう言いのこし、僕は家をでた。



今日はあいにくの雨模様…
まるで僕の心をうつしだしたかのようだった。

いつも学校に行く途中、僕は昼食を買いにコンビニへよる。
今日も同じ道を、同じ時間に、同じようにコンビニへむかった。


でもどこかいつもと違ってた…


いつもの風景、いつもの道なのに…昨日の朝歩いた道とは何かが違ってた…


(俺…病気…なんだっけ…)


辛い言葉が頭によぎる…


コンビニで昼食を買って学校にむかっていると、後ろから僕を呼ぶ声がした。



「斉藤君!」


その声を聞いた途端、ここにくるまで考えていたことは一瞬にしてどこかにいってしまった。



「夏…」


「斉藤君?元気?」


彼女は僕と同じ学校の小山夏美。
クラスは違うけど中学校から同じだったこともあって僕と彼女は知らず知らず仲良くなっていた。


「あっ、おはよう夏。」
僕は彼女のことを夏と呼んでいる。
彼女が名前で呼んでいいと言ってくれたとき、嬉しかったけど恥ずかしくて 夏 と呼ぶようになった。



「斉藤君顔色よくないよ?どうせ夜遅くまで起きてたんでしょ!」


「違うよ!ちょっと疲れがたまっただけさぁ〜。」


「そっかぁ。まぁ気をつけてね!早くしないと学校遅れるよ?また後でねぇ。」

そう言うと夏は足速に学校にむかっていった。
僕は少し気分が楽になったような気がした。

夏の声を聞いただけなのに、僕の心は少し落ち着いた。



それは…



僕が夏のことが好きだからだろうな…



僕は自分の苦しみを、どこかにしまいこんで、足速に学校なむかった。














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