第一話:涙(真実)
「……あなたにお伝えしないといけないことがあります…」
僕がそんなことを言われたのは、高校二年生になったばかりの春のことだった。
一ヵ月くらい前に学校で行われた健康検査で、僕は再検査の通知をうけた。
(どうせ何の病気でもないのに。)
当たり前のようにそう思った。普通誰でもそう考えるものだ。
けど…
「非常に言いにくいんですが…あなたは…癌にかかっています。」
「えっ…?」
癌…
僕の目の前は真っ暗になった。
「嘘…ですよね……?」
「…嘘なんかじゃない。あなたの病名は癌なんです。」
癌…
(癌? 癌ってなんだっけ…)
信じられない…僕が癌?そんなことあるわけがない。
僕はその場から逃げ出した。町中を走り回った。どこまでもどこまでも走った…
消えるはずのない苦しみを消そうとして、ただただ走った… |