脳筋が初めて小説を投稿して思ったこと
私は脳筋である。
何処に出しても恥ずかしい立派な脳筋である。
映りがおかしくなったテレビを叩いて壊す脳筋である。
メモリを差し込む時に力を入れすぎてマザーボードを割る脳筋である。
出先で自転車の鍵をなくして素手で鍵を破壊し
警察官に職務質問された脳筋である。
学生時代なぜかスクールカーストの頂点グループに誘われ川にキャンプに行った時にイケメンに群がる女子を見て、ブサメンである私は顔では勝てない、ならばワイルドさで勝負するしかないと、素手で魚を捕り、叩き割って鋭利にした石のナイフで内臓を抜き、木の枝を突き刺して焚き火で焙り、意中の女子に「食べてくれキリッ」と差し出したところドン引きされ「野人」という渾名をつけられ、ますますもてなくなった悲しき脳筋である。
そんな、何処に出しても恥ずかしい立派な脳筋である私が先日初めて小説を投稿した。
誤字報告で誤字をした、とても恥ずかしい経験を綴ったエッセイであるが、投稿したエッセイも誤字だらけという脳筋さである。
勢いで書き上げ、投稿する段階になり生来の臆病さを出し、何度も読み返した後、どうせ誰も読まないだろうと心に多重結界を張り投稿した。
ところが誰も読まないと思っていた私の駄文にポイントや感想を頂けたのである。
少しの混乱と多くの感動、そして圧倒的感謝を感じ何とも言えない高揚感に包まれた。
そして感想を書いてくれた方の作品で気になるタイトルの作品を読んでみた。
レベルが高い、私の小学生の感想文の様な作品とは全く違う。
心が折れかけたが、むしろ脳筋の書く小学生の感想文レベルの文章の方がレアなのではないか、それが私の味なのだ!と折れかけの心に無理やり添え木をして何とかこの作品を書いている。
普段、日刊総合ランキングの上位だけ適当にチェックして、気になるタイトルだけ読むというスタイルだった私は普段読まないようなジャンルの作品に出会えてほんの少しだけ自分の世界が広がった気がした。
それに文章を書いてみて今までなんとなく読んでいた作品の見方が少し変わった。
自分の伝えたい事を文字にするという苦労を知って、この作品の作者は何を伝えたいのだろう?と考えるようになった。
ただ暇な時間を埋めるだけの読書からちゃんと意味のある読書に変わった気がしたのだ。
たかが数百文字のエッセイひとつ書いただけでこんなに変わるのか!と衝撃を受けた。
読むだけで小説を投稿した事がない
という人には一度投稿してみる事をお勧めする。
書くことは日常のちょっとした事でいいのだ。
きっとほんの少し貴方の世界を広げてくれる。
たとえ評価されなくても感想が書かれなくても
小説を投稿した貴方は一歩前に進み
自分の世界を広げたのだから。