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優しき風が吹く頃に
作:彩BOC



〜放課後〜PRAT2


「リレー…ですか……」先ほど澪に呼ばれて職員室に来て持ちかけられた話は、今、引退間近の三年生達が特に力を入れている競技。
去年高木先輩と遊び心でやった覚えがある。
ただバトンを持って次の走者に渡すことなど容易いので、今までバカにしてきたが、大会で先輩達の受け渡しを見て、自分のやっているお遊びとはわけが違う事が解った。

「そうだ。まぁ三年も、この夏が終われば終りなんだけど、アンタ達が意志を継ぐ前にアンタ達がやるのがどんなものか見ておきたくてね。アンタもやってみたいと思うだろ?」

ニシシと笑う。慎一の中ではやってみたいという期待があった。
陸上競技の中で唯一の団体競技だし、さらにそのチームのチームワークが試される。そこで、チームワークが乱れていれば、バトンを落としたり、走者の間で詰まったりしてタイムロスなどは当然、四人の息が合わなければいけない。

「まぁイヤならイヤで三年が引退してからでもいいんだけど、どうせなら先走ってやっておいた方が、後々教えるのに効率がいいだろ?」

「それは……そうですけど……」

「それに…アイツをどうするかも決めたいしな……」

寂し気にうつ向いた顔で、澪は呟いた。
澪が呟いた“アイツ”とは、三年のリレーメンバーの一人で、最近、家庭内の事情があるのか、やたらに教師に対する態度が大きくなった部員。
はっきり言うと自己中心的な性格で人に命令をしてくるのでウザい。(他陸上部員男談)

足の速さは校内でもトップを争う程なので、みんな口出し出来ないでいる。慎一自身、あんまり関わったことがないので解らないが、最初は尊敬する高木先輩の親友だということで、同じく尊敬していたが、今年になって人が変わったので、ガッカリしている。

「まぁ、アンタ次第でアイツの方針も決まるんだし、こういっちゃなんだが、頑張んな」

「は、はぁ……」

俺次第で、先輩の方針が決まるって……どうしよう……。

「ま、小難しい話はいいや、また正式に話をするから。ほら、練習に行ってきな!」

そういって、強く慎一の背を押した。












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