〜同じ〜
「おい下総、待てよっ」
日中は暑いとは言ってられない程の暑さだ。
身近にある下敷きで風を呼ばなければ一日は越せない。風の無い日は、それこそ苦しい一日となる。
「なんだ、騒々しい…」
「同じクラスだったのかよ…。だったら声かけてくれてもよかったのに…」
先日の一走決めの時のことでお礼を言いたかったに、必死で他のクラスを捜したが見付からず、健に聞いてみるとそこにいるじゃないかと結果、同じクラスだということが判明した。
「用の無いやつに声をかける必要はないだろ?」
さらっと言った。
「じゃなくって、同じ陸上部の仲間なんだから、挨拶の一つくらい…」
「仲間?仲間など作って何になる?所詮人は、使うか使われるかの二択。人間はその程度だ」
「は…?」
「それだけか?つまらん用で呼び止めるな」
下総は背を向け歩いて行った。…て
「何処行くんだよ?次、物理だろ」
「だからなんだ。俺は図書室に行く」
「行くって…あと5分だぞ?何しに行くんだよ?」
「五月蝿い。構うな」
「お、おい…」
まだ話は終わってないっつうのに…
「耳あんのかアイツ?」
「何ブツブツ言ってんのよ」
理科室の入口にいた伊那が声をかけてきた。その後ろには舞歌達もいた。
「いや…今下総がさぁ…」
「下総?どこにいんだ?」
「え?」
再び振り返ると、下総の姿は無かった。理科室の廊下は直線しか行けないハズなのに…。曲がり角まで結構あるんだが…。
下総は風の如く消えてきた。
「ほら、授業始まるよ?慎ちゃん」
「あ…ああ」
その後も、授業が始まっても、下総の姿は見えなかった。どういうつもりだアイツ…。
「コラー!相模!ヨソ向くなぁ!」
この時間に飛んだチョークは三本、校内新記録となった。
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