短編「戦争から帰ってきたら」
Jムスは故郷へと向かう汽車に揺られていました。
大きな戦争で戦地へ行っていたため、故郷へ戻るのは実に三年ぶりです。
Jムスが生まれ育った町は特に目立った特徴の無い、小さな田舎町でした。
Jムスには恋人がいました。
町の中心から少し外れたところのアパートに住んでいる、ひとつ年下の女性です。
まだまだ若い盛りのJムスは、三年分の情熱を今夜全てぶつけようと息巻いていました。
故郷の駅に到着し汽車を降りたJムスは、懐かしい町並みなどには目もくれず、一直線に彼女の住むアパートへと向かいました。
向かった先でJムスが目にしたのは、彼女がJムスの知らない男と熱くたわむれている光景でした。
Jムスは入ったばかりのアパートから無我夢中で駆け出しました。そして細い路地のつきあたりで倒れこみ、激しく息を切らせながら嗚咽を漏らして泣きました。
しばらくしてひと通り泣き終えると、むくりと起き上がり、服についたほこりを払いながらつぶやきました。
「さてと、次のオンナの所へ行くとするか・・・」
Jムスは第二の女の家へ向かいました。
「あいつはオレに本気で惚れていたからな。期待できるぞ」
しかしJムスは、またしても知らない男とたわむれている光景を目の当たりにしました。
Jムスは涙を流しながら走り、言います。
「次のオンナだ!」
第三の女の家にも知らない男がいました。
「次だー!」
しかし、第四の女の家にもいました。
「次!」
第五、第六、第七・・・・Jムスが手をつけていた十人の女全員に、別の男がついていました。全滅です。
「くそう!オンナってのはなんて信用のおけない生き物なんだ!オレという男がいながら別の男とイチャついてるなんてふざけてる!あいつら全員最低だ!」
Jムスは自分の事は完全に棚に上げて、自分勝手な怒りをぶちまけながら、やさしい両親のいる実家へと向かいました。もう実家でゆっくり休むしかありません。
実家に帰ると、母親に見知らぬ中年の男を紹介されました。
「新しいお父さんよ」
「もうダメだー!」
おしまい
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