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〜殺し屋はターゲットに恋をする〜
作:セツナ



第38話 ナンパ野郎を返り討ち!


「おかえり、刹那にお姉ちゃん」

「こっちは大分集まりましたよ」

玲菜と恵利の足元には、浜に流れ着いた細い枝が積んであった。これなら十分火を起こせるだろう。

「よいっしょ・・・・・はぁ、疲れた」

「お疲れ様、刹那〜♪」

「誰のせいだと思ってんですか?!」

「あたしの誘惑に負けたあんた♪」

里奈が、からからと笑う。・・・まぁ、里奈の悩殺ポーズを食らってノックアウトされたのは刹那自身なのだから反論したくともできない。
腕に抱えていた岩を置き、円を作るように並べる。数と大きさがぴったりだったから、隙間が開くことなく、ちゃんとした円を作ることができた。
その中に、玲菜と恵利が取ってきた枝を入れる。よし、これで燃え広がることはない。あとは火をつけるだけなのだが・・・・・。

「誰か火とか持ってる?」

「持ってないよ」

「持ってません」

「持ってないわ」

ですよね〜・・・。煙草吸うわけでもないのに、わざわざライターとか持ってるわけないですよね〜・・・。
腕組みをして考える。ん〜・・・・・ここは原始的に棒で板をゴリゴリして火を起こすか? いや、普通に考えて無理だろ。どんだけ時間がかかるんだよって話しだ。何か他にいい方法はないだろうか・・・。

「あらららら〜? 可愛い女の子がいっぱいじゃん〜?」

「1、2、3人。おほ、大量じゃんよ」

声のしたほうを振り向いてみると、1人は金髪の、もう1人は茶髪で顔面中にピアスをつけているいかにも柄の悪そうな2人の男が、こっちのほうに近づいてくるのが見えた。

「ねぇねぇ、お姉さん達ぃ〜。これからどっか遊びに行かないぃ〜?」

「そうだよ、近くにいい景色が見えるとっておきの場所があるんだ。一緒にどう?」

・・・・・これは、いわゆるナンパというやつだろうか? 男達の目には刹那は映っておらず、目の前の女の子3人しか移っていない。
さっと、恵利は里奈の後ろに隠れた。・・・・・この男達が怖いのだろう、怯えたような目で里奈の影から男達を見ていた。

「あら、ごめんなさいね。私達、連れがいるからね。無理なのよ」

大人っぽい雰囲気で優しく言い、何とか男達を追い払おうとした里奈だが、男達は一向に引こうとはせず、全然諦めようとしない。・・・・・当然か、目の前に明らかに可愛い女の子が3人だ。これで諦めろ、というほうが無理というものだ。

「いいじゃんよぉ〜。連れって女みてぇな顔のやつだろ? こんなやつより俺たちの方が絶対楽しいぜぇ〜!!」

・・・・・女みたいな顔って言われたのは産まれて初めてだった。まぁ、言われてみれば小さい頃近所の人から女の子みたいだね〜、って言われたことがあるが、高校生にもなって女みたいな顔と言われるのは結構ショックだ。

「・・・・・言われてみれば、女の子っぽい顔してるわね、あんた」

「今そんなこと言ってる場合じゃないでしょ?! ってか結構傷つくから止めてくれません?!」」

「へっへっへ、いいだろぉ? 一緒に遊ぼうぜぇ〜!」

・・・まぁ、確かに今はそんなことを言っている場合ではない。しつこいこの男達を何とか追い返さなければ。
里奈はさすがにうんざりしてきたのか、ちょっとだけ不機嫌に言った。

「うるさいわね、あんた達に構ってる暇はないの。この子だって怖がってるし、さっさと行きなさい」

「おぉ、強気強気。いいねぇ、俺こういう性格のがタイプなんだよぉ〜」

「ひひひ。姉ちゃんいい体してるねぇ〜! なぁなぁ、行こうってば〜!」

そう言って、金髪のほうの男が里奈・・・・・もとい、最凶の悪魔の肩に、手を乗せた。不機嫌になっている里奈の肩に気安く手を乗せたということ、それはつまり・・・・・地獄行きの切符を手に入れたことを意味する!! しかもどこの駅にも寄り道しない、地獄へ直行の特急便だ!!

「・・・・・みんな、ちょっとだけ手で目を隠してくれないかな? すぐ終わるから」

里奈の言うとおり、刹那たちは手で目を覆うことくらいしかできなかった。これから起こるであろうということを、止めることなどできなかった。
そりゃそうだ、悪魔というのは地獄にいるものだ。俺たち現世に生きる人間が、ありとあらゆる苦痛が待っている地獄からやってきた悪魔を止める術などあるわけがない!!
視界を手で隠し終わったあと、目の前のほうから交通事故か何か・・・・・そう、人対人では絶対に鳴らないような音が聞こえた。なんと言うか・・・・・口にするものおぞましい音だった。

「もういいよ〜」

まるで子供が隠れん坊をしているときのような声を出し、刹那たちはゆっくりと覆っていた手を下ろした。目の前には、先ほどまでいたはずの金髪と茶髪の男たちがいなくなっていた。・・・・・あれ?

「あぁ〜ん、お姉ちゃん怖かったよぉ〜」

「ちょ!! 抱きつかないでよ!!」

・・・・・この人は、なんという・・・・・いや、これ以上は思うまいよ。こんなことを思うものならば、俺の命が危なくなる。
でも・・・・・さっきの男達は本当にどこに行ったのだろうか。

「あの・・・・・里奈さん、さっきの2人は・・・・・?」

恵利が恐る恐る里奈に聞いていた。刹那自身も男達の行方が気になっていたし、黙って聞いておくことにするようだった。
里奈は玲菜に抱きつきながら、ご機嫌な様子で言った。

「だいじょ〜ぶ。殺ってないから」

・・・・・と、いうことは、あの男達は半死半生ということになっているのだろうか? ・・・・・まぁ、もともとあの男達が悪いから自業自得なのだから仕方ない。だが、それにしても哀れだな。せめて話しかけるくらいだったらまだ五体満足で帰れたかもしれないのに・・・・・。

「恵利さん、大丈夫ですか?」

「は、はい。ちょっとだけ怖かったけど・・・。大丈夫です」

恵利は玲菜の問いに大丈夫、と笑顔を浮かべながら言ったが、笑顔は心なしか引きつっていた。平気なふりをしているが、やはり怖かったのだろう。・・・・・まぁ、あとで博人に慰めてもらうだろうから大丈夫か。

「刹那、はい」

「え? うわ!」

里奈がいきなり、刹那目掛けて山なりに何かを投げてよこした。これは・・・・・ライター?

「さっきの男から盗ったの」

「盗ったって・・・・・。あんたって人は・・・・・」

「まぁいいじゃないのよ。これで火は起こせるわよ?」

盗ったということには関心しないが、これで火は起こせる。
あとは博人たちが魚を捕ってきてくれればいいのだが・・・・・果たして人数分捕まえてこれるのだろうか?

+++++

一方、魚を捕っている博人たちはこんな会話をしていた。

「理恵さ〜ん、もうちょっと接近しないとだめですよ〜」

「あ、あんた! こんなこと言うためにアタシを呼んだの?!」

「なぁ〜にを今更。せっかく海に来たんですから、もっと積極的に行かないとだめですよ?」

「わ、わかってるわよ・・・・・。でも、その・・・恥ずかしいじゃないの・・・・・」

「はぁ・・・。そんなんじゃ、玲菜ちゃんに刹那取られちゃいますよ? すごくいい子だし、水着も似合ってたし、ビーチボールが直撃したときも真っ先に心配してたし」

「うぅ・・・・・。ど、努力はするわよ・・・・・」

「努力だけじゃなくて、ちゃんと実行しないと意味ないんですからね? あ! そっち行きました!」

「え?! わ!! きゃ!!(パシッ!!)」

「おぉ!! ナイスキャッチ!! さすがソフト部主将!!」

「もう引退したわよ!!」

「そんな感じで刹那の心もキャッチしてくださいね」

「う、うるさいわよ!!」


♪〜♪〜
最近制作欲が沸いてきました。
理由は単純なもので、ご感想をいただけたからなんですけどね。頑張るぞ〜! と、いう感じです。
これからも『殺し屋』よろしくお願いします!






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