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メガネ男子

作者: 忍龍

彼のことを想うと、胸がきゅんとして、体温があがるの… これって恋よね、でも想うだけで胸がいっぱいなの、それ以上なんて、とても想像すらできないもの、想っているだけで幸せなの…

彼、榊 亮介くんは、この地域の高校の中でもダントツに人気のある、

絵に描いたような文武両道の素敵な男の子


噂によると彼はクォーターで、彼のお祖母さんから受け継いだ栗色のさらりとした髪と

光の加減で、まるでエメラルドのように輝く瞳がとても魅力的


長身で、スポーツが得意なのも頷けるようなしっかりとした、でもガッチリし過ぎない体格で

目鼻立ちも、日本人としては少し彫りが深いという感じ

更に愛用しているフレームの無いシャープなデザインのメガネが彼の知的さを際立たせ

女の子たちの理想の王子様像を満たしている



わたしとしては、勿体無くもそんな彼とクラスメートで



思春期特有の、恋に恋する……


恋をしている自分に陶酔する、っていうのかな?

彼を見かけるだけで、ささやかな乙女心を満たしている


だってね、彼は本当に素敵なんだもん


思春期特有の、異性に興味がありすぎてギラギラしている、なんて焦った感じもないし

一つ一つの動作がとってもスマートで、でも気取ってない




彼と両想いになりたいだなんて、そこまでは思ってないの

だってね、片思いだって、女の子の楽しみの一つでしょ?


ハッピーエンドだけが恋の醍醐味じゃないから


憧れの人を想像しながら、クッキーやケーキを焼いたり

夏休みが終われば、クリスマスに向かってマフラーやセーターを編む


一月も半ばになれば、友達と集まってオシャレなチョコを作ったりね



わたしはまだ恋に恋する年頃だから

それだけで、もう、大満足




だからね…




これは…その……




ちょっとした出来心で、

もしバレでしまっても、ちゃんと謝れば、彼なら許してくれるだろうし、って


そんな、軽い気持ちだったの





「あ…、榊くん」





夏の日差しを受けて、ジワジワと蝉の恋のオーケストラの中

彼は、広いグラウンドを抜けた芝生の、少し木の陰になって他からは見えにくい所に


焼け付くような日差しを避けるように、

木陰で、学生カバンを枕に、開いた参考書を胸の上に乗せて


すぅすぅと かすかな寝息を立てていた




メガネをしたまま横になるなんて

耳やこめかみが痛くなったりしないのかな?


彼のメガネの無い素顔って、どんな感じかな?


やっぱり、メガネをとったら、もっと魅力的?




「ちょっとだけ見たい…な……」




ぽろっと出た言葉に自分でもびっくりして

口に手をあてて、思わずきょろきょろしてしまう


クラスメートってだけで、そんなことをしちゃうほど親しくも無いのに


その魅力的な誘惑は、どんどんわたしの中でふくらんでいく




いい…かな…?


だめ…だよね…


でも、他に誰もいないし…


彼は寝てるし…



「ちょっとだけ…」



ちょっとだけ、ね?




わたしは、そっと足音を立てないように彼に近寄り

彼のすぐ横に、芝生に膝をつくようにして座る


両の手で、指先でつまむようにして、そっと彼のメガネを外した





「……え?」





わたしの手には、外したメガネ


彼の顔にも、……メガネ



「え?、今、わたし外したよね?」



手にもったメガネを恐る恐る芝生の上に置き

もう一度、彼の顔からメガネを外す



「…あれ?」



わたしの手にはメガネ

彼の顔にも、やっぱりメガネ……



「あれ? あれ??」



何回も外すのに、何回も現れる

彼の顔を正面から見ても、横から見ても、メガネは重なってなんかいないのに


ダメ押しのように、メガネ メガネ メガネ メガネ メガネ メガネ…!!!



「え、ど、どうして? なんでっ??」



もう一度手を伸ばすと

その手が、大きな手に、ぎゅっと指を組むようにして捕まえられた



「ふふふ、飯塚さんたら、大胆だね」


「ひぎゃあ?!、さ、榊くん!!」



ぐっと捕まった手を引っ張られて、彼の胸に倒れこんでしまう



「こんなに沢山僕らの子供をつくってしまうなんて

 そんなに僕のこと愛してくれていたの?」


「え?!」



こ、こどもッ??!!



え、何のこと?!



もしかしてメガネ?!



メガネのことなのッッ??!!



メガネのことを言ってるの榊くん!!!




「今度は僕にリードさせて、…ね?」




リードって何?!


何のこと?!


リレーバトンのこと?!




パニックに陥るわたしのことなんてなんのその


瞬く間に彼と上下が入れ替わり、

彼はそのメガネに指を掛けると、妖しく微笑んだ……!!

彼は地球人か はたまた宇宙人か

いや、地球だって宇宙の一部だから、地球人だって宇宙人…<問題はソコじゃない



前半は少女小説を目指しました<自分には無理だと悟りました

乙女心なんてまるで想像できない…


ところで、近年は手作りのプレゼントは重いなんて言ってる輩がいるようですが

もらえているうちが華ですよね


まぁ、確かに、意中の相手以外から手作りをもらうと反応に困るんですけどね

当り障りの無いお返しでいいのかなぁ、とか…

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― 新着の感想 ―
[一言] えーっ、眼鏡が子供なの? えーって一緒に驚いているうちに、そういうことになったようで不思議ですが面白い。 最初は顔に眼鏡の絵を描いてるふざけた野郎だと思ってました。すみません。 面白かったで…
2010/06/04 00:01 退会済み
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