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GSO グローイング・スキル・オンライン 作者:tera
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[毒使用ペナルティによって、一部ドロップアイテムが変容します]
[毒使用ペナルティによって、一部戦闘による経験値が減少されます]
[毒殺者の効果により毒使用によるボーナス経験値を取得しました]
[プレイヤーのレベルが上昇しました]
[テイムモンスター:ローヴォのレベルが上昇しました]


 ファイトモンキーの残党を狩り尽くし、俺とトモガラは山の斜面に寝転がった。
 散々な目にあったが、何とか倒すことが出来た。

「マジで、チートだなそれ」

 アイテムボックスから取り出した毒ビン。
 それを眺めながらトモガラが呟くのだった。

 本当にそう思う。
 バトルゴリラから、容赦なくHPを刈り取った。
 その結果かもしれないが……。

 毒使用ペナルティによって、ドロップアイテムが思ったより少なめ。
 そして俺はレベルが上がったが、トモガラは上昇無し。
 経験値にも差が出ているのだろう。

「前は無かったよな」

「……今公式見てる」

 尋ねた俺に、トモガラはポップアップされた半透明な白い画面をみながら目を細める。
 そして答えを見つけ出した。

「お、一部、毒に対する設定に付いて使用を変えたみたいだな」

 いつの間にパッチというものが当てられていたのかわからないのだが……。
 内容を要約するとこうだ。

 毒を使用するのも良いが、ドロップアイテムに汚染ペナルティが表示される。
 汚染ペナルティは錬金スキルにて洗浄することが出来る、食料類は不可能。
 経験値は毒で減らしたダメージの割合減少。
 魔法スキルによる毒攻撃は対象外。
 対プレイヤーに対する毒使用は変更点無し。
 敵対モンスターからの被毒も変更無し。

 若干縛りが付いた程度でした。
 いや、かなりの縛りと言える。

「正攻法で挑まねば、肉が食えない……だと」

 トモガラが狂気に震えているようだった。
 困ったな、毒を利用した大量格上狩りが出来なくなってしまった。
 まあ、味気ないが手っ取り早くスキルを上げるには良かったのだが……。

 そんなことばっかりしてるから、運営様からちゃちゃが入ったのかな。
 大人しくモンスターと戦ってレベルを上げろと。
 コツコツをプレイヤースキルを磨けと。

 ……もしくは生産しろってことか。

「くぅん」

 ローヴォが心配そうにトモガラの横腹を鼻で突いている。
 おい、飼い主俺。
 飼い主俺!!!

 ともかく、これで倒したことになるのだろうか。
 一応、スティーブンの言っていたようにバトルゴリラは倒したということになるな。
 解放されたのは新しいエリア。
 そこに繋がるショートカットだった。

 そらそうだ、数時間かけて山までくるんだ。
 そろそろ日も暮れて来ている。
 帰りはいそぐしか無い。

 ……思い出した。
 立ち上がって山を下りる準備した時、ふと右手が寂しくなったのだ。

「六尺棒……」

 ついに、折れてしまった魔樫の六尺棒。
 かなり重宝させてもらった武器なのだ……。
 少しセンチメンタルな気持ちになった。

「いや、あれは過ぎた武器だと思うわ、ってか俺ら、調子に乗り過ぎたかもな」

 そういってトモガラは笑う。

「最前線突っ走り過ぎた? ぶははっ」

 調子こいてる奴にはいつか報いが来る。
 そう言っているのか。

 これは、祖父の言葉をかなり今風フィルターをかけた言い回しである。
 そしてこれには続きがある。

「でもこけるうちにこいとけ」

「そういうこった」

 そう言って笑いながら俺とトモガラは下山した。
 装備は山を歩きやすいようにレイピアとヌンチャクを持った。
 黒鉄製の一番良い奴。

 でも木の感触が忘れられない。
 あの手触り……、質感。
 武器全部木製にしようかな、なんて考えて。


 そして夜が来た。
 土日は現実の時間とリンクしている形になる。
 月曜日から昼夜逆転するシステム状、日曜の夜から月曜の昼間に駆けて、二十四時間夜が続く。
 もっとも、その分一番ホットな金曜夜から土曜昼にかけて、活動が活発になる昼間が続く。

 そんな中、密かにギンヤンマの話題が掲示板に晒されていると情報があった。
 主に、トモガラからであるのだが……。

「まだインしてるだろどうせ」

 こやつの廃人宣言によって……。
 決死の継続ログインが決定した。

 流石に、近くの定食屋一緒に飯を食べた。
 その時計画を立てたのだが、トモガラの読みではそろそろ藪が人気狩場になる筈だ、おさらばする前にギンヤンマを出来るだけ狩っておこう。

 そんな感じだった。
 理論的に二十四体のギンヤンマが狩れる。
 一時間沸きなんで。

 今から帰ってインしても、運よくて十五体狩れるかかれないかだろうな。
 それでも十分な実入りだと言うのだ。

「レベル差を考えてみろ、経験値の旨味は無くても、今の俺達にはギンヤンマなんぞ」

 そう、屁でもない。
 と、言う訳で、ギンヤンマ狩りスタート。


「横すんな」

「VRゲーで何言ってんだお前、失せろ」

 いつだかのパーティが居たのだが、トモガラがそう言って斬り捨てた。

「ぐむむ」

「いや、お前が悪い、小学生かよ」

 男はパーティメンバーに宥められていた。
 沼を周回する、さっそくギンヤンマだ!


 ――割愛。
 合計十四個の銀インゴットが集まりましたとさ。
 綺麗に両分する。

「素材自体は?」

「ニシトモ屋に任せたらいいんじゃね?」

「仕分けもか?」

「全部だ全部! その分独占させてやってんだから!」

 剛胆と言えばいいのか、なんなのか。
 トモガラの言葉の節々にそんな気概が見て取れた。
 ふあ、眠いけど、まだまだ頑張れそうだった。

「俺は先に落ちるわ」

 トモガラを見送った後、継続ログインの警告をシカトしながらスティーブンの家に向かう。
 既に朝日が昇る、リアル時間では月曜夕方ってことだ。

 一食二食抜いた所で簡単には死なない。
 だがゲームではペナルティがあるので食べるという何とも言えない展開に。

「なんじゃ、徹夜か? 十分な休息は大事じゃぞ」

「ええ、わかってます」

 翻訳すれば、長時間ゲームしてると身体に悪いので一定時間プレイしたならばログアウトして十分な休養を経てログインしなおしてください、って所かな。

「……して飯は?」

「食べます」

 お前に言っても無駄だろうなという視線をスティーブンから十分に頂いた後。
 あっさり返事をしておく。
 ローヴォも既に自分の餌皿の前にスタンバイ。

「うむ」

 短く、鼻を鳴らして返事をしたスティーブンは、ボウルに持ったサラダ、バケットに詰められたパンと香ばしく焼かれた目玉焼き、ベーコンを大量に準備した。

「好きに挟んで食え」

 うそつけ、お前の中でサンドイッチがブームになってるだけだろう。
 さながら、サンドイッチバイキングだな。

「味気ないので魚も加えましょうよ」

「準備しとる。まだ焼けとらんだけじゃ」

 しばらくして、ベーコンの香ばしい香りの他に、焼ける魚の匂いが立ち込めてくる。
 さて、どうする。

 ほぐし身にして挟むか……。
 白身をそのまま挟むか……。

 スティーブンのオリジナルサンドイッチは、レタス、トマト、卵だった。
 ベーコン使えよ。
 俺はBLTで召し上がるぞ。

 どこまでも健康志向な老人だった。
 思えば、祖父も60歳を越えて70歳近くなってから急に身体にいい物を食べるようになった。

 食膳に乗せられた料理を一口。
 口癖は「不味い」の一言。
 少し高め材料を使用した料理は無言で食べていた。

 そうまでして生きたいか?
 まあ、当然か。

 ローヴォに何か挟んでやろうと下を見た。
 既にオリジナル作ってました。
 パンの上に器用にベーコン、魚、ベーコンを重ねて、前足を器用に使って挟んで食べていた。
 ……空いた口が塞がらない。

「で、わざわざ朝食をとりに来たということは……?」

 答え何ぞ、とうにわかっとる。
 そんなことを思ってそうなスティーブンの問いが来た。

「思った通りですよ」

 答えをそのまま告げるのが少し悔しかったので、あえてぼかして告げた。
 白い眉毛を少しもたげると、スティーブンの口元が少し歪む。

「エンゴーが降りて来とるのに? 山の大猿共を良く倒せたな、てっきり犬諸共殺されたかと思っとったが……」

「古代牙獣ですか」

 エンゴーというワードを耳にして、俺はぽつりと呟いた。
 厄介な憤怒状態、あんなもん勝てるわけない。

「うむ、ゲートの使用は許可できん。冒険者ギルドが臨時クエストを発注しとる。後で見てみると良い」

「教えてくれないんですか、今」

「自分の目で確かめてみるのが重要じゃ。で、バトルゴリラはどんな手を使ったんじゃ?」

 沈黙が俺とスティーブンの間を駆け抜ける。
 ほんのひと呼吸の間だと言うのに、えらく長く感じた。

「毒です」

 小瓶を取り出してみせる。
 黄色い毒液が滲み出た物々しい小瓶を一見した彼は、目を細める。

「ふむ、なるほどな。こいつを捕らえるのが可能か」

 コイツとは、チェインバイパーを刺すのだろうか。

「頻繁に使っとるのか?」

「森に居るチェインバイパーは粗方狩り尽くしました、まあまたわくと思うんですが」

「人には使ったか?」

「……一度だけ」

「ふむ、気をつけた方がいい、毒の宿命は重たいぞ」

「……既に」

「なら心して扱え」

 それだけだった。
 特に何を言うことも無く、話題が変わる。

「スキルはどうじゃ?」

「見ますか?」


ーーー
プレイヤーネーム:ローレント
職業:無属性魔法使いLv25
信用度:77
残存スキルポイント:2
生産スキルポイント:1

◇スキルツリー
【スラッシュ】
・威力Lv10/10
・消費Lv1/10
・熟練Lv1/10
・速度Lv1/10

【スティング】
・威力Lv1/10
・消費Lv1/10
・熟練Lv1/10
・速度Lv1/10

【ブースト(最適化・補正Lv2)】
・効果Lv4/10
・消費Lv4/5
・熟練Lv4/5

【息吹(最適化)】
・効果Lv7/10
・消費Lv1/10
・熟練Lv10/10
※称号”道場二段”スキル。

【エナジーボール】
・威力Lv3/5
・消費Lv1/5
・熟練Lv1/5
・詠唱Lv1/5

【フィジカルベール】LvMAX
・軽減値60%、熟練度100%まで上昇。
・装備制限解除。
・派生スキル【魔素流々】への効果継承。

【メディテーション・ナート】
・向上Lv1/10
・熟練Lv1/15
・消費Lv1/10
・詠唱Lv1/5

【エンチャント・ナート】
・向上Lv1/10
・熟練Lv1/15
・消費Lv1/10
・詠唱Lv1/5

【アポート】
・精度、距離、重量の制限解除。
・無詠唱可能。
・ストレージからセットアイテムの任意転位可能。

【投擲】
・精度Lv1/3
・距離Lv1/3

【掴み】
・威力Lv1/3
・持続Lv1/3

【調教】
・熟練Lv1/6

【鑑定】
・見識Lv1/6

◇生産スキルツリー
【漁師】
・操船Lv1/20
・熟練Lv8/20
・漁具Lv3/20
・水泳Lv1/1

【採取】
・熟練Lv1/3
・眼力Lv1/3

【工作】
・熟練Lv2/6

【解体】
・熟練Lv1/3
・速度Lv1/3

ーーー


「ふむ、次に上げるのは?」

 スキルツリーを確認したスティーブンが俺に尋ねる。
 もちろん、息吹だな。

「近々、闘技大会があるようなので」

「良い判断じゃろう、順調じゃな」

 ところで、と話を変えつつ。
 【フィジカルベール】がマックスになった時、表示されたが取得できない【魔素流々】というスキル、これは一体なんなのだろうか。

「取得レベル以下、もしくはもう一つキーとなるスキルがあるんじゃろうな」

「アポートの次のスキルはまだ出てませんけど」

「次のスキルはアスポート、必要レベルは三十で、中級魔法使いの試験をこなし、そしてわしの試練を越さねば、簡単にスキルは渡せんよ」

 朝食を準備したのがスティーブンの役目なら、自然と後片付けは俺の仕事となる。
 師弟ならば全ての師匠を世話をしなければならないのかと、古い知識を総動員するが、その必要はないようだった。
 彼はカッカッカと笑いながら踵を返して自室へと戻って行く。
 去り際に一言。

「そうじゃ。いつでも良いのじゃが、ステファンがたまには顔を見せに来いと言っておったぞ、闘技大会も近いことじゃし、出来るだけ鍛錬を積んでおけ……、いいか、レベル上げは大事じゃが、それ以外にももっと目を向けてみることじゃ」

 お主ならそこそこ良いとこいくじゃろ。と随分と長い一言を背中に、ドアの閉まる音が響いた。
 さて、ステファンって誰だったかな……。
 掲示板メモにのせてあるっけな……。



やっぱり文字数、5000文字近くないとね!
モチベーション上げる為に色々やってます。

タイトルに関しましては、戻しました。
的を当てた、というか主人公が何なのかを当てはめてるものです。
でも、何か意見等ありましたら、活動報告にコメントしてください。
何でも良いですよー。

文章の書き方ももっと地の文沢山入れろとか、女の子だせとか、ケンドリックだせとか。
主人公落とせとか。
+注意+
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