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GSO グローイング・スキル・オンライン 作者:tera
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 釣果は?
 釣れる魚の種類が若干変わってました。
 グレイリングは大きめサイズが頻繁に釣れて、新しい種類にパイクという魚が追加された。
 カワカマスだ。

 焼いたら上手いだろこれ!
 塩焼きにしたら上手い、干物にしても上手い。
 フライにしても何にしてもカマスは好きだ。
 大好きだ。

「そんなに美味しいのであるか?」

「好きなんで」

「期待が膨らむであるな」

 バケツに入れたままどんどんいこう。
 ローヴォはずっと筏の上で寝ていた。

 さて、十分楽しんだし、上流を目指す?
 それとも下流?
 ガストンにたずねてみる。

「向こう岸に渡ってみるのはどうであるか?」

 第三の選択肢だった。
 正直、すっかり頭から抜けていた。
 最近多いな、こういうの。

 そう言う訳で、渡ってみました川の向こう側!
 いざ川を渡ってみると、川幅が広く感じる。
 川岸が近付いてくると、魔物に変化があった。

 こちらに向かって襲いかかって来るのである。
 もしかして、セーフティーというか、村として形成されたエリアから外れてしまったからだろうか。
 エンカウントするモンスターはキバウオ。


【キバウオ】Lv5
鋭い牙を持った魚、魚群を成す。
臆病故に、不意に近付くと飛びかかってくる。


 一匹が飛び上がってガストンに襲いかかった。
 それをローヴォが鼻先で腹を叩いて上手く弾き返す。

「たすかったである」

「がう」

 不安定な足場で、剣を持つガストンの初動は遅くなる。
 俺は棒を持っているので流石に早く動けない。
 片手で取り回しやすいヌンチャクを持って、飛んでくるキバウオを叩き落としていく。

「落ちたらどなるであるか!」

「容易に想像つきます!」

 落ちたら全身食い尽くされるだろう。
 骨になるまでな。

 対応しつつ、棒で舵を取らねば、筏はどんどん下流へと流される。
 流石にちゃんとした船じゃないので、防御が紙レベルだ。
 バルサが牙で削られる音が響くのである。

「身を低くして早く漕ぐである」

 ガストンがアイテムボックスから大盾を二つ出して身を固めた。
 筏が少し沈んだが、まだギリギリ大丈夫みたいだった。
 素材がついでに欲しい所であるが、そうも言ってられないみたいだ。
 ガストンに守りを任せて、俺は川岸へと急いだ。

 川岸に近づいて行くにつれて、攻撃も収まりつつあった。
 棒で水深を確認すると、合羽を来たまま飛び込んだ。
 筏に繋げたロープを握って、岸に渡す。
 そして適当な木に結びつけた。

「なんとか助かったである」

「でも、向こう岸から見えてましたが、また鬱蒼とした森ですね」

「これはマングローブであるか?」

 陸地はドロッとぬかるんでいた。
 奥を見ると、湿地帯になっているように見えた。
 向こう岸から見えていた景色と、そこは若干異なる様だ。
 普通に川岸だと思ってたからなあ。

「向こう岸に、筏でも進めそうな、支流がありそうですが……?」

「流石にやめておくである、帰って来れなくなったら目も当てられな――」

 ガストンが言葉を失った。
 目の前の枝に矢が数本突き刺さっていたからだ。
 飛んで来た方向を向くと、弓をつがえた人々がこちらを覗き込んでいた。

「出て行け」

 いきなりなんだと言うんだ。

「よそ者にこれ以上この地を踏ませる訳にはいかん。わかってくれ」

「話を」

 矢が、顔を霞めてマングローブに突き刺さった。

「無理だ。川が荒れている。時期にこの地も飲み込まれる」

「この地に生きる我々には、せめて犠牲者を出さずに飲まれるのみ」

「だから、なにが」

「お前達のレベルではマナズマは倒せないと言っているんだ、帰れ」

 ガストンが大盾を二つ構え警戒しながら、猟師の恰好をして弓をつがえる人達に聞いた。

「マナズマとは何である? 事によっては、ただでは済まさないである。攻撃された分はやりかえすのである」

「……でもダメだ」

 一瞬、押し黙った彼等だった。
 迷いか。
 敵意が無い人に、武器を向けるのは本意ではなかったという所である。

 そこへ髭を蓄えた初老の男が一人。
 杖をついて軽快にマングローブの森を駆けながらやってきた。

「村長」

 一人の男がそう言っていた。
 初老の男は村長の立場なのか。

「いきなりの攻撃すまぬ、村の皆、殺気立っとってのう」

「……」

 こちらも押し黙って出方を見ていると。

「マナズマという言葉は忘れた方が良い。知っておると、それを気にすると、災いを呼ぶ。災厄の一つとして数えられておる」

 老人は続ける。

「我々の村は、今まさに終焉を迎えようとしておる。物事を解決しようにも、この川を少し下った所に、クラリアスという大鯰が縄張りを築いているのじゃ……、お陰で村の近くにまで魔物が押し寄せてどうすることもできん。ノークタウンとの交易も、途絶えてしまっておるしな……」

 老人の声からは確かな諦めの色が伝わって来た。
 彼が言葉を紡ぐたびに、周りの男手達も溜息を付いているようだった。

「せめてじゃ、クラリアスを倒してほしい。もはや村が飲み込まれてしまう事は確定事項じゃが、せめて若い衆だけは近隣の町へ逃がしたいのじゃ」

「テンバータウンはどうであるか?」

「我々はキバウオの群れを越えられん、そんな余裕も無い。第一、ずっと途絶えとる」

 そう、かなり長い間、テンバータウンの川は使われて来なかった。
 川の向こうに意識を向けることさえ無かったのだろうか。

「今、テンバータウンの町長から許可を受けた村が、川の向こうに出来つつあるのである」

「それは誠か?」

「キバウオを越えれるのであれば、是非こちらにくるのである」

 ガストンが力強くそう言い放った。
 なんとなく、ガストンが言えば説得力があった。
 若干村長の顔色が良くなるのだが……、すぐに首を横に振った。

「だめじゃ」

 それだけ言って。
 俺達が言葉を発する前に、村長は背を向けた。

「手荒な真似をしてすまん。だが村のしきたりもある。これ以上は村長の口からもいえない事は、俺達にも言えない、引き返してくれ」

 そう言われてしまっては、俺達は引き返すことしかできなかった。
 そうして、一度上流で向かうと、川の流れに逆らわずに向こう岸まで移動することに。
 キバウオはガストンの盾で何とか凌いだ。
 サンプルに何匹か狩ってみたが、岸に付く頃にはロープが齧られて筏が散けそうになるほど、ギリギリの状態だった。

「思うに、あれは何かしらのイベントである」

 岸に戻って開口一番。
 ガストンがそう言った。

「イベント?」

「魔物に追い返される事はあるとして、村人にエリア進入を追い返されたのは初めてである」

 たぶん誰が行ってもあの対応だ。
 ガストンはそう言った。
 もし、無理にでも脚を踏み入れようとしたら、そのまま全身に矢を受けて死に戻り。
 村人に勝てるのか勝てないのか?
 そんな話になるが、こういうイベントは大抵回避不可の負け戦だというのが相場なんだそうだ。

 なにそれ怖い。
 魚を入れたバケツを持って町に戻りながら、そんなことを話していた。
 だが、情報の収穫もあった。

 エリアクエスト「東の川の異変」とはもしかしてこの村に関することなのだろうか。
 それを尋ねてみると。

「それはまだわからないのである」

 珍しく頭を使って考えてみる。
 水運を扱う商会は、未だモンスターによって川を上流へと。
 テンバータウンへ向かうことが出来ないと言っていた。

 これも一つのエリアクエストの要素だとは考えていた。
 クラリアスと呼ばれる大鯰が、東の川を下流へ向かった所に縄張りを築いている。
 ……商会の言っていたモンスターと関係しているようだった。

「マナズマという名前も出て来たであるな」

「災厄と言っていましたね」

 中ボスがクラリアスだとしたら、マナズマと呼ばれたものがボスなのだろうか。
 それだと、ピラルークが「俺って一体なんなの?」と半泣きになる筈だ。

「……とにかく、謎解きはクラリアスを倒さなければ解明できないであるな」

「攻略情報とかないんですかね」

「そんなもの一切無いのがこのゲームである。まああったとしても無粋であるが、生産系のヒントというか、類いのニュースは公式サイトの日刊紙にたまに載ってある、毎日チェックすると良いのである」

 それだけ放してガストンとは別行動となった。
 対クラリアスに付いてお互いよく考えてから案を出そうという運びだった。
 生産チームに掛け合って戦闘が得意なメンツはこちらで揃えておく。
 ガストンはそう言っていた。

 諸々の結論。
 流石にバルサの筏で川を下るのは不味いという事になった。
 まず、素材が持たない。

 丈夫な素材で作るのか……。
 樫の木でも良いが、基本的に筏というよりしっかりした船を造船してみたいものだった。
 身近にそんな知識を持った人もいない。
 弟子入りするにも、流石にノークタウンまで毎回通うのも、どうだか。

 生産職の一つのスキルとして。
 コピー生産機能と言われているお手軽生産と言う物がある。
 量産する際によく使われる手法なのだそうだが、品質が手作業で確り作った物とは大きく異なるんだと。

 ガストンの渾身の一振りを普通だとすると。
 コピー生産では弱い、脆い、使い辛いの三拍子が揃うらしい。
 碌な調整もしてなかったらそりゃそうか。

 強い物を作るにはそれなりの材料、知識が必要だ。
 このゲーム世界の知識も含めてということなのだろうか。
 えれぇ難しいぞ!
 そんな訳で、俺は再び虫狩りに向かうのであった。





度々更新遅れて申し訳ない。
もろもろはしょることにしました。
要らない部分は
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