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GSO グローイング・スキル・オンライン 作者:tera
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「ローレントさ」

「ん、おはよう」

 町へ戻る道すがらの森でブリアンにあった。
 彼女は大きなシャベルを持っていた。
 それを武器に、丁度ゴブリンを叩き殺していた。

「鍬じゃないのな」

「んだあ、あれは戦いでは使い辛いだべさ。つっでも、まだシャベルのがやり易いだけなんだげれども、農業スキルっつーもんで戦えばな、少しだけなんだげども生産ポインドも入るんだべさ」

「なるほど」

「まあ、やっぱ剣より農具のが使い慣れでるだ」

 ファーマー根性、しかと拝見させてもらった。

「地力でピクスード倒すだ」

「異常状態攻撃に気をつけてな」

 ギュッと太い腕、デカい拳を握りしめ、意気込むブリアンを激励して、俺とローヴォは再び帰路を取る。
 早くしないと、サンドイッチモンスターが覚醒しようとしている。


 町の南門の辺りで、ローヴォは我先にと駆け出してしまった。
 追いかけるが見失う。
 ……調教スキルに振る時がきたか。
 それともノークタウンへ調教師を探しに行く日が来たのだろうか。

「おはようございます!」

 どうせ公園にいるのだろうと思っていた。
 公園にいました。
 既にサイゼが更にサンドイッチを置いてくれていて、駄犬はそれを貪っていた。
 執着やばすぎ、すっかりサイゼに調教されてそうな勢いである。

「……どっちが飼い主だ」

「……があう」

 コイツ、一瞬迷いやがった。
 最近飼い主死に過ぎてるからか?
 一緒に冒険しないからか?
 子犬だった頃が懐かしい……。
 戻っておくれあの日の駄犬に。

 俺を一瞥してから再び食べる作業に没頭しだした駄犬を見て、しみじみとそう思った次第である。

 とりあえず席についてサイゼに何か頼むとする。
 フィッシュサンドとムニエルが出て来ました。
 テーブルに品物を並べながら一緒にいるミアンが言った。

「ミツバシさんが息抜きに釣ってくれるんです」

「……今日は川に行きます」

「いいえ、まさかそんなありがとうございます」

 句読点の隙間すら無い返事だった。
 まあ、肉を毎日食っていれば、魚が食べたくなるのもわかる。
 次は野菜を食べたくなって、その次はなぜか白飯がそのままおかず無しに食べても美味しく感じるようになって、でもやっぱりおかずあった方が良いなって次の日思い直して。

 大体俺の食生活がそんな感じなんだが、これはどこの誰にも言えることだろう。
 色んなリズムがあるように、食にもリズムが存在する。

 ニシトモはまだインしていない。
 代わりにイシマルがいるので、名残惜しむローヴォの首輪を引っ付かんで引きずって行く。
 手を振るサイゼとミアンに、悲しみに暮れたローヴォの鳴き声は届いてないみたいだった。

「おう、久しぶりだな」

 牛狩りのくだり振りだった気がしないでもない。
 いや、それで合ってるのか。
 イシマルは石を丸く削っていた。

「ギャグですか?」

「これ見てると大体の奴に言われるぜ、装飾品に使うんだとよ。そして綺麗に加工が出来てようやく石工所の親方達からも一人前だと認められる」

 生産クエストの様な立ち位置の代物である。
 イシマルはそう言っていた。
 綺麗な球体という訳ではなく、結構ゴツゴツと……。

「まだこれからだからな」

 荒削りを終えて、イシマルは本作業に入ろうとしたのだが、思い出したように俺の方を振り向いた。

「あぶねえ、すっかり作業に没頭しそうだったぜ」

「まあ、邪魔する気は無いですけど」

「滅多に顔合わせしねえんだ。それに相手方もログインしてるみたいだし、ちょっくらメッセージ飛ばしてみるから待ってろよ」

 返事はすぐに返って来たみたいである。

「運がいいぜ、丁度狩りから町に戻って来てたみたいだと」

「良かったです」

 そこから俺のことを忘れたようにイシマルは石を彫る作業に没頭を始めた。
 その様子を黙ってみながら待っていると、後ろから声がかかる。

「あら、あんたは?」

「あ、お久しぶりです」

「なんだ? 知り合いだったのかよ?」

 作業から顔を上げたイシマルが、風属性魔法使いの女と俺の顔を交互に見ながら拍子抜けした表情をしていた。


【エアリル】職業:風属性魔法使いLv13
・宝石研磨師


 ん?
 以前は見習いがついていたと思うが……。
 どちらにせよ順調そうだ。

「この間狩りに出ていた時に野良でパーティーを組んだのよ」

 イシマルの疑問にはエアリルが答える。

「珍しい、お前がか? ローレント」

「何か言いたげな顔ですね」

「そりゃあもう」

 イシマルはそう言いながらおどけていた。
 言いたいことがあれば、ハッキリと言えば良いのだ。
 そこへエアリルが話を戻すように会話に加わる。

「初仕事が知り合いで良かったわよ、宝石はどれ?」

「これです」


【翡翠】素材
幸運を司る宝石。
装備すると効果か出る。
今のままでは装備不可能。
・品質[E+]


 アイテムボックスに眠っていた翡翠を手渡した。
 品質[E+]と言う数字を読み取ったエアリルが言う。

「……うーん、割っちゃったみたいね?」

「迂闊でした」

「アレからパンドラストーンは取れたのか?」

「いえ、別の場所で修行させられてますので」

 それも自分の強さを見せつけるように。
 それでいて、俺には絶対に勝てない相手をぶつけてくる。
 そんな師匠だ。
 心の中で悪態をついておく。

「パンドラストーン?」

 エアリルが首を傾げる。

「ああ、その宝石の出所だ」

「ど、どこ!」

 彼女が手に持った翡翠を指差して、イシマルが言った。
 その言葉と共にエアリルの目の色が変わる。

「宝石系って本当に流通してないのよ。出回ってる情報だと、掘り出し物市でかなり高価な値段で稀に売ってるとか、第二の町から先へ行かないと見つからないとか!」

 故に、まだ誰も手を付けてないんだとか。
 手を付けているとしたら、ノークタウンを取り仕切ったつもりでいるケンドリックの仲間達の生産職だろう。彼等も同じように、一次生産職を固めているらしい。

 ニシトモと共にこの間ノークタウンへ行ったことを思い出す。
 フィールドを隈無く見て廻ったわけではないが、立場的に、ある意味視察と言えるだろう。
 森、川、草原が東西南北にあるようだが……、未だ北は閉鎖中。
 制限もキツそうな雰囲気があった、川の魔物なんて、水運を行う商会がいるんだがら、そんなに凶暴なのなんて出ないだろう。

 一日の長は我らにあり。
 だが、それを補うように掘り出し物市と言うものがノークにはある。
 トントンと行った所か。

「ちなみに、削るならこれよりかなり小さくなるわね」

 元々大きくもない翡翠が更に小さくなる様だった。
 ふと気になることを聞いてみる。

「ローヴォの首輪の装飾として使えませんか?」

 これは別にローヴォが最近不憫だからとか、そんな思いから選択した訳ではない。
 ただ普通に、そんなに小さくなるなら、もっと大きい宝石を手に入れてから装備に加えよう。
 単純にそう思っただけだった。
 件の駄犬は宝石に対して一つの興味も持ち合わせていないように、イシマルの削った石の上に乗って、彼の仕事を邪魔していた。


「可能ね。……台座を作って、加工してって色々と行程があるから、小さくても三時間くらいかかりそうね」

「なら、でき次第メッセージを」

「今日中にこなすわよ? 首輪、無いとダメでしょ?」

「いいんですか?」

「初めての研磨だから、気合いがはいるわね〜! 出来上がってからすぐに連絡おくるわよ、まだ居るわよね?」

「はい」

 フレンド登録だけ済ませると、そのまま石工所を後にする。
 一度道具屋へ向い、ロープ等を買い込むと、次に向かうは東の川。
 途中でリバーフロッグを狩るのも忘れずにな。




vsバトゴリ
vsホブゴブ
vs川のエリアクエスト


どうしようかなと思ってます。
ご意見あれば。
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