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GSO グローイング・スキル・オンライン 作者:tera
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 ここで一つ。
 戦い方にもっと魔法を取り入れてみては?
 戻ってからその疑念が一つ。
 頭に浮かぶのである。

 今まで武器に頼って来た戦い方だった。
 でもそれも限界あるだろう。
 というか、武術系のスキルが育たないと対抗できん。

 特にボスとか。
 ボスとか、ボスとか。
 バトゴリくんとかホブゴブくんとか。

 うーむ、そう考えても。
 詠唱セットすんのが面倒だったりする。
 でもやらない限り次には進めない。
 それは紛れも無い事実だった。

 ええ、スティーブンの一撃に見事に感化されてます。
 スペルリジェクトってどういうことかな?
 排撃呪文って意味なのかな?

 そんなことは頭の片隅に置いて置く。
 すっかりオフにしておくことが板についている、インフォメーションメッセージを確認すると。
 メッセージが届いていました。

『もしもしローレント? もし暇だったら薬草麻袋二つ分程お願いできるかしら? プレイヤーが増えて来て薬草が足りなくなって来ているの、生産チームでもブリアンを筆頭に栽培できないか確かめているんだけど、何ともいえない状況なのよねぇ。報酬は中級回復ポーションで払うわ』

 レイラからでした。
 無理な依頼では無いようで、一安心。

 薬草となれば南の森の群生地を探す必要がある。
 森か……。
 一つ思い浮かんだ。
 丸太を取って来て、筏を作るのはどうだろうか?

 だが、確か森に生えてるのは樫の木。
 オークだ。
 モンスターではない。

 ……沈むよな?
 浮かんだとしても人を乗せるのは難しいか。
 人を乗せる程大きくすると、樫だと重たくて。
 水の上で動かし辛そうだ。
 筏を作るならバルサが良い。
 トモガラ探して来てくれ早く!

 さて、時間はまだ午前中である。
 薬草依頼をこなしに南の森へ移動しよう。
 深くまで行かなければ危険ではない。
 索敵はローヴォがしてくれる。

 本当に居てくれてありがとうローヴォ。
 俺、パーティ組んでくれる人がトモガラしかいないから。

「がうがう」

 撫でてやるともっと欲しそうに俺の手にすりついてきた。
 ははは、可愛いやつめ、こうしてくれるわ。
 おら! 無双撫で!



「あ、ローレントさん。おはようございます!」

「どもっす」

 道すがら公園に寄ると、サイゼが声を掛けて来た。
 そしてさっそくローヴォに目を向ける。

「わぁ! ローヴォちゃんが大きくなってます! 凛々しくなってもう……!! でも……、もふもふ成分は大増量してます!」

 屋台をほっぽり出してローヴォを撫ではじめるサイゼ。
 火の粉が上がる屋台。
 接客をしていたミアンが血相変えて戻ってくる。

「サイゼちゃん! 火! 火!」

「わぁあああ~! 焦げちゃいます焦げちゃいます!」

 バッチリ焦げてました。
 流石に申し訳ないので、買い取ってローヴォとわけました。
 お弁当代わりに、サンドイッチを包んでもらう。

 は!?
 ローヴォが狙っている。
 涎出ているぞ、駄犬。
 サンドイッチモンスターだな。

「レイラさんは?」

「レイラちゃんはエドワルドさんに借り出されて行きましたよ~。なんか、北の森に新しい魔物が湧いたらしいです。急な出来事で、プレイヤーもNPCも怪我を負ってる人が多くって、回復ポーションが追いつかないらしいです?」

 いや、俺に聞かれましても。
 何だか色々と起こっているようだ。
 少し多めに薬草を取っておいても良いだろう。

「ですね、第二陣の新規プレイヤーも、何かと物入りだって聞いてますし」

 再び活気を取り戻している公園。
 こうやってテイムモンスターを連れて出ていても。
 目立つことが少ない。
 いや、目立ってると思うんだが、それについてこと細かく聞いて来る奴がいない。

「まぁ多めに取って来ますとレイラさんに連絡しておきます。では」

「南の森ですか? オークとかいましたら私も欲しいです~。あ、はいはいご注文ですか? ちょっとミアンちゃーん!」

 豚肉か、それも念頭においとこう。
 そしてサイゼの屋台も繁盛してそうで、なによりですね。

「あの、ローレントさんでしたっけ?」

「はい?」

 後ろから声がかかる。
 振り返れば、この間の錬金術娘だった。
 ツクヨイだっけ?
 ちんちくりんでイカした黒いローブを羽織っている。
 お洒落練金魔法使い。
 オシャレンキンだな。

「あの、南の森に行くんですよね? 私も同行していいですか?」

「え?」

 パーティプレイの申請でした。
 珍しいこった。

「いいですよ」

 快く承諾するが、衝撃の事実が彼女の口から。

「あ、その……、まだレベル1なんですが……、大丈夫ですかね?」

 何を言ってるんだこのちんちくりん。
 鑑定してみる。


【ツクヨイ】職業:魔法使い見習いLv1
・見習い錬金術師


 おお、ちゃんと錬金術師と書いてある。
 ってか、一日あればどれだけ遅くても、レベル5くらい普通に上がるはず。
 俺がそうだったし。

「ツクヨイちゃん……」

「ち、違うんですサイゼさん! サボってたとかじゃなくて、エドワルドさんから錬金術ならってたらこんな時間になっちまったんです!」

 ああ、納得した。
 レイラに無理矢理連れて行かれそうな雰囲気だったような。

「でも、練金思ったより面白かったんで、さっさかレベル上げちゃおうって思って。そしたらレイラお姉様、ローレントって人に同行させてもらえばレベルなんてすぐ上がるって」

「はあ……」

「一応依頼って事でお願いします! 報酬は練金アイテムからでもいいですか?」

 半ば押し切られるような形で。
 断る理由も無いし同行を許可することに。
 ちなみに練金アイテムってなんじゃろかい?

「う~ん、ちょっと考えてみたんですが暗視のスクロールとかってどうですか? 夜目が聞くようになる練金アイテムです」

「のった」

「ひぇっ!?」

 身を乗り出すと、ビビる小動物のようになってしまうツクヨイ。
 それを見たサイゼが「も~」と間に入ってくる。
 な、何も悪いことして無いのに。

「あんまり脅かしちゃダメですよ」

「すいません」

「いえ、私こそ、思ったより食いつきが良くてびっくりしました」

 腰にカンテラ付けて走り回ったりしなくなるのは良い。
 道中歩くくらいなら。
 雑魚モンスター相手くらいなら問題ないが。
 カンテラの耐久って結構減りやすく。
 割れると燃え広がってダメージが大きい。

「任せてください、練金素材ってゴブリンの髑髏ですか?」

「はい、それもですが森に生えてる特殊な植物素材もなのです」

 ふむ、話は予々了解した。
 練金知識を持つと、取れる素材も増えるんだってな。
 木に生えているキノコとか、野草とか。
 蔓とか諸々、薬草でも使える物って言うのは。
 練金でも使える素材が多いらしい。

「ポーションも錬成できるんですか?」

「一応できますよ。量産できますが、その分MPがかかったり、品質が落ちてしまうので、薬師の作った薬の方が確実に効きは良いです」

 ちんちくりんの頭を、肩で揃えた髪を揺らして答えるツクヨイ。
 そしてサイゼが思い出したように言う。

「あれ、そう言えばレイラさんと一緒にポーション作成に借り出されたんじゃ……?」

「さ! 行きますよ! 行くでありますよ!」

 逃げ出して来たなコイツ。
 そんなことを思いながらさっさか南の森を目指すことに。


 町を出る前に思い出した。
 必要ない装備をツクヨイに渡しておく。


【小鬼のローブ】
ゴブリンマジシャンの装備していたローブ。
僅かに魔力補正がかかる。
・魔力向上スキルの効果向上(小)
・耐久100/100

【小鬼の癒杖】
ヒーラーゴブリンの杖。
回復魔法補正がかかる。
・ヒール系スキルの効果向上(小)
・耐久100/100


「こ、これは?」

「先行投資です」

 俺には必要ないからな。
 今身につけている装備よりも薄汚れてるし、ダサいけど。
 装備の能力的には初心者のローブより断然マシだと思う。
 魔力補正がある装備が珍しかったのか。
 ツクヨイはマジマジと眺めた後、いそいそと身につけ始めた。

 ローブだけだから、別に恥ずかしがる必要は無いと思うが。
 ……女性プレイヤーって装備の耐久無くなったら?
 どうなる?
 これ以上はBANか?
 俺は大人しく思考を放棄した。

「ありがとうございます!」

「お気にせず」

 森に入る前の魔物である程度ツクヨイのレベルを上げておく。
 【エナジーボール】の詠唱に入ったのを確認すると。
 ローヴォに指示して兎をおさえる。
 そして魔法をぶつける。
 これだけだが、レベル1なのですぐにレベル2に上がった。

「森からは魔物のレベルが上がるので、出来るだけ魔物に遭遇しないように向かいます」

「はい、わかりました!」

 杖を抱えたツクヨイの声が上擦っている。
 緊張しているのだろうか。
 好奇心で森に入るよりマシだわ。

 ローヴォに索敵させて奥を目指す。
 南の森には思ったより人がいなかった。
 さては、北の森だな。
 新しい魔物が出たから皆そっちに行ってるんだ。

 ミーハーすぎぃ。
 俺もいつか行く。

「あの、どこまでです?」

「奥に行かないと群生してませんので」

 南の森の入り口にある薬草は根こそぎ無くなっていた。
 同業者でも居るのだろうか。

 ローヴォの遠吠えが聞こえた。
 どうやら、ゴブリンを見つけたようだ。

「今のは!?」

「ローヴォがゴブリンを見つけました!」

「え!? なんでゴブリン?」

「今まで群生地には高確率でゴブリンがいました。薬草を取りに来ていたのでゴブリンを追えば自然と群生地に当たる確立が上がります」

「そんなことがあるんですね。便利ですねテイムモンスター」

 ああ、めっちゃ便利です。
 偶然とは言え、一緒に冒険する仲間が出来たのはすごく良かった。
 ローヴォがいなかったら、ソロプレイしてても進みはかなり遅かっただろう。

 さて、声の方向へ早急に向かう。
 丁度良いことに、薬草の群生地で三体のゴブリンがローヴォをいがみ合っている最中だった。


【ゴブリン】Lv4
子供程の体躯の小鬼の魔物。
森に住み、社会を築く。


 みんな揃ってレベル4か。
 戦力的に、クラスチェンジしているローヴォの方が強そう。

「一発当てていいですよ、ガンガン当てて経験値に」

「わかりました!」

 魔力の玉が射出される。
 それはローヴォと牽制し合うゴブリンの頭部に命中。
 小さな体躯は容易に弾き飛ばされた。

「ギゲッ!?」

「残りのゴブリンにも」

「はい!」

 もちろん、エナジーボール一発では沈まない。
 頭という急所攻撃でも、良くて二割削れるくらいだ。
 なのできっちり止めを刺す必要がある。

 得物は?
 レイピアで。
 突撃で。

「スティング!」

「エナジーボール!」

 ひと突きしてゴブリンが絶命するのを確認すると。
 他の二体を確認する。
 一体は既に転がされてローヴォが強襲していた。

「グルルル!!」

「ギャゲッ!? ギギャア!!」

 悲鳴が聞こえるが無視。
 さてツクヨイはどうしてる?
 向かってくる一体の持つこん棒を杖で受け止めてました。

「エナジーボール!」

 事前に詠唱はセットして防御の体勢を取っていたようで、詠唱キャンセルはされていない様だった。
 やるじゃん!
 弾き飛ばされたゴブリン。
 受け止めるようにレイピアを構える。

 腹を突き破った。
 口から血を吹いて絶命。

「大丈夫ですか?」

「少し腕が痺れました」

 魔法職だから仕方ないな。
 裏ステータスが育つのを待つしか無い。
 さて、あとは解体スキルでドロップにして行くだけなのだが。

「解体スキルは持ってますか?」

「はい。一応初心者支援掲示板は見ています」

「では、ドロップどうぞ」

「ありがとうございます!」

 じゃ、俺はどんどん薬草を採取して行く。
 この群生地はまだ手が付けられていないみたいで。
 容易に麻袋が埋まっていくぞ!
 うめぇ!


[生産スキルポイントが1ポイント入りました]


 おお、そして久しぶりの生産ポイント。
 これで4ポイント貯まっているんだが……。
 いまいちまだ職種が伸びないっていうか。
 すぐ海に出ることも無いから、後回しにしている状況。

 筏の考案もあるし。
 漁師は魚を捕ることで、経験値にも生産ポイントにもなる。
 かなりの優良物件。
 海は優良の狩場だと言える。

 バトルゴリラ倒したら川を渡るか。
 これも頭の片隅に置いて忘れないでおこう。

「終わりました! 私も薬草集めします?」

「できれば、お願いします」

 快く手伝ってくれるツクヨイ。
 安心してローヴォに索敵を任せている辺り。
 信頼してくれているのかな。

 そして少しだけ残して採取を終えた。
 麻袋は一つと半分。
 ギリギリ足りなかった。
 まだまだ確保しておきたい所。
 ローヴォと共にゴブリンを探す。

「そういえばレベル上がってるますです」

「レベル10で転職できるのって知ってますか?」

「その辺は大丈夫です! ちなみに私は闇属性で行く予定です!」

 さも得意げに話しかけたが、すでに知っているようでした。
 ちゃんと属性魔法の志を掲げているようで何より。
 俺みたいに行き当たりばったりで無属性とかなるよりマシだと思う。
 属性魔法は弱点をつくと強かったり。
 火属性とか見るからに一番強そうな感じするもん。

「火じゃなくて?」

「火は強いですけどロマンがありません! ただ火力ってのじゃないです。私は……、いや拙者はツクヨイ! 錬金魔法を使いこなすぶらっくぷれいやぁ!」

 あれ、若干変わってない?
 まあどうでも良いか。
 闇魔法と錬金術。
 かなりマッチする組み合わせだと思うのでぜひ頑張って。

「私は闇の錬金術師! 黒魔導士ツクヨイと皆から畏怖の目線で」

「ウォーーーーン!」

「あ、ゴブリン居たって」

「ひゃうっ! どどどどどこですか!? 威力を上げた私のエナジーで!」

 ここからは同じことの繰り返しである。
 夢中でゴブリン見つけて倒して行く。
 時には彼女にラストアタックさせたり。
 レイピアで突かせたり。
 杖で撲殺させたり。
プレイヤーネーム:ローレント
職業:無属性魔法使いLv14
信用度:80
残存スキルポイント:0
生産スキルポイント:4

◇スキルツリー
【スラッシュ】※変化無し
【スティング】※変化無し
【ブースト(最適化・補正Lv2)】※変化無し
【息吹(最適化)】※変化無し
【エナジーボール】※変化無し
【フィジカルベール】※変化無し
【メディテーション・ナート】※変化無し
【エンチャント・ナート】※変化無し
【アポート】※変化無し
【投擲】※変化無し
【掴み】※変化無し
【調教】※変化無し
【鑑定】※変化無し

◇生産スキルツリー
【漁師】※変化無し
【採取】※変化無し
【工作】※変化無し
【解体】※変化無し

◇装備アイテム
武器
【大剣・羆刀】
【鋭い黒鉄のレイピア】
【魔樫の六尺棒】
【黒鉄の双手棍】
装備
【革レザーシャツ】
【革レザーパンツ】
【河津の漁師合羽】
【軽兎フロッギーローブ】
【軽兎フロッギーブーツ】
【黒帯(二段)】

◇称号
【とある魔法使いの弟子】
【道場二段】

◇ストレージ
[スティーブンの家の客間]
セットアイテム↓
[カンテラ×2]
[空き瓶×8]
[初級HP回復ポーション×3]
※残りスロット数:7

◇テイムモンスター
テイムネーム:ローヴォ
【グレイウルフ】灰色狼:Lv1
人なつこい犬種の狼。
魔物にしては珍しく、人と同じ物を食べ、同じ様な生活を営む。
群れというより社会に溶け込む能力を持っている。狩りが得意。
[噛みつき]
[引っ掻き]
[追跡]
[誘導]
[夜目]
[嗅覚]
[索敵]
[持久力]
※躾けるには【調教】スキルが必要。
ーーー



感想にご指摘あった誤字の一部を修正しました。
ありがとうございます。
あと、後書きにてスキル詳細は書いて行きます。

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