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想いの続き
作:山口多聞



陰謀!?


 三千院家に新たに優が加わったが、それはすなわち白皇学院に通う仲間も増えた事を意味した。

 彼女は直ぐに白皇学院の飛び級編入試験(一応ナギの分身だから年齢は13歳。)を受け、全科目正答という極めて優秀な成績で勇人達のクラスに加わった。

 そして入った途端から彼女は大人気であった。

 ナギと違って表情はいつも柔らかく、しかも性格もそれこそ良心の塊だからすごく良い。加えて体力もある。まさに非の付け所のない才色兼備の美少女だ。

 そんな彼女も、朝は勇人達と一緒に登校するのだが、これが勇人への男子の嫉妬を余計に買う結果となった。

 まあ美女3人と一緒に登校してきて、しかも女子からもてている人間に対して嫉妬しない方がおかしいかもしれない。

 もちろん、勇人の父親譲りの並外れた体力は誰もが知っているから、喧嘩を吹っかけたり、面と向かって文句を言ったりするような奴はいない。せいぜい裏で陰口を叩くぐらいだ。

 しかし、その日は違っていた。

 事の始まりは一通の電話から始まった。

 5月ももうすぐ終わろうとしていたその日、勇人はいつもどおり紫、優、真理奈とともに登校中であった。

 その途中で突然勇人の携帯が鳴った。

「もしもし?」

 こんな朝っぱらから誰だろうと思いながら出た。

「勇人か。俺だ。」

 何か一昔前の詐欺を思い出しそうな言葉だが、声で誰だかわかった。

「あれ、朴先輩ですか?どうしたんです、こんな朝っぱらから?」

 電話の相手は生徒会副会長であり、勇人の良き相談相手である朴だった。

「訳は後で話す。とにかくお前に言っておく。今日は正門を使うな、裏門から入れ。」

「え!?裏門ですか?」

 勇人には何故そんなことする必要があるのかわからなかった。裏門から入る事は大きな回り道になるからだ。

「そんなことしたら遅れちゃいますよ。」

「お前の足ならなんとかなるだろ!!とにかく正門から絶対に入るな!!いいな!!」

 そこで一方的に電話は切れた。

「なんなんだ一体?」

「勇人、どうしたんだ?」

 勇人の様子が気になったのか紫が声を掛けてきた。

「うん。朴先輩から、今日は裏門から来いって。」

「え!?なんでそんなことを?」

 話を聞いていた真理奈も訝しげに言う。

「さあ。僕にもわからない。けど、朴先輩が言うってことは、何かあるはずだ。悪いみんな、俺は裏門から回るから。」

 そう言って勇人は3人とはわかれ、裏門へと回る道を走り出した。

 さすがハヤテの体力を継いでいるだけあって、速い。本人は遅れる事を気にしていたが、充分余裕を持って着くことが出来た。

 そして、裏門につくと一人の男が待ち構えていた。

「さすがだな勇人。」

 先ほど電話してきた朴本人が待っていた。

「先輩。一体どういうことです?」

「うん。まあ、取り敢えずこれを見ろ。学校中の掲示板に張り出されている。」

「え!?」

 勇人は朴が差し出した紙を見る。

 そして、その表情が驚愕の物になる。

「な、何!!」

 その紙には写真が載っていたが、それは先日勇人が美沙と二人きりで勉強をしているシーンだった。もちろん、顔は直接写っていないが、それでも直ぐにわかる。

「何でこんな物が!!」

「わからん。今日の朝には出ていた。」

「一体誰が!?」

「それもわからん。ただ大体の見当はつく。画像研究部の連中だ。」

「画像研究部・・・」

 勇人はなるほどと思った。

 画像研究部というのは、昔あった動画研究部が発展した部活であるが、やっていることは面白い動画や写真を集めてくるというように、あまり変わっていない。しかも、人の恥ずかしい映像なんかも撮って来る。

 ただ、数年前についにプライバシーの侵害で訴えられて以来動きが慎重になっていた。だから、今回も顔を写さない様にしているのだろう。

 しかし、わかる人にはわかるから困る。

「クソ!画像研究部に乗り込んでやる!!」

「慌てるな!まだ画像研究部だとわかった訳ではないぞ。しかもだ。」

「!?」

「取り敢えず授業には出なきゃな。」

 結局、勇人が画像研究部に乗り込むのは放課後になった。しかし、それまでは悪夢だった。

 一日中侮蔑の視線で見られる事になった。特に、櫻や真理奈の怒の視線は最悪だった。

 彼はひたすらそれに耐えるしかなかった。


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