某月某日、某焼肉屋にて。
遅くなりましたがようやくの投稿です。
ですが期待していると痛い目を見ます。
正直これ以上記憶が無いのです。
なんとか思い出しながら書きましたが、本当にこれ以上は思い出せません。
以下今回のタグ。
・会話多量
・わっふるわっふる
・寸止め
物凄く簡単なあらすじ
「一度上司さんと話をしてみたい」と言った京と沙耶、それを快諾した上司さん。
三人のために話し合いの場を設け、いよいよ初邂逅の時。
場所は某所の焼肉屋。
2時間食べ飲み放題を4人分注文。
飲み物は私と上司さんが生ビール、京と沙耶が烏龍茶。ついでにお肉を適当に注文。
しばし談笑と食事。
そこそこ(私以外の)腹が膨れたところで、いよいよ本題へ。
「ふぅ、亮さんお酒はー?」
「私はしばらくいい。というか杏、お前は少し食べ過ぎで飲み過ぎだろう」
「そうだよ杏、流石にそろそろ……」
「んーや、まだまだ平気だよー」(ボタンプッシュ)
「……因みに何頼むんですか?」
「ウーロンハイ、あとお肉をちょっと」
全員が溜息。ええい良いじゃないか。
店員さんにお肉とウーロンハイを注文。
「……さて。さっきは簡単な自己紹介しかしてないし、そろそろ腹も膨れてきたし。
一応改めて詳しい自己紹介しておこうか。
私は亮。杏の上司で、杏に……告白したというのか?あれは?」
「私に話振られても困りますけど、多分そうなんじゃないんですかー?」
「……酔ってるね、杏」
既にこの時点でビール3本と生レモンサワー、マッコリ、ハイボールを飲み終わってます。
……まあ酔ってたよね。
「……まあいい、とにかくそんな感じだ。
趣味はゲームで特技は料理……かな。好きなものは旅行で、嫌いなものは思慮の無い人間。……若干厨二臭いとかは言ってくれるな、最近の学生上がりは馬鹿が多くて多くて……」
「……苦労してるんですね」
「本当にな……あと苦手なのは杏以外の女性全般だな。女性恐怖症なんだ。杏がいる時は平気だが、プライベートで女性といるとどうもな……」
「……さらっとのろけましたね。ということは私たちも無理ですか?」
「杏がいなければたぶん無理だな。悪いがこれは過去のトラウマでな、今のところ治すのは難しいんだ。わかってくれると嬉しい」
「そうなんですか……じゃあ、次は私たちですね。私は沙耶と申します。今は高3で、杏さんと同居しています。で、えーと……まあ、杏の恋人やってます。杏と知り合ったのは高1の時で、同じ学校だったんです。それでまあ紆余曲折あって今に至ってます」
「私は京って言います。杏とは幼馴染で、杏が男性恐怖症になる前から家が近所です。そして今は恋人やってます」
「……ん?待て、女性同士で愛し合っているのは杏から聞いているが、二人も恋人がいるのか?」
「はい。あ、誤解しないように言っておくとですね、杏が不義理って訳じゃないんです。杏は私たち二人の気持ちを真剣に考えてくれて、結果今の状況になっていて……」
「ああいい、わかった。君たち二人と杏は、心の底から愛し合っている訳だな」
「まあそうなりますね」
「うぅー……」
流石に、他人がいるところでこうやって面と向かって言われるのは恥ずかしい。
照れ隠しに京の胸元へと抱き着く。
「うわっ」
「そういう事さらっと言わないでよ本当に恥ずかしいんだから……」
「全くだ、聞いているこっちが恥ずかしいだろう」
「……恥ずかしいって顔してないじゃないですか、あと亮さんにも言ってるんですよ?」
「顔に出てないだけだよ」
亮さんはさらっとスルーして、すまし顔でビールを仰ぐ。
……とてもじゃないけど恥ずかしがっているようには見えないよねぇ……。
「……まあいい、それで普段の杏の様子はどうだ?
杏とプライベートな付き合いを始めたのは最近でね、家での様子とかは全く知らないんだ」
「ああ、そうですね……家では割と普通……ですかね?
基本は仕事したり家事やったりゲームしたりとか、そんな感じだよね?」
「ん、まあ……そうかな。大体は……そんな感じですかね」
「そうか。まあ出社してるかしてないかだけで、私も概ねそんな感じだな。
……そういえば君達は同居しているんだったな、今はどんな構成で住んでいるんだ?
杏はともかく、京さんと沙耶さんは大学生あがりたてだろう?
親御さんの許可とかは……」
「親は……まあなんというか、自分でやることは自分でやるっていうのを条件に認められてます。恋仲なのも知ってます。もともと私の親と杏の親で近所付き合いがあったので……」
「私は両親が海外で仕事してて、家帰っても誰もいないんです。海外に行くとき私をどうするかで随分悩んだそうなのですが、杏さんと同居したいといったら即決でしたね」
「そうか……」
その後も話は弾む。
そして大体9時くらいだったか。
仕事の疲れと程よすぎる程に回った酒のおかげで、私はもう半分寝ている状態だった。
意識ははっきりしているんだけど、身体が気持ちのいい倦怠感に包まれている。
「んんー……」
「ちょっと杏、本当にどうしたのさ。いつもはこんなに飲まないでしょ?」
「何かあったんですかね……亮さんは知りませんか?」
「仕事の影響か?いやそれにしたってあれだしな……」
私自身も理由はわからないが、なぜだか浴びるほど飲みたい気分だったのだ。
隣に座ってる京の肩に頭を預けて目を閉じる。
「いいの……なんでもないから、しばらくこうさせて……」
「……全くもう、寝ちゃうよ?」
「ん……大丈夫……」
実際かなり眠いが、まだ起きてられる。身体は動かないし喋れそうにも無いけど。
「杏?杏ー?……駄目ですね、うとうとしてて頭働いてないです。多分もう寝ちゃうというか、もう半分くらい寝ちゃってますよ」
「……大丈夫なのか、それは」
「ええとまあ、大丈夫だと思いますけど……ちょうどいいかな。
亮さん、杏が寝ちゃった隙にお話があります」
「……どうやら大事な話のようだな。沙耶さんだったな、構わないよ」
もう私が殆ど意識が無いと思っているのか、京が私の頭を膝に乗せる。所謂膝枕というやつだ。
「色々と言い方はあるのですが……失礼を承知でお聞きしますが、亮さんには正式に杏とお付き合いを始める気はありますか?そして、お付き合いした後は打算無く、ずっと杏と夫婦でいられますか?」
「……というと?」
「杏は見た目とか性格とかがこれでしょう?端的に言えばモテてました」
「まあそれは社でもそうだな。何回告白しただのという話を聞いたかわからないぞ……」
「……予想はしてたけどやっぱりそうだったんだね杏……」
「……まあそれはそれとしてです。でも、杏はそれを私と京以外の全てのお誘いを断っている理由があるんです。……杏は、ずっと心の中で悩んでいるんです」
「悩み……?」
「はい。本当に私は誰かに愛されても良いのかって、私たちが恋人になる前はずっと考え続けていたんです。今はもう考えてないと思いますけど」
それを聞いて私は驚いた。
誰にも言ったことのない私の心の奥深くに、その考えは確かにあった。
そして、今は……
「……なんで、そんな考えを?」
「多分ですけど、その時既に杏は……汚されかけていたからだと思います」
「……!」
今度こそ、亮さんが絶句したのがわかった。
そういえば亮さんには私が男性恐怖症の理由を話してないし、話す気も無い。
これだけは、本当に心の底から信頼している人にしか話せない。
「勿論全部を汚されたわけじゃないですし、未遂でした。でも……後はまあ、なんとなく想像できると思います」
「……今は、どうなんだ?」
膝枕をされている私の頭の上に、ぽんと手が置かれて撫でられる。京の手だ。
急速に眠気が広がる。やばい、もう少し起きていたいのに。
「今は……さ……にその考え…無くなっ……ますけど、代わりに……たくないと……気持ち…強くなって…………。一度愛し…相手と……っと一緒にいたい…いう気持ちが……」
「な……どな。で、さ……の言葉は………う意味で?」
「もし付きあ……とになったとして、その……りょ……んに捨て……たら、杏は絶対に……しみます。ああ、や……り私には……価値が……ったんだって。私も京も、……なのはぜった……許せ………」
「……」
「でき…ば今、決め……ださい。しつれ…………もし……らかの打算………なら、今すぐ………ら離れ……ださい」
「……」
駄目、もう起きて……
期待するなと言っただろう?
続きが知りたいって?知りたいのは私です。沙耶、亮さんに何言ったの?
ただひとつ言えるのは翌日の朝の布団には私と京と沙耶が裸で転がっていたということです。
補足。
上司が亮さん。
出張のときに付きまとってきたあいつは亮です。