「輪舞」
そこは、何の変哲も無い事務所。
「へぇ。」
「…もぅ嫌だ!あいつのせいで俺も家族も目茶苦茶だ!!殺してくれ!!」
そこでは、ボロボロの姿の中年の男が少年に熱弁していた。
「うん、まぁ、事情はわかったよ。ちゃんとその社長は殺してあげるよ。」
少年はニンマリしながらさらさらと紙にペンを走らせると、気付いたように顔を上げた。
「…あ、そういえば結構前に似たような事言ってた女の子がいたね。ジェーン覚えてる?」
少年は、事務机の後ろにある垂れ幕に向かって言った。
垂れ幕の奥から声がする。
「あぁ…よく覚えてるよ。彼女はなかなかよかったからね……」
さっと幕が開き、中から白い布を纏った大男が現れる。
手には、人間の頭の骨を持っていた。
「ほら……今ちょうど見てたんだよ。一年前でしょ?」
「へぇ。彼女は面白かったよね。あんなに嬉しそうに笑ってたんだから。…あ、彼がジェーンね。」
テイラーは、目の前で震えている男にジェーンを紹介した。
「……まずそうだなぁ。」
ジェーンは男を見てつまらなそうに言い、持った白骨を撫でた。
「仕方ないよ。じゃ、早速行こうか。」
テイラーは椅子からぴょんと飛び降り、パタパタ歩き出した。
「……あ、そうだ。」
と、彼は急に止まると男に振り返った。
男はビクッとしてテイラーを見た。
「本当に、どんなことをしても、殺したいんだね?」
男は少し戸惑った。
が、すぐに顔をしかめると、こくりと頷いた。
テイラーは、ニンマリと不気味に笑った。
「……確かに聞いたよ。」
テイラーとジェーンは、殺し屋事務所の扉を開いた。
暗い、路地裏の終点地。
彼等はいつまでも、そこに存在する。
命を買い、死の輪舞曲を踊り続けるために………
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