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お待たせしました23話!

メール上の彼女
作:荒木ヒロ



第23話:E判定(合格率20%)


俺は今回の模試でもE判定をとった。E判定は一番悪いランクで、合格率20%以下だ。
でもこれまでは気にしていなかった。最初からA判定(合格率80%以上)を取れる奴はそうそういない。まだ実力がついていないので、Eを取るのはむしろ当たり前のことだったし、自分のささやかな成長を確実に感じていたから、別によかったのだ。
受験生にはその成績と実力が最後に伸びてくるという傾向がある。だから俺はそれを目指していた。最後の模擬テスト『センタープレ』で爆発させればいい。つまり冬にA判定を取れればいいのだ。考えようによっては、本番だけ全て満点取ればいいのだ。

俺は教室で判定『E』の文字を見つめていた。今までその文字は俺がやってきたことの証のように思えていた。でも今回はその意味が違う。
国語以外の教科の点数は階段を一歩一歩登るように良くなっていた。これは日々の努力によるものだった。しかし、初めから頂点を走っていたのが国語である。一番自信があった教科である。勉強しなくても取れていた教科が国語だ。
俺は現代文が得意だった。まるつけのときには自分のミスのなさにほれぼれするほどだった。
だからこそ、なぜこうなったのかわからないのである。

「んー?国語どうした?珍しいじゃん」
バトミントン部部長だった友達だ。名前はつつみちだ。
「わからん……くそっ。何でこんなに国語悪いんだ?現代文は今まで90点以下取ったことねぇのに……」
俺はつつみちに答えを求めるような口調で言った。そして手で顔を覆った。ショックだった。初めて国語に絶望した。勉強に関してはずっと孤高であった俺が、初めて友達に助けを求めた。
無頼のプライド。そんなことは今どうでもよかった。今の俺は国語をどうしても取らなくてはならない。得点源だったからだ。つまり国語というプライドを、別のプライドを捨てることによって守るのだ。
「古文漢文は相変わらず良いな。何で現代文だけ悪いんだろうな……」
それは俺がお前に聞きたいのだ。俺は黙っている。
「ふぅん……何でこんなに間違えた?」友達は俺からシートを取る。
「わからん。そんときのことあんまり覚えてないんだ。頭が真っ白になった。漢文古文は良い感じで解けた。評論は、多分、選択肢がどれも同じようなこと書いてあって、選定に手間取ったんだと思う。そして似てるようで違うものを選んじまった。選択肢が似てたから、吟味に時間がかかった。それで小説をゆっくり解く時間が無くなった。しかも小説が……小説は人物の感情を本文から見つけ出さなきゃいけないのに、本文に則してやってったら、どれもいまいち本文に根拠が見つからないんだよ。仕方ないから意訳して、まぁこれは一番やっちゃいけないことだけど、そうするしかないから、それで解いた。そしたらこの様だ」
友達は少しの間考える。そして言う。
「それだけ自己分析できてるんだったら、単にお前は、点数が悪かったことで動揺してるだけじゃないか?たまたま運がなかっただけじゃねーの?まぁ、今回のことは忘れて、次取れば良いんだよ。次。問題が悪かったんだって。それに引きずってたら、またこうなるぞ」

確かに、俺が今まで解いてきた問題の中では一番質が悪かったと思う。選択肢に本文から読み取れる根拠がいまいちなかったり、同じことを言っているものがあったりした。

「そうだな……問題が悪かったんだよな……」
その日から、国語の問題は問題になった。今回の模試と同じような問題ばかりが、俺に立ちふさがったのである。




友達の名前、変ですね笑











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