ラブコメ?―Second Season―(4/19)PDFで表示縦書き表示RDF




大学生になってから初めての休日(?)、本来なら休息が取れるはずだが……?
ラブコメ?―Second Season―
作:須賀 隆太郎



Part4:つかの間の休息も安息にはならず


 次の日。今日は上級生のガイダンスのため、孝たち新入生はつかの間の休息である。……が。
「なんでキミが朝っぱらからここにいる? ってかどうやって入った?」
 孝が朝起きると、なぜか隣に桜が寝ていた。慌ててゆすって起こすと、
「だってぇ、普通にやってダメならもう実力行使しかないじゃない〜。カギは簡単に開いたわ」
 桜は悪びれる様子もなく、「てへっ」と軽く舌を出した。
「キミがどんな手段に出ようが、オレの椿への想いは揺るがない。ほら、帰った帰った。それと、次やったら場合によっては不法侵入で訴えるからな」
 孝は警告をすると、桜の背中を押して玄関から放り出した。
「しぶとい……でも諦めないよっ」
 桜が部屋に戻る寸前、彼女の負け惜しみが聞こえた気がしたが、孝はあえて聞こえないフリをした。
「カギ、替えとくか……」
 孝はそうつぶやくと、着替えて買い物に出かけた。


 そのころ、椿と明日実は……
「ねーねー、キミたちかわいいね〜。俺たちとお茶でもしない?」
 この日は2人の入学式。式を終えて帰ろうとしている2人に、すでにこの日10人目となるナンパ男が話しかけてきた。
「ごめんなさい。私たち、彼氏持ちですから」
 椿がそう言ってあっさり断る。
「ちぇっ、彼氏いるのか〜。まあ、2人ともかわいいし、納得だな」
 ナンパ男はそう言って引きあげた。
「椿ちゃん、ありがとう。彼氏がいるのは椿ちゃんだけなのに、私をかばってくれたのね」
 ナンパ男がいなくなったのを確認してから明日実が椿に礼を言った。
「気にしないでいいわよ。あんな軽そうな男についていったら何されるかわからないもの」
 椿はそう話し、歩き出した。
「孝くん、大丈夫かな? 都会は妙な人がわんさかいるって噂だし……」
 明日実がふとそんなことを言い出した。
「そうね……今の私たちにできるのは孝くんを信じることだけ。でもやっぱり心配だし、予定通りゴールデンウイークあたりにでも遊びに行ってみましょうか」
 椿がそう提案した。
「賛成〜。それじゃ、もう早速計画立てようよ。いつ行くかってことを孝くんにも伝えておかないといけないだろうし」
 明日実もノリノリで計画を立てるために2人は明日実の家に行くのだった。


 孝がホームセンターで交換用の新しい玄関のカギを購入し、取り付けを終える頃には日が暮れかかっていた。
「さて、そろそろ夕飯作るか」
 孝はひと息ついてから、夕飯のメニューを決めるため、冷蔵庫を開けた。
「あまり材料ないか……しゃーねえ、今日は手軽に野菜炒めだな。明日はスーパー行かなくちゃな」
 孝は冷蔵庫の中を見てため息をつくと、キャベツ、豚肉、もやしなどを取り出し、手早く炒めはじめた。
「よし、完成……ってなんでお前がいる!?」
 孝が料理に夢中になってる間にいつの間にか桜が部屋に上がり込み、座って待っていた。
「それが……あたしの部屋の冷蔵庫、材料が何も入ってないのに気づいてさ……ちょうど隣の八坂くんが料理を始めたような音が聞こえてきたから少し分けてもらおうと思ったんだけど、ダメ?」
 桜は上目遣いで孝を見つめつつ、そう頼んだ。
「ちっ、そんな顔されて断れるかよ。材料使いきるために多めに作ったから、持っていきなよ」
 孝は今作った野菜炒めをお皿に分けてやり、桜に渡した。
「ありがとう、八坂くんっ!」
 桜はそう言って孝に抱きつこうとしたが、
「そこまで気を許したつもりはないっ! ほらほら、用が済んだらさっさと帰る!」
 孝はカウンター気味に桜にデコピンをぶちかまし、背中を押して部屋から放り出した。
「あの上目遣いで陥落しないとは、かなりの強敵ね……でも絶対落として見せるわ!」
 玄関の外で桜の決意表明のような声が聞こえたが、孝はまたも聞こえないフリをした。
(なんで橋本さんはあそこまでオレにこだわるんだ? オレなんかよりもっとかっこいい男はいくらでもいるだろうに……)
 孝はいろいろと考えてみるが、答えは出ないまま夜は更けていくのだった。


いったいなぜ桜はここまでしつこいのか?
そして孝の受難はどこまで続く!?











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