ラブコメ?―Second Season―(19/19)PDFで表示縦書き表示RDF




どんな騒動があろうとも、季節は常に巡ってゆく……
ラブコメ?―Second Season―
作:須賀 隆太郎



The Final Part:エピローグ


 季節は巡り、再び春がやってきた。

 結局孝は1年生を終えようとしている今になってもまだサークルをどこにするか悩んでいた。

 もうすぐ新年度が始まる、ある日の昼下がり。2台の引っ越しトラックがアパートの前に止まった。
「ん? そういやこないだ1階に住んでいた人が2人卒業してここから引っ越していったっけな。その空き部屋に新しい人が来たのかな」
 外の様子を眺めながら孝はそうつぶやいた。



 夕方、孝が夕飯を作っていると、チャイムが鳴った。
「はいはい、どちらさまー?」
 孝が火を止めてドアを開けると、そこには……
「孝くん! 久しぶりっ!」
 ドアの前にいたのは椿と明日実の2人だった。
「おう、久しぶりだな……じゃなくて、なんで2人がここに?」
 孝がそうたずねると、
「今日からこのアパートに2人一緒に1台のトラックで引っ越して来たんだよー。私が102号室、椿ちゃんが103号室だよ」
 明日実が笑顔でそう答える。
「でも光稜大学はどうしたの? まさかここから通うわけでもあるまいし」
 孝がさらに突っ込む。
「光稜大学は中退して、2人とも都台大学の2年次編入試験に合格したの。だからこの春からまた一緒に通えるよ」
 椿が孝の疑問を一発で解決するかのように答えた。
「なんでわざわざ……でも、うれしいな。また一緒だな、2人ともよろしく」
 孝はそう2人に話した。

「あれーっ!? なんで2人がここにいるの!?」
 そこにちょうど帰ってきた桜が叫び声をあげた。
「桜さん、今日からこのアパートに引っ越してきて、今年から都台大学の同じ2年生ですので、よろしくお願いしますね。私がいる以上、孝くんは渡しませんのでそのつもりでいてくださいね」
 椿が引っ越しの挨拶ついでに桜に改めて戦線布告をした。2人の間に火花が舞い散る。
「2人は1階の部屋でしょ? 2階の、しかも隣の部屋に住むあたしを止められるとでも?」
 桜が不敵な笑みを浮かべる。と、
「アンタを止めるにはアタシが出るしかなさそうね」
 桜の部屋のもうひとつ隣、201号室から誰か出てくると、話に入ってきた。
「その声は、薫!? なんでここに?」
 振り向いた桜が乱入者の正体を見て驚いた。
「なんでって、このアパートなら大学が近いし、家賃とか条件もいいから引っ越して来たのよ。同時に着いたトラックにまさか椿さんたちがいるとは思わなかったけどね」
 薫は笑いながらそう話した。
「薫さんが201号室で桜さんを監視してくれるならかなり安心ね。そういうわけで、桜さんも薫さんもこれからよろしくね」
 椿は改めて一礼すると、明日実とともに階下のそれぞれの部屋へ戻っていった。
「しっかし、すごい偶然ね〜。去年いろいろあったメンバーの大半が同じアパートに集結するなんて……」
 薫が笑いながらそうつぶやく。
「ああ、こりゃ去年以上に騒がしくなりそうだ」
 楽しげな女性陣を尻目に孝は1人頭を抱えるのだった。


 そんな孝の悪い予感は的中し、お約束のごとく明日実VS椿VS桜の三つ巴バトルが繰り広げられていた。薫は時折暴走の度合いが過ぎた桜を止める役割を担ってくれ、孝にとって強い味方となっていた。


 彼らが大学を卒業するまでこの騒動は続いていくのだが、それもまたお約束なので、あえて語る必要もないだろう。

                             完


これで完結となります。
このシリーズはもう作る予定はありません。シリーズ完結です。
中途半端かもしれないですが、作者の実生活がそろそろしんどいのです。ご了承ください。
それでは、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。













ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP


小説家になろう