Part14:遊びに行こう!
翌朝。
「おはようっ! 孝くん!」
朝の8時から明日実が孝の寝ているソファーに飛び乗った。
「ぎゃっ! 明日実、朝から暴れるな!」
孝は衝撃の大きさに悲鳴を上げて飛び起きる。慌てて起きあがったので、上に乗った明日実ごとソファーから落っこちてしまった。
「いたた……」
明日実が顔を上げると、孝を下にしていた。
「いってぇ〜……おい、明日実。なるべく早く退いてくれると助かるんだが。し、痺れてきた……」
孝は明日実にそう告げる。明日実が乗っているのは、孝の下半身だった。
「あっ、ゴメン、孝くん。大丈夫?」
明日実は慌てて下りると、今まで乗ってた部分をなではじめた。
「って、どこを触ってるんだ!? これを子供が読めないストーリーにするつもりか!?」
孝が急いで明日実を止める。
「私だって3年前は椿ちゃんに負けたけど、完全に諦めたわけじゃないんだよ? チャンスがあれば狙ってると思ったほうがいいよ♪」
明日実はなおも孝にとっては危ない場所をなで回しつつ、孝に微笑みかける。
「ストップ。はい、そこまでよ。明日実、抜け駆けをしようとするのは3年ぶりね。ダメよ、孝くんは誰にも渡さないんだから。明日実にも、もちろんあの桜さんにも、ね」
そこでようやく椿が起きてきて明日実を止める。
「ちぇ〜。そう簡単には行かないかぁ〜」
明日実はしぶしぶ孝から離れる。
「よっ……と、今日はどこかに行くんだろ? どこに行く?」
孝は起きあがりながら、2人にそうたずねた。
「とりあえず、午前中は観光したいかなっ! 東京タワーに、上野動物園も行きたいなぁ〜」
「買い物もしたいわ。渋谷、原宿、池袋……」
2人は昨晩のうちに考えたのか、行きたいところを次々と挙げていった。
「ストップストップ! 1日じゃそんなに回れないよ! もう少ししぼってくれ!」
あまりの多さに孝が慌てて2人を止めた。
「やっぱ無理があったか。じゃあ、私は東京タワーが最優先かな」
明日実は一番行きたいところだけにしぼり、東京タワーに決めた。
「それじゃあ、私の買い物は渋谷にするわ。たぶんいっぱい買うかもしれないから先に明日実の行きたい東京タワーに行きましょうよ」
椿も買い物したい街の中からひとつにしぼり、渋谷に決めた。
「よし、決まったな。それじゃ、朝食を済ませたらすぐに行こうか。せっかくこっちまで来たんだ、長く遊びたいだろ?」
孝はパンをトースターに突っ込みつつ、2人にそうたずねる。
「うんっ! やっぱり長野ってあまり遊ぶところないからね〜」
「そうね〜。カラオケくらいしかないものね〜」
2人はうんうんと頷きあった。
「よーし、しゅっぱーつ!」
かくして、朝食を済ませた3人は都心で思い切り遊ぶために出かけるのだった。
「おっ、3人で出かけるのかな? なんか面白そうだし、緊急尾行作戦、開始〜〜っ!」
その様子をドアを少しだけ開けて見ていた桜も、急いで支度して孝たちの後をつけていくのだった。
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