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ラブコメ?―Second Season―
作:須賀 隆太郎



Part13:椿&明日実の来訪


 ゴールデンウイーク、後半の連休開始の5月3日。早朝6時の長野駅に椿と明日実の姿があった。
「こないだ偶然親睦旅行で会ってるけど、孝くんに会うの楽しみだな〜。あっ、新幹線来たみたい。行こっ、椿ちゃん」
「ええ、楽しみね。それじゃ、行きましょうか」
 2人は新幹線に乗り込み、一路東京を目指すのだった。


 同時刻、孝はすでに起きて部屋を片づけようとしていた。
「昨日は全然片づけられなかった……少しは片づけないと2人を部屋に上げるわけだからな」
 孝はそうつぶやくと、掃除に取りかかった。
 と、そこに外側からカギが開けられる音がして、ドアがゆっくりと開いた。
「あれ? 起きるの早いんだね……ちぇっ、失敗か」
 ドアを開けて孝と目があった状態で固まった桜はそう言うと、ドアを閉めて撤退しようとした。
「ちょい待った。オレが起きてなかったら何をするつもりだった?」
 孝は桜をとっ捕まえて問いただした。
「まだ椿さんは来てないみたいだし、今ならまだ既成事実作っちゃえば勝ちかな、と……」
 桜は乾いた笑いを浮かべながら侵入の理由を説明した。
「まったく、油断できないな。今日、椿たちが来るからしばらくは大人しくしていてくれよ。そういう約束だったはずだしな」
 孝はため息をついて桜にそう告げ、家に帰した。
「さて、さっさと片づけないと2人が来ちゃうな」
 桜と騒いでいたせいで、いつの間にか時計は午前8時30分を指していた。
 と、そこに椿からメールが入った。
「“いま東京駅に着いたよ”……ってことはここまで来るのに最短であと30分ってところか。駅に迎えに行くからあと15分ほどで片づけを終わらせないとならないか」
 孝は時間を見て、急ピッチで片づけを進めた。

 そして30分後、孝は駅で椿たちを待っていた。
(そろそろかな……)
 携帯で時間を見ながら孝がそう思っていると、
「あっ、孝くん!」
 ちょうど到着した電車に乗ってた人が階段を上がってくる中、椿と明日実の姿もあった。改札の外にいる孝に気づいた明日実が声を上げる。
「よっ」
 孝も軽く手を挙げる。
「久しぶりっ、孝くん!」
 改札から出たところで椿が孝に抱きついた。
「ああ、久しぶりだな。それじゃ、こんなところで立ち話してるのもなんだし、アパートに行こうか」
 孝はそう言うと、2人の荷物を持ってアパートに向かった。


「結構片づいてるんだね。男の子の一人暮らしって物が散らかってるイメージがあったけど……」
 アパートに到着して孝の部屋に入った2人が最初に言ったのはそれだった。
「今朝までに頑張って片づけたんだよ。彼女を部屋に上げるのに散らかってるって最悪だろうしな」
 孝は昨日のうちに買っておいたジュースを2人に出しながらそう話した。
「私はあまり気にしないよ。むしろ片づけが楽しいからちょっとだけ楽しみにしていたし」
 椿がジュースを飲みながら孝に笑いかける。
「そうは言ってもせっかく遊びに来た彼女に掃除をさせるわけには行かないからな。それで、どこか行きたい場所とかある? まだこの街に慣れた訳じゃないからあまり案内とかはできないけど」
 孝が2人にそうたずねると、
「うーん……今日はどこも行かないでゆっくりしたいな。一応私たちは明後日までこっちにいるつもりだから」
 椿はそう言うと、孝に寄りかかってきた。
「そっか、わかった。今日はゆっくりしようか」
 孝は椿を抱き寄せてそう言った。
「私も混ぜてよー! 2人の世界に入らないでー!」
 明日実がそう叫んで椿とは反対側に陣取り、孝に寄りかかった。
(これって端から見たら微妙にハーレムなんじゃ……)
 孝がそんなことを考えてるとは知らず、椿と明日実は休日を過ごすのだった。

「約束だし、椿さんたちがいる間はおとなしくしてようかな」
 隣の部屋で壁に耳を当てて孝の部屋の様子をうかがっていた桜は、ため息をつきながらそうつぶやくと、ひとりどこかへ出かけるのだった。












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