仲間を殺された。
それも大切な妹を…
その敵が目の前にいるとすれば大抵の人間がとる行動はなんだろう?
『敵を討つ』
その行動を取ることは正しいのかもしれない。
機動戦艦ラグナロクの艦魂フィリアはサーベルで切りかかってくるサラを薄く笑ったまま見つめていた。
止める艦魂や人間はいない。
それほどサラの動きは早かった。
「死ね!」
サラはサーベルをフィリアに向け振り下ろした。
艦魂は船が無事な限り死ぬことはないが痛みは感じる。
脳天を叩き割るぐらいの痛みをサラは相手に与えたかった。
そんなことをしても妹は帰ってこない。
でも…せめて
ガキイインという金属と金属が激突する音。
サラの持っていたサーベルは宙を舞いラグナロクの甲板にからからと回りながら
落ちた。
「アハハハ!弱い弱い!船が雑魚なら艦魂も雑魚ね」
フィリアは笑いながら己の艦魂としての武器である両刃の西洋式の剣をサラの首筋に押し付けた。
フィリアは艦魂としての剣術ではドイツ艦隊最強。
エリーゼでさえ彼女に剣では勝てないのだ。
「殺せ!」
サラは剣を首に突きつけられても恐怖に覚えるのではなく憎悪に満ちた目でフィリアを睨みつけて怒鳴った。
しかし、フィリアはそんな視線に慣れているのかクスクスと笑う。
「殺してあげてもいいけど殺せないからね。まあ、痛みぐらいは味わってもらおうかしら?」
口元に笑みを浮かべたままフィリアはサラの首筋に当てた剣に少し力をこめる。
「っ!」
サラの顔が苦痛に歪んだ。
「アハハハ!いつまで耐えられるのかしら?失神するまで続けてあげるわ」
徐々に剣に力を入れようとするフィリア
空母アルタイルの艦魂アリアはたまらず叫んだ。
「もうやめてぇ!」
フィリアは一瞬アリア達アメリカの艦魂を見たが
「だーめ」
ぐっと剣に力がさらにこもるのが分かった。
アリアはフィリアに飛び掛ろうとした瞬間だった。
「いい加減にしておけフィリア」
フィリアの手が止まる。
アリア達アメリカの艦魂達の目にフィリアの後ろで5つ光が集まりそれぞれドイツ海軍の軍服を着た少女達が現れた。
ビスマルク2世を始めとするドイツの未来艦隊の艦魂達だった。
フィリアに声をかけた少女は肩までの長さのアッシュブロンドの髪の少女である。
年は18歳くらいで瞳の色は灰色。
背が高いためフィリアが成長した姿といえた。
だが、フィリアと違うのは人を小ばかにしたあの冷笑を浮かべていないところだろう。
「あらルネ姉さん?何か御用かしら?」
フィリアは剣を突きつけたまま言った。
ルネと呼ばれた艦魂はため息をついた。
「敵とはいえ彼女達は戦士だ。手荒な扱いは許可しない」
「フフフ、姉さんに私を止める権利があるのかしら?」
「むっ…」
フィリアの地位は総司令であるエリーゼに告ぐ2番手である。
ルネは機動戦艦ジークフリートの艦魂であるが階級は妹のフィリアのほうが高いのであった。
「どうしてもやめないつもりか?」
今度はルネは殺気を放って言った。
聞かないというのなら力ずくでも止めるという意思表示である。
「…」
フィリアは殺気を受けても微笑をやめなかったがやがてふっと目をつぶり剣を鞘に入れて空間に消した。
「サラ!」
フィリアが剣を引っ込めたのでアリアはサラに駆け寄った。
相変わらずフィリアを睨みつけるサラではあったが状況が変わったためか頭が多少は冷えたのか攻撃はしなかった。
「すまなかったな」
かつかつと甲板を靴で鳴らしながらルネが言った。
アメリカの艦魂達は戸惑った顔で彼女を見た。
ルネは敬礼する。
「ドイツ第三帝国所属の機動戦艦ジークフリートの艦魂ルネだ。妹が迷惑をかけたな」
「…」
アメリカの艦魂達は何も言わない。
まあ、当然だろう。
仲間を殺された直後に自己紹介などされても困惑するだけだ。
「あなた達はこれからドイツ海軍として働いてもらうわ。アメリカ、そして、日本を潰す戦力としてね」
フィリアが意地悪く言った。
相変わらず微笑を浮かべたまま…
「さて、自己紹介がいるな。おい、1人ずつアメリカ…いや、我々の仲間となる彼女らに自己紹介しろ」
後ろにいた他の艦魂達が挨拶を始める。
サラはその言葉は半分も耳に入らずただ絶望をかみ締めていた。
これからの運命は祖国との戦い。
(誰か私達を助けて…)
大和に並ぶ巨大戦艦であるはずの自分は今やとらわれの無力な姫と変わりない。
今回の戦闘によりアフリカ方面のアメリカ機動部隊は壊滅したのである。
そして悲劇はまだ終わらない
フィリア「アハハハ!」
ルネ「いい加減にしないかフィリア」
フィリア「うるさいわねお姉様でも殺すわよ?ウフフフ」
ルネ「貴様…」
作者「ルネ様…フィリア様を止めてください」
ルネ「お前が止めろ」
作者「ええ!」
フィリア「あらやる気作者?」
作者「く、くそう!うおおお!」
フィリア「学習能力のない猿ね」
ズドオオオオオオン
作者「ぎゃああああ!」
フィリア「アハハハ!」
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