34話 迷宮の名前っぽい
時間が欲しい……orz
(やっぱりこれだったか……)
強斎は、何故ゼロのステータスが見ることができたのか調べていた。
ある程度目星は付いていたので、一番怪しいのを調べたら、ドンピシャであったのだ。
(属性、『神を超えた者』……か)
強斎はこの詳細を見たとき、苦笑いしか出なかった。
『神を超えた者
一部の神を超えた何か
以下の効果を常時発揮する
全てのレアスキルが1段階上昇
全てのノーマルスキルが10段階上昇
スキルの上昇速度絶大上昇
スキル取得超簡易化
以下の効果は任意で発揮する
この属性を保持している何かを中心とし、半径20m以内の不可視な物を見ることが可能。』
(レアスキル1段階上昇……これのせいだな。それと、スキルの上昇速度が早かったのもこれのせいか……。俺、何かしたか?なんだよ何かって……せめて、者って書けよ……)
強斎は一人、「俺は人間だ」と呟き始めた。
決して自覚してきたわけではない。
………
……
…
「あ、キョウサイ様。もう、準備はよろしいのですか?」
強斎が迷宮の確認をし終わった後、隠し通路から地上に出たら、ミーシャ達が待っていた。
ついでにこの隠し通路、この5人以外に動かせる者はいない。強斎作だ。
「ああ、後はこの板をつけるだけだな」
「板ですか?」
強斎はアイテムボックスから板を取り出し、迷宮の入口に貼り付けた。
「これでよしっと……」
強斎が貼り付け終わったら、4人は一斉にその板を見る。
「『コトリアソビ』……ですか?」
「ああ、この家の名前だ」
「ご主人様……。さすがにこの迷宮の難易度で、その名前は……」
レイアが微妙な顔でその板を見る。
それに続き、ルナも発言した。
「そうですね……名前は小鳥さんの遊び場という意味合いで、簡単に攻略できそうですが……」
ルナはその先を口にしなかった。
恐らく強斎以外は理解しているのだろう。
しかし、強斎はなんと言われようと変えようとは思わなかった。
それは、強斎の故郷……日本に関係している。
(本当は『タカナシ』にしたかったんだけどな……一応迷宮だし、それだとおかしいからな……)
少し苦笑いをして、話を変えた。
「なぁ、ミーシャ。ここから魔界への転移門まで、どれぐらいかかる?」
「ここから魔界でも、刹那もかかりませんね」
「冗談はよせ」
「本気です」
ミーシャの目は本気だった。
そして、ゼロが言葉を発した。
「この私ですら、ここから魔界まで刹那の間に到着するなんて簡単よ。その代わり周りの被害がやばいけど」
そう言って、強斎を一瞥してため息を出す。
「どうした?」
「なんでもないわ……」
「?そうか……。まぁ、とりあえずこいつのレベリングもしたいからな」
そう言って、強斎は一瞬で魔物を召喚させる。
「……なんですか?これ?」
ミーシャはその魔物を見たことないようだった。
いや、見たことはあるのだが、受け入れていないだけだ。
「スライムだが?」
「何故、金色なんですか?」
「魔術で付属したらこうなった」
これで、ミーシャとそれ以外の3人も全て察した。
強斎が出した魔物……確かにスライムなのだが、形以外の全てが違う。
色は金色、大きさも倍ほど。
ステータスに至っては下級竜相当だ。
――そして。
「こいつ、魔術も使えるから」
最強スライムの誕生であった。
「もう、レベル上げする必要ありませんよね?そのスライム……」
ミーシャが呆れた様子で強斎に言う。
「いや、コイツ自身のレベルは低いからな……まぁ、俺の趣味だ。付き合ってくれ」
そう言って微笑みながらミーシャの頭を撫でる。
「……ずるいです」
ミーシャは顔を赤く染め、ポツリとそう呟く。
その後、全員から口々に言われたのは言うまでもない。
………
……
…
あれから2ヶ月後。強斎達は転移門付近の森にいた。
この森は人間界でも、高難易の魔物が出てくるのである。
そして、ここでしか取れない食材もある。
案の定強斎は、食材に釣られてこの森に留まっていた。
勿論、スライムのレベル上げもしているが、既に敵無しである。
そんなある日……。
「よし、今日は自由行動の日だから好きにしていいぞ」
そう、強斎は7日の内3日を自由行動の日と決めている。
と言っても、やることはそう変わらない。
眷属同士の手合わせや、魔術などの訓練。
料理やらも強斎に教えてもらっている。
それ以外にも、森の散歩やら色々遊んでいる。
今日はルナが森を散歩するようだ。
「主様!今日は美味しい食材を採ってきます!」
散歩などではなかった。
「お、そうかそうか。楽しみに待ってるぞ」
そう言って、ルナは去っていった。
強斎はそんなルナの背中を見ながら、ここ2ヶ月を振り返った。
(別に変わったことはないな。ルナとゼロにアイテムボックスを渡して、全員にポーションやら揃えるのが難しかったぐらいか……後は、ポーション事件か)
強斎はそう内心呟くと、一つ背伸びをした。
「今日は1日中寝るか……」
そう言って、強斎は横になった。
………
……
…
「主様……!主様……!」
ルナが強斎を揺り起こす。
強斎はゆっくりと瞼を開けた。
「……ルナか?……どうした?」
むくっと起き上がる。
「お休み中にすみません……。少し急ぎで主様にお願いしたいことがあったので……」
「急ぎ?」
「はい、えっと……ポーションが足りなくなってしまって……」
「ん?そうか。万能ポーション20本でいいか?」
そう言って、強斎はアイテムボックスから、超が付くほど高価なポーションを取り出す。
強斎がポーションを作っているのだが、あまりにも使わないため、貯まる一方なのである。
強斎はポーション作りのスキルを所持しているが、スキルレベルは低い。しかし、強斎が作るので最低でも効果は特級(約SR)以上である。
「えっと……中級(約R)10本ほどで良かったのですが……」
「それだったら、それ1本で50本になるぐらい水で薄めるといい」
「……やっぱりやめておきます」
ルナはポーション作りに少々トラウマがある。
「そうか、とにかくその20本は既にルナの物だ。好きにすればいい」
「ありがとうございます……!それと、このポーションを他の方々に使う許可を……」
「お前の物だって言っただろ?好きにすればいい。だけど、俺の名前は出すなよ?作り方とか訊かれたら面倒くさい」
「わかりました。それと、今日は帰りが遅くなるかもしれません」
「ルナなら大丈夫かもしれんが、気をつけろよ?」
「はい!」
そう言って、ルナは去っていった。
「…………さて、二度寝するか」
ルナはその日の夜に帰ってきた。
次回、勇者視点予定
そろそろ閑話を入れたいと思います。
テーマは眷属たちですね
感想待ってます!
友達に「小説見てもらいたいなら、ツイッターで拡散希望って付けてもらったら?」と言われたので前回からつけてみました!