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95話 『チート』もしくは『バグ』っぽい

今回はテンションがおかしいです

ステータスの計算ミスを修正しました

「強斎の……ステータス……」


 勇志がそう呟くと、全員に緊張が走る。


 強斎がこの世界に来た当時は、お世辞にも『チート』とは言えなかった。

 だが、今さっき強斎は『チート』を手に入れたと言ったのだ。

『ショクオウ』と呼ばれ、最強の冒険者になるだけではなく、精霊王並の実力を持っているヴァルキリーまでも一瞬で無力化する。

 挙句の果てには神々の敵として認識されていた。


 そんな冗談でも笑えない圧倒的な力をステータスとして見ていいのか? という戸惑いがチラホラと見える。


「……やっぱり、見せるのやめようか?」


 強斎はそんな雰囲気に耐えられなかったのか、ステータスの開示を躊躇ってしまった。

 強斎も強斎で怖いのだ。


 圧倒的過ぎるステータスを見せ、親友たちに怖がられるのが。

 ギルドカードにステータスを表示させたまま、強斎は苦笑いを浮かべる。


「まぁ、俺のステータスを見なくても話には影響が――――」

「わぁ、強斎のステータス大変なことになってるよ……。E+って桁数ってことでしょ? これ」


 強斎がステータスの開示を諦めかけた途端、隣にいた澪が持っていたギルドカードを掻っ攫う。


「なっ、おい!」

「えっと、『エラー』? こんな表示、私のステータスにはないはずだけど……」


 しんみりとした空気の中、澪だけが平常運転だった。

 そんな澪を見て、鈴が思わず吹き出す。


「ぷっ……。あーあ……。なんかもう色々と台無しよ。澪、それちょっと見せなさい」

「え。多分、鈴が見てもわかんないと思うよ?」

「どういうことよ!?」


 そんな二人に釣られて次々と緊張を解いていく。


「……そうだね、僕も見せてもらおうか」


 勇志も肩の力を抜いて、澪の手元を覗こうとする。

 強斎はその集団に声をかけた。


「ちょ……お前ら……。ていうか澪、お前は怖くないのか?」

「え? 怖い? なんで?」


 未だに強斎のギルドカードを独占している澪が、キョトンとしながら首を傾げる。


「いや、だって……気持ち悪いだろ、そのステータス」

「気持ち悪いっていうか……なんか、多すぎていまいち理解してないってほうが正しいかな?」

「え、多すぎて理解できないってなんなの? 早く見せなさいよ」


 鈴は鈴で早く見たいようだ。

 そんな中、澪が気になる項目を見つけたようだ。


「あ、でも。『眷属』っていうの気になる。ねぇ……『眷属』って……なに?」

「ああ、それは俺の奴隷――――って澪?」

「へぇ……奴隷……へぇ……ふーん……それって……女の子かな……?」

「え、あ……それは、その……」

「ほぉ……女の子なんだね……」


 澪は強斎のギルドカードを鈴に渡し、ジリジリと強斎との間を詰める。

 強斎は身の危険を感じ、光速に近い速度で距離を取る………………はずだった。


「はぁ!? なんでついてこれるんだ!?」

「やっぱりズボン脱いでよ……! 貞操はまだ守ってるんだよね!?」


 そんな危ない会話をしている二人は放っておいて、鈴は強斎のステータスを覗く。

 他の面々も覗き始め、全員同じような顔になってしまった。




キョウサイ・タカナシ


配下数99999+


LV568


HP 3.38147E+173 / 3.38147E+173(error)

MP 1.40089E+174 / 1.40089E+174(error)

STR 3.86454E+172(error)

DEX 4.34760E+172(error)

VIT 3.38147E+172(error)

INT 4.34760E+172(error)

AGI 3.86454E+172(error)

MND 2.85009E+173(error)

LUK 500

※眷属に分配したステータスを表示しきれません。




スキル

言葉理解

武術の頂点

超解析Ⅸ

調教LV99

空間把握LV99

危機察知LV99

料理LV99

潜水LV99

吸血LV50

創生

生活魔術

灼熱の息

極寒の息

落雷操作

天変地異の発動

無双

魔物召喚

意思疎通

死霊指揮

全属性の原点

HP回復速度上昇LV99

MP回復速度上昇LV99

アイテムボックス

超隠蔽Ⅴ

状態異常無効化

呪系統無効化

全てを超越した威圧

限界突破

超越者

覇者

聖騎士

竜騎士

万能騎士

竜殺し

神殺し

スキル強奪

レベルアップ時ステータス倍

眷属ステータス分配

眷属スキル分配Ⅱ

必要経験値1/100


属性


火・水・土・風・闇・光・虚無(全属性オールアトリビュート

想像魔術(SPユニーク)

武術を極めた者(SPユニーク)

原初の魔術師(SPユニーク)

竜の王(ユニーク)

召喚魔術(ユニーク)

死霊魔術(ユニーク)

創生魔術(ユニーク)

亜空間移動(ユニーク)

竜の上に立つ存在(???)

世界を破壊する者(???)

神を超えた者(???)

神を殺した者(???)

神々の敵(???)

最強の宿命(???)




「え、なにこれ」



 鈴の問いに答えるものはいなかった。

 信喜や仁については『E+』という意味さえ分かっていなさそうだ。


「おーい……私にも見せてくれないかー?」


 未だに動けないヴァルキリーも見たがっていたので、鈴は何も言わずに強斎のステータスを見せてしまった。

 強斎の許可を取るという考えが思いつかないほど放心していたのだ。


「むぅ……何度見ても何故こんな奴に負けるのかが理解できん……。HPが3なんて一瞬で消せるはずなのに……」


 ここにも理解していない人がいた。

 そんなヴァルキリーを置いて、鈴と大地と勇志は自然と集まって話し合いを始めた。


「ねぇ勇志、これって『チート』なの?」

「……わからない」

「わからないって……この中で一番ゲームやってたの勇志じゃない」


 勇志は低い唸り声を上げながら、考えをまとめる。


「『チート』っていうのは最初から高スペックだったり、レベルが上がるのが異常に早かったりするのによく使われるんだけど……。これは『チート』っていうより……」

「『バグ』……だな」


 大地の呟きに深く頷いた。


「『バグ』?」


 鈴がよくわかっていないので、勇志はその説明から入る。


「ゲーム上にあってはいけないもの……それが『バグ』だよ。言い方は悪いけど……もしかしたら、強斎はこの世界ゲームにとって『バグ』そのもの……しかも、世界ゲームを壊す程大きな……ね」

「いや、そうとも限らないぞ? こうやって数値として表示されるってことは、上限に到達してないわけだからな」

「ああ、そっか。じゃあ『チート』になるのかな?」

「うーん……そもそも、この世界は種族によるステータスの差がインフレ起こしているから――――」


「ちょっと、ちょっと待って。ごめん、全然わかんないんだけど。ていうか、大地も詳しいのね」

「まぁ、ちょっとだけな」


 途中からついていけなくなった鈴が遂にギブアップしてしまった。

 そして、ふと強斎と澪の二人に目がいってしまう。


「ちょっと待て! 流石にここで脱ぐのはやばいって!! ていうか力強っ!?」

「大丈夫だよ? 強斎が脱いだ後に私も脱ぐからね? 安心して。強斎が童貞じゃなくても私が処女だから」

「澪ぉぉぉぉ!! 正気を保てぇぇぇぇ!!」

「強斎強斎強斎強斎強斎強斎強斎強斎強斎強斎強斎強斎強斎強斎強斎強斎強斎強斎強斎強斎強斎強斎強斎強斎強斎強斎強斎強斎強斎強斎」

「怖い! マジで怖いから!! ちょ、お前ら! 話し込んでないで助け――――うわぁぁぁぁぁ!!」


 三人は一斉に目をそらし、話し合いを続ける。


「つまりは、『チート』ってことでいいの?」

「そうだな、精霊王とかあそこにいるヴァルキリーとか見ると、強斎レベルの神だっているかもしれないし」


 鈴の問いに、大地がゆっくりと答える。

 そして、勇志が深い溜息を吐いた。


「僕たち、ずっと『チート』だとは思っていたけど……」

「それは人間界や魔界での『普通の世界』だけだな。ヴァルキリーや強斎……恐らく、ルナさんもだが、俺らとはまた『別の世界』の住人なんだろうよ」

「あれ? 呼びましたか?」

「いや、別にルナさんを例えただけで――――え?」


 大地が結論を出したところで、どこか懐かしい声が聞こえた。

 声のする方を見ると、青髪兎耳の少女が澪の頭を自らの脇で絞めているところだった。



「ルナさん痛い! 痛いよ!」

「はいはい、少し反省しましょうねー」

「いだだだだだだ!」


「「「ルナさん!?」」」


 そこには、今の今までいなかった少女――――ルナの姿があった。

ステータスを考えるのに時間をかけました……

今回はあまり話は進んでませんが、次回から進むと思います。


なんだろう……澪ちゃんぇ……


分配した数値を『カウントストップ』から『エラー』に変更

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