――手に痛みが走る――
初めて知った。人を殴ると、自分もこんなに痛いなんて……。
でも、殴る手を止める気持ちにはまだなれない。コイツにはもっと苦しんで貰いたい。
‐‐‐僕はいつも通り学校に行った。そしていつも通りに誰とも話さずに授業を終え、いつも通りに帰宅するつもりだったのに―――
朝、不良が僕に話しかけて来た―――だから殴ったんだ。アイツ達は僕が弱者だと勘違いしていたらしい。すぐに土下座してきたが、僕は許さない。
《ドスッ!!》と言う人を殴った時の音。僕はこの音が好きだ。だから顔はあまり殴らないようにしている。顔は一回殴っただけで《グシャ!!》って音がしちゃうから。
何回不良を殴っても手は痛くない。僕の気に入らないと人を殴るクセは子供の頃からだと母さんが言っていたので、多分耐性ができたんだろう。
そんな事を考えているうちに、不良を殴る音が《グシャ!!》になって来た。……しょうがない。もう殴るのは止める。どうやら不良達は鍛え方が足りないらしい。簡単に音が変わってつまらなかった。
転がっている不良達に
「ばいばい」
と言って、学校へ向かう。
不良達のせいで遅刻になってしまった。なるべく急いで教室に入る。すると、数学教師が僕にむかって
「オマエ、何故遅刻した!」
と理由も知らないくせに怒って来た―――だから殴ったんだ。
今度は考え事をする時間も無かった。数学教師が弱すぎたせいで、たった一回で《グシャ!!》だった。
つまらない。僕はたった一回殴っただけで泡を吹いて倒れている数学教師に
「ばいばい。」
と言って帰る事にした。
……今日だけで二回も人を殴った。まったく、皆はどうして僕の気に入らない事ばかりするのだろう。
そんな事を考えながら歩いているうちに家に付いた。時間はまだ午前、ゲームでもしよう。上機嫌でドアを開けた時、母の声が聞こえた。
「ちょっと、まだ午前中よ?なんで帰ってきたの?学校はどうしたの。まさか、またサボったの?」
…………あぁ、折角機嫌が良かったのにコイツは僕がイライラする事ばかり言ってくる―――だから殴ったんだ。
「ぉい!なんで皆そうなんだよ!!なんで僕がイライラする事ばかりする!?くそッ!!オマエ、許さないぞ!!殴ってやる、音が変わっても殴ってやる!!」
それからしばらくして
――手に痛みが走る――
初めて知った。人を殴ると、自分もこんなに痛いなんて……。
でも、殴る手を止める気持ちにはまだなれない。コイツにはもっと苦しんで貰いたい。
そう思って殴り続ける。音は《グシャ!!》から、何かベトベトしたものを触った時のような《ベチョ!!》と言う音になった。
床に転がる母―――
否、床に転がる母だった肉塊をみて…………
手と一緒に心も痛かったのに気付いた。
もう嫌になってしまった―――だから殴ったんだ。死ぬまで。
「ばいばい」
――――痛みを感じるようになった手で、最後に殴ったのは、
自分 |