最終話 キミが、そこにいて。
『アヤネ・・・。僕は、君の事が好きなんだ。・・・ずっと、昔から・・・』
僕は、しっかりと想いを口にできただろうか。
どうも改めて思い返すと、言葉が足りないんじゃないかな?とは思ったりするんだけど、結果としては、
『あのね?・・・私もっ・・・私も、アオイくんの事が、・・・好きっ・・・』
アヤネは、僕の想いに応えてくれた。
一番驚きだったのが、「僕を好きでいてくれていた」事。
これに関しては、涙が溢れて止まらなかった。
「やぁ。おはようアヤネ。」
「あ、アオイくん!おはよう!」
告白したからと言って、日常がなにか変わるわけじゃないんだけど。
でも、『恋人』になった、という事で、僕らは前よりずっと長い時間一緒にいられるし、その想いが一方通行じゃない、という事を知ったため、お互いに幸せでいられる。
「アヤネ。今日は暇かい?」
「うん!・・・っていうか、私はアオイくんに「暇?」って聞かれたらどんなに忙しくても暇って答えちゃうよ?」
「ははっ!ありがとう。じゃあ今日はまたゲーセンにでも行こうか?」
「うん!いくいくー」
あぁ・・・幸せだ・・・
好きな人とこうして会話ができるって事だけで僕は幸せになれるんだなぁ・・・
「あー・・・、お前ら。そういう事は俺の居ないとこでやってくれ。」
ケントが気まずそうに話しかけてくる。
はっは!ひがむな親友。
「そういうなって。僕たち親友だろ?」
「こんちくしょう・・・」
まぁ、ケントがいたからここまでやってこれたんだけどね。
その点では感謝してるよ。
君が毎日僕と一緒に来てくれて、アヤネに話しかける機会を作ってくれたからこそ、いまこうして恋人になれたわけだからね。
でも、僕らの日常は、前とあまり変わってない。
朝はこうして、前と同じように話して、そうして授業が始まる。
授業中は、アヤネを見ているし、たまにこっちを見て手を振ってくれる。
ここは変わったね。うん。
お昼ごはんの時は、アヤネは友達と食べてるし、僕はケントと食べる。
友達は大切だからね。
そして、帰り。
僕らの至福の時。
遊んで、帰り道話して、寄り道して、送っていって。
今までとはどこか違う日常。
僕が、必死で望んで、ついに叶えた夢の日常。
僕は、ここにいる。
君は、そこにいる。
ほら。
僕たちを繋ぐこの距離は、こんなにも近い。
僕が、ここにいて、
そして、
キミが、そこにいて。
こうして触れ合っている今だけはーーー
この世界には、僕らしかいないんだ。
・・・僕の幸せは、キミと共に。
・・・私の幸せは、あなたと共に。
そう。僕にとっての幸せはーーー
そう。私にとっての幸せはーーー
「「キミが、そこにいて。」」
|