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第4話:今日から妹。

由紀が家から帰ってきたのは、予定よりもおそい時間だった。

サッカーの試合がおわった後、由紀たちクラブの部員は近所のファミレスで、ミーティングをした。


ミーティングといっても、それはほとんどがサッカーとは関係ないムダ話で、時間をわすれるのだった。

そして、由紀はいそいで、家に帰ってきた。


「ただいま」


由紀が玄関のドアをあけて、すぐに部屋へ入ろうとすると、由香里に呼びとめられた。


「由紀、ちょっとココにきなさい」


「ママ、おそくなってゴメン」


「由紀、なんでこんなウソをついたの」


由紀は、勇樹といれかわったいい訳をしようとすると、由香里はこういった


「まあそのおかけで、わたしも楽しかったけどね。

はやく服を着替えなさい」

由紀は服を着替えて、台所へむかった。

台所にはいると、由紀のしらない女の子がすわっていた。

由紀は、この女の子の顔をみて、勇樹だと気がついた。


「勇樹、いったいどうしたのよ、その服。朝の服はどうしたの」


「可愛いでしょう。この服優子ちゃんにあげるけど。由紀あの服、もう着ないでしょう」


「服はもう着ないけど、優子ちゃんって」


「勇樹は、家の中では女の子で、優子という名前をつけたのよ。ねぇ、優子ちゃん」


「由紀ちゃん、わたし女の子になったの。だから由紀ちゃん、わたし今日からお兄ちゃんじゃないから。でも、今日からわたし女の子になったから、由紀ちゃんが、今日からわたしのお姉ちゃんになってね」


由紀は、勇樹の口からでた言葉にショックをうけた。もとはといえば由紀のせいとはいえ、勇樹の女の子の姿はとても似合っていた。でも、勇樹を妹としてあつかうのに抵抗があった。


でも勇樹の、その女言葉や女の子っぽい仕種に、由紀は覚悟をきめた。


「わかったわ。今日からお兄ちゃん、いや優子がわたしの妹になったのね。でもね優子、わたしのことをお姉ちゃんと言わないでお姉様と、ママのことはお母様と呼ぶようにね。わかったわね。優子、返事は」


「はいわかりました。由紀お姉様、由香里お母様」


勇樹の頬は赤らんだ。


そして今日から、勇樹は家の外では由紀のお兄ちゃん、家の中では由紀の妹となった。

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