独立機甲義妹旅団!パンツァー・グレナディア(2/15)縦書き表示RDF


疲れる…('A`)
独立機甲義妹旅団!パンツァー・グレナディア
作:神風



にぃ 対談





───西暦1945 5月 2日
インド洋 水深150m地点



暗い艦内、疲れきった乗組員、流れ込む海水の音と潮臭い臭い、ボロボロに傷つけられた艦体───

無言の内に過ぎるこのとりとめもない数秒間のあいだにも浸水は続き、酸素は消費され、32名の乗員は死に向かって行進し続けている。

もう我々に逃げる場所などどこにもないし、そうする余力さえ残っていない。

このまま浸水による溺死を迎えるか、運がよければ酸欠で死ぬまで生き続けることができるだろう。

だが、どのみち死ぬのだ。この狭苦しく薄暗い潜水艦の腹のなかで。

みんなそれが分かってる。

絶望と、栄光ある潜水艦乗りとしての誇りとが混ざり合った不気味な瞳。

誰も一言も喋らず、異様な雰囲気が艦内を満たす。

ふと胸ポケットのなかから一枚の写真を取り出した。

写ってるのはまだ幼い子供、ヒトラー・ユーゲントの制服を身に待とう笑顔がかわいい少女。


かけがいのない娘。


(そうだ。11歳の誕生日には戻ると約束したんだ)

娘との大事な約束を思い出した。

そうだ、大事な約束だ。

私は帰らなければならないんだ。

突然私の頭のなかが娘との約束のことでいっぱいになり、戦争も名誉も義務も国家も、全てが馬鹿馬鹿しくなった。

一体私はこんなところで何をしているんだ?

家に帰らなければ!

そして私はおもむろに艦内放送のマイクを持つと、静かに口を開いた。


『諸君、艦長のホフマンだ。よく聞け。我が潜水艦、U-158とその乗組員は総統特命を受けてからの四ヶ月間。強大な連合側の包囲網と追撃を相手に尽力・健闘し、ここインド洋にまで到達するという最大の成果を挙げた。
しかし残念ながら本艦は、連合側の執拗な攻撃により爆雷七ツを至近弾で食らうに及びもはや作戦遂行は不可能である
浸水は止まらず、スクリューは回転せず、よもや援軍などが来るはずもない。我々は敵陣のど真ん中で確実に死に向かっている』


淡々と絶望的な状況を述べる。みんな黙って私の話を聞いている。


『私はここに艦長として決断した。

本艦はこれより海面に浮上し武装解除、今現在我々を追撃している英海軍に降伏する

作戦は終了、今をもって全乗組員の任務を解除する。みんなご苦労だった。


家に、家族の元に帰ろう』


乗組員が突然の降伏命令に驚いて驚愕の表情を浮かべたその時だった。


「艦長!」


黒衣の軍服を身に纏った一人の男が駆け込んできた。


「…シュトライヒャー大尉か」


「艦長、なんなんださっきの艦内放送は!降伏など何を考えてるんだ?!」


「言葉の通りだ、我々は降伏する」


「そんなことが認められるはずがないだろうが!世迷いごとを言ってる暇があるなら、今すぐ艦を発進させろ!」


「聞いていなかったのかシュトライヒャー大尉。浸水で駆動部分と蓄電器がやられたんだ、たかだか時速3ノットで英軍を振り切れると思ってるのか?」


「そんなことは問題ではない!すぐそこに東南アジアの島々が待っているんだ!そこまでたどり着くだけだ、後は日本海軍に…」


「それが無理だと言ってるんだろうが!」


私は声をあらげた。


「シュトライヒャー大尉。貴様がヒトラーから受け取りこの艦に持ち込んだあの黒い箱がどれほどの軍事機密かは知らないが、私はヒトラーの忘れ形見と一緒に心中する気はないぞ」


「何だと…?!」


「ヒトラーの命令など聞いていられるか。今頃あいつのいるベルリンはソ連軍が分取ってるだろうよ」


「黙れ!!」


そう叫んでシュトライヒャーはホルダーから抜き出した拳銃を私に突き付けた。

目が血走っている。


「二度とは言わないぞ、進路は東だ…東に向かえ!」





────それから61年後
極東アジア 日本





「粗茶ですが…」


「わざわざ申し訳ない、いただこう」

そう言って金髪碧眼の少女は大きめの硝子コップに入った氷入り麦茶を一気飲みした。


「ぷはぁ…。美味」


見た目10歳ぐらいの可憐な少女には似つかわしくない行為だったか、一気飲みした後の満足げな顔は実に輝いていた。

はっきり言ってかなりの美少女だ。文句無しの美少女だ。最高だ。

サラリとした金髪、パチクリした蒼い瞳、透き通るような淡い白肌、

そして…小さく柔らかい(確認済み)…マシュマロおっぱ…


(俺は何を考えてるんだ?!!)


暑さで少し頭がおかしくなっていたようだ。今はそんな場合では無いというのに!

《現在の状況》

謎の金髪碧眼美少女
推定年齢10歳。今は亡き俺のじぃちゃんの蔵から発掘される。かなりの美少女で発育途中のおっぱいを俺に揉まれる。身元不明。なぜか俺を所有者と呼ぶ。

俺(25)
容疑者。眠っていた金髪碧眼美少女のおっぱいを揉むなど猥褻行為をした疑い。犯行現場を美少女に目撃される。美少女が被害届けを警察に提出したら一貫の終わり。


結論すると、俺は非常に混乱しているし危機的状況にいる。

欲望にまかせて美少女のおっぱいを揉んだのはいいが、その時美少女が目を覚まし、犯行現場を目撃され、なぜか所有者と言われた。

今は死んだじぃちゃんの和風邸宅でとりあえず美少女をもてなしている。


「あ、あの…」


「む?」


「あのことだけどさ…」


「あのこと、とは?」


「ほら、さっきの蔵の中でさ…ね…眠ってる君の…アレにソレして…その…」


「貴方が私の胸を揉んだことだろうか?」


「そう、そのことだけど…その…ごめんなさいぃ!!」


ばん!!

俺は全力で頭を下げ、美少女に渾身の土下座を披露した。


「魔がさしただけなんです!!今は反省してます!だからどうか警察だけはご勘弁くださいませお代官様ァ!!!」


「…あの…」


「君の程よくふっくらしたおっぱいが罪なほどに魅力的だったから!!」


「私は貴方に胸を揉まれたことはまったく気にしていないんだが」


「そうでしょう!君がどれほど不愉快だったかは想像に難くな……え?」


「私はまったく気にしていないし、不愉快でもなかった。貴方が謝る必要は無いと思う」


「え?あ、…そう?」


「うむ」


…なんだ、取り越し苦労だったのか?まぁ、よく考えればまだ子どもだし…そんなにおっぱい大きくないし(失礼)身構える必要なんてなかったんだ。

なーんだ、ただの考えすぎじゃん!もう!俺のあせりんぼ!


「はは、そうだよねぇ(笑)なに考えすぎてんだろ俺(喜)」


「まったくだ。大体貴方は私の所有者であってだな…」


「そうそう、俺は君の所ゆ…」


「私の胸を欲望に任せて揉みしだくのも私を押し倒すのも所有者である貴方の自由であり…」


「ちょっと待て」


「む?」


そうだ、今までおっぱい事件に気を取られていたがそれよりもっと気にするべき事案がいろいろあるじゃないか!

そもそもなんでこんなあきらかに外人の金髪碧眼美少女が日本の住宅街の蔵のなかに保管されてて、見ず知らずの俺を所有者と呼ぶんだよ!


「君さ…なんであんなところで眠ってたの?」


「…さぁ?」


「…両親は?」


「いるんじゃないか?」


「名前は?」


「覚えてない」


「なんで日本語話せるの?」


「NOVAで習ったんじゃないかな」


「出身地は?」


「地球」


「分からないことだらけかよ!」


さすがにねをあげた。まさかこれほど謎が多いとは…

しかも俺を所有者とわけのわからんことを言う。

これからどうすればいいのだろう?


「…警察呼ぶか」


「?!」


俺がポツリとこぼした言葉に少女が機敏に反応した。


「け、警察を呼ぶとは、私を警察に引き渡すということか?!」


「だってそうするしかないだろ?」


「いやだ!」


「うわっ!ちょ」


いやだと叫んだ少女がテーブルを越えて抱き付いてきた。


「警察なんていやだ!私はここにいる!」


「ちょ、いい匂い…じゃなくて!そんなこと言ったってなぁ、身元不明の子を置いておくわけにはいかないし」


「身元不明なんかじゃない!身元はここだ!」


「そんなこと言っても…」


「お…お願いだ…私には、ここしか…えぐ…」


「?!わ、わかったわかった!警察呼ばないから!だから、泣かないでぇ!」


「うぐ…ホントに、ホントに警察呼ばないか?」


「うん、ホントホント!」


「や…

やったぁ!!」


「うぐっ。ちょ、きつく抱き付くな!苦しい!いい匂いだけど!」


「さすがは私の所有者だ!貴方のことは好きになれそうだ!」


「えぇ、好きって?!」


10歳の少女に好きという単語を吐かれて反応する俺。

かの少女はひと悶着終えて冷静さを取り戻したようで、抱き付いていた俺から離れた。

(あぁ、もう少し抱き付いててもよかったのに…)


「ふむ…ところでだ」


「ん?」


「私には今名前が無い。だから貴方に名前をつけてもらいたい」


「え、今?」


「もちろんだ。そうでなければ何かと不便だろう」


「急に言われてもな…うーん、蔵で出会ったから…蔵…クラ…ク…クー…“クー”でどうだ?なんか外人っぽいし」「“クー”か。うむ、なかなかお洒落でいい名前だ!」


少女も、いや、“クー”も気に入ってくれたようだ。


「次は貴方の呼び方だな」


「へ?」


「見かけの年の差がこれだけあるのに“貴方”と呼んでいては周りにいらない誤解と噂を招きかねない。そうだな…



“おにいちゃん”


ではどうだろう?」


「お に い ち ゃ ん?!」



【おにいちゃん】
お兄-ちゃん (onii-chan)
名詞(萌え用語) 主に妹に使われる場合対象の心拍数を上げる効果を持つ。義妹の場合効果は三倍になる。容易に男性層の読者を掴むことができる為ネット小説で乱用されている。


「ええ?!そ、それは…!(赤面)」


「ふむ、やはり少々馴れ馴れしいか。貴方の本名は?」


「(あっさり却下か…)佐伯 ユキだけど…」


「では“ユキ”でいいな。うむ、シンプルイズザベストだ。よろしく、ユキ!」


「…ボソッ(やっぱりおにいちゃんのほうが…)」


「む、何か言ったか?“ユキ”」


「…ナンデモナイデス」












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