『結晶の帝王ってお前のことじゃなかったのか!?』
近藤が叫んだ
『昔は…な…』
『何があったんだ?』
ユーキがきいた
『………』
『言いたくないならそれでいい、しかし討伐する敵の名前くらいは教えてもらうぞ』
少しの沈黙が続いき、パチが口を開いた
『…ショーンだ』
パーティ全員が顔を見合わせる
『ショーン?聞いたことないな、お前あるか?近藤?』
と、昌也
『いいや、ないな』
近藤も知らない
『ナズチは心当たりがあるんじゃないか?』
パチの一言に全員がナズチに視線を向けた
『………』
『やはり…あいつか?』
ケンクが聞いた
『…あぁ』
ナズチが頷く
『一体誰なんですか?そのショーンって奴は』
ナズチが重い口を開いた
『俺の…弟だ』
『ナズチさんの弟…』
近藤と昌也が呟く
『なるほどな』
ユーキが発した言葉に全員が注目する
『話の筋は大体わかった』
パチはソッポをむく
『話してもいいか?パチ』
『…………あぁ』
返事を聞き、ユーキは語りだす
『本来ナズチとショーンは双子だったんだ、この中でこの事を知っているのは俺とケンク、パチ、そしてナズチだ』
昌也と近藤はコクコクと頷く
『俺たちは知っているが…ナズチの実力を見ればわかるようにショーンも戦闘能力の値はずば抜けて強かった、村を代表するくらいにな』
ナズチが地面に唾を吐き捨てた
『やがてショーンとナズチは村を代表する勇者となり、メキメキと実力を伸ばしていった…今のナズチのようにな』
ナズチはうつ向いている
『しかし…事件が起こった』
ナズチの眉毛がピクッと動き、ケンクが石につまずいた
『…ショーンは……強さを求めるあまりモンスターにその肉体を売ったんだ』
パーティ全員に冷たい風があたった
『モ…モンスターに!?』
近藤が驚いた声を出した、無理もない
『…そんな』
昌也も驚いている
しかしユーキは続けた
『そのモンスターもランポスやファンゴ位ならよかった…でもショーンは強さを求めすぎたんだ』
『な…なにを取り込んだんですか?』
『ラオシャンロンだ』
『!!!』
近藤が驚きすぎて声もでない
『あんな化物を!?』
昌也も驚き、尻餅をつく
『もちろんそんなモンスターを取り込んでコントロールできる筈がなかった、ショーンは暴走し…村の八割を破壊した』
『…………』
ナズチは黙りこんだ
『その破壊の中でショーン…いや、ラオシャンロンは少しづつ人間の形態に近づいていった…そこで俺たちは勘違いしてしまったんだ…ショーンがラオシャンロンを取り込んだとな』
『ま…まさか…』
『そうだ…全くの逆だった、ショーンがラオシャンロンを取り込んだのではない、“ラオシャンロンがショーンを取り込んだ”んだ』
『……ぐっ』
ケンクが口元を噛んだ
『ラオシャンロンはショーンの人間である部分を取り込み、本来龍にはない魔力と自我をてにいれた…そして人の形態も…』
『そ…それで…』
昌也が聞いた
『ラオシャンロンはそのショーンの形態で村を破壊し、女子供老人勇者関係なく殺した…………ケンクの両親もな』
ケンクがうつ向く
『やがてラオシャンロンは村中の勇者の手によって瀕死の状態まで追い詰め、村から追放したんだ…結晶の塔へな』
『結晶の塔…』
『ここから先は俺の推測に過ぎないが…』
ユーキはパチの顔をみた
『………』
ユーキが仕切り直す
『皆も知ってのとおりパチの一族は昔、隣の村に情報を流し戦を招いてラオシャンロン同様結晶の塔に送られた、まぁラオシャンロンの事件の数年前だがな…これは村の情報機密を守るため禁句となったから全員知っているとおもう』
近藤、昌也が頷く
『その一族の中でも100年に一人の逸材だったパチは難なく塔を制覇した…これが結晶の帝王誕生の瞬間だ』
『………』
『しかしその数年後ラオシャンロンが結晶の塔へ送られた、しかし瀕死の状態だったラオシャンロンは眠りに着いた…長い眠りにな』
『しかしそんなラオシャンロンの眠りを解いた奴がいた』
パチが口を開いた
『本来あと10年は眠り続ける筈だった奴をレイズデットで起こしやがったんだ』
『だ…誰がそんなことを…』
近藤が頷く
『奴しかいない』
『バーバリアン…だな』
ナズチが言った
『奴の行動はいつだって意味不明だ…何をしたいのかさっぱりわからない』
と、ユーキ
『いくら俺でも人間と融合したラオシャンロンに敵う筈がなかった…』
パチが呟く
『奴をほおっておけばまた悲劇を繰り返す!!今までの闘いをみてきてよくわかったんだ!!今のお前達なら奴に勝てる!!頼む!!力を貸してくれ!!』
パチが頭を下げた
予想外の事態に近藤は驚く
『頼まれるまでもないな』
ナズチが頭を下げたパチの肩に手をおく
『そのとうりだ』
ケンクもパチの目の前に立った
『当たり前だ』
ユーキも微笑む
『困った時はお互いさまですよ』
昌也も歩み寄った
『…しょうがないな、今回だけだぞ』
近藤は後ろを向いた
『それに…お前の黒刀も取り返さないとな』
ユーキが言った
『あれはお前んちの家宝だろ?』
と、ケンク
『……恩に着る』
『よし!敵がそんな奴ならまず装備を整えないとな!ちょうど近くにいい町がある、そこに向かおう』
『おぅ!』
パーティ全員の声が青空にこだました
次回へ続く! |