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霊感課編なのよ!
正義の味方、巨乳隊なのよ!
 私は箕輪まどか。中学生の霊能者だ。

 現在、私の彼の江原耕司君の邸に、親友の綾小路さやかと住ませてもらっている。

 神田原かんだはら明徹めいてつ率いる復活の会という正体不明の団体との戦いのためだ。

 

 ある日の夜。 

「まどか、寂しくないか?」

 エロ兄貴からメールが来ていた。

 キュンとなりかけたが、

「椿先生は元気か?」

と書いてあり、目的はそれかと思ったので、着信拒否にしようかと思ったけど、G県警刑事部霊感課の連絡もあるので、思い止まった。

「お兄さんからメール?」

 お風呂上りのさやかが髪を梳かしながら尋ねて来た。そう言う私もお風呂上りだけど。

「うん。相変わらずエロ兄貴なの。婚約者がいるのに、椿先生の事を気にして」

 私は呆れ気味に答えた。するとさやかは真顔で、

「違うよ、まどか。お兄さんは本当にまどかの事が心配なんだよ。椿先生の事は照れ隠しだよ」

「え?」

 さやかに言われて、ドキッとした。

 兄貴は私にいつもは優しくないけど、陰で動いてくれていた事は昔からあった。

 保育園に通っている時も、小学校に入学した時も。

 これほどの美少女だから、男子が纏わりついて来て大変だったのだ。

 兄貴は私に悪い虫がつかないように監視していたのだ。

 え? 嘘を吐くなって? う、嘘なんか吐いてないわよ! 失礼ね。

「わかったら、ちゃんと返信してあげるのよ」

 さやかはニコッとして言ってくれた。

「ありがとう、サーヤ」

 私はさやかに抱きついて礼を言った。

「な、何よ、そのサーヤって?」

「貴女のニックネーム」

 私は誇らしそうに答えた。さやかは照れ臭そうだ。顔が赤い。

「う、嬉しい……」

 急に携帯を取り出すさやか。何するの?

「早速、マッキーに教えるの」

 さやか、もうすっかり牧野徹君とうまくいってるみたいね。良かった。

 嬉しそうにメールを打つさやかを見ていて、私も江原ッチにメールでも送ろうと思い、自分の携帯を取り出した。

「ああ!」

 さやかがいきなり叫んだ。私はギクッとしてさやかを見た。

「どうしたの、サーヤ?」

「マッキーの所に奴らが……」

 さやかは蒼ざめた顔で言った。

「何ですって!?」

 私達の大声で、椿先生と菜摘さんがやって来た。

「どうしたんですか?」

 菜摘さんが尋ねた。さやかは涙顔で、

「私の彼のところに神田原明徹の部下が現れたみたいなんです。さっき、メールをしてわかりました」

「すぐに行きましょう」

 椿先生は私達にスカートと一体になっているパーカーを貸してくれた。これなら着替えの時間が省ける。

 何しろ、私とさやかはすでにパジャマに着替えていたから。

「牧野君の家だと、美輪君の家の方が近いわね。耕司に連絡しておきますから」

 菜摘さんは部屋を出て行った。

 ええ? 江原ッチにこの格好で会うのはちょっとなあ……。

「まどかあ……」

 さやかが泣きながら私を見るので、

「急ぎましょう、先生!」

と応じた。

 

 私達は、椿先生の車で牧野君の家に向かった。

 思えば、以前彼の家に行った時は、玉の輿に乗れるなんて思った頃だったな。

 懐かしい。

 何て妄想をしているうちに、車は牧野君の家の前に着いた。

「インダラヤソワカ」

 江原ッチの声が聞こえる。すでに敵と戦っているようだ。

 車を降りて、牧野邸の庭に行くと、江原ッチは三人の黒装束の男と戦っていた。

「江原君!」

 椿先生がたちまち戦闘モードに入る。

 その気の凄まじさに、敵ばかりでなく江原ッチまでびびったようだ。

「私達も!」

 さやかと目配せし、走り出す。同時に気を高めた。

「はああ!」

 気を極限まで高め、さやかと合体攻撃よ!

「オンマカキャラヤソワカ」

 いきなりの大黒天真言で、二人の敵を吹っ飛ばした。

 何故か江原ッチが私をジッと見ている。

 最近、あまり話もできないから、欲求不満なのね。ムフ。

「インダラヤソワカ」

 椿先生の帝釈天真言は超弩級で、敵は痙攣して気絶した。

「マッキー!」

 さやかは庭の隅に避難していた牧野君を見つけ、駆け寄った。

「ああ、無事だったんだね、さやかちゃん」

 二人はヒシと抱き合った。

 牧野君のお父さんとお母さんは出張中で、牧野君が一人だったらしい。

「先生、ご両親がお帰りになるまで、私がマッキーに付き添っていいですか?」

 さやかは恥ずかしそうに提案した。牧野君も恥ずかしそうだ。

 しかし、さやかと牧野君の恥ずかしい理由は違っていた。

 さやかの胸が、いつもより当社比200%増だったのだ。

 もう椿先生にも負けないくらいだ。

 羨ましい。

「あれ?」

 ふと気づくと、私の胸も椿先生に負けていなかった。どういう事?

「気を高めたからですよ」

 椿先生が言った。ああ、そうか。この前と同じか。じゃあ……。

 しばらくすると、またゴム風船のように萎んでしまう私の胸。

 江原ッチが、

「ああ……」

と溜息を吐いたのは、すごく悲しかった。

「それより、ウチに来いよ、牧野。その方がいいだろ、いろいろと?」

 江原ッチについて来ていた美輪幸治君が口を挟んだ。

 さやかはムッとして美輪君を見たが、

「そうですね。その方がいいでしょう」

 椿先生の裁定で、牧野君は美輪君の家に一時避難する事になった。

 教育者として、中学生の男女が二人きりで一つ屋根の下は許可できないようだ。

 さやかはがっかりしていたが、牧野君はホッとしていた。何だか笑えた。

「私と江原先生でこの家に結界を張りますから、ご両親が戻る頃には安心して暮らせますよ」

 椿先生が微笑んで言うと、牧野君は、

「ありがとうございます、先生!」

と凄く嬉しそうにに返事をし、さやかに腕を抓られた。

 

 こうして、私達巨乳隊の活躍で、復活の会の攻撃を退けた。

 え? 誰が巨乳だ、ですって? いいじゃない、別に。

 何だか、次の戦いが待ち遠しくなってしまうまどかだった。ムフフ。
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