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小松崎瑠希弥さんと一緒なのよ!
江原ッチVS柳原さんなのよ!
 私は箕輪まどか。中学二年の美少女霊能者。

 そんな自己紹介に突っ込みを入れられないほど、私は混乱していた。

 転校生の柳原まりさんが、私の彼の江原耕司君に決闘を申し込んだのだ。

 しかも、私を賭けて。

 柳原さんは、どうやら「僕っ娘」という属性らしい。

 そして私は「妹属性」らしい。

 え? お前は「ツンデレ属性」だろう、ですって? フンだ!

 その決闘は、放課後の予定。

 江原ッチの住む町と柳原さんの住む町のちょうど中間地点にある空き地。

 とは言え、某マンガのように土管が積み重ねられていたりはしない。

 マンション建設予定地と立て札が建てられているだけだ。

 しかも、本当は鉄条網が張られていて、入れないはずなんだけど、どこかの悪ガキが破ったらしく、子供達の遊び場になっている。

 ジリジリと梅雨の晴れ間の太陽がまだ照りつける時間。

 空き地には、江原ッチと柳原さんが向かい合って立っている。

 そして、私は木の陰から、まるで明子姉ちゃんのように見守る。

 ショックな事に、江原ッチの妹さんの靖子ちゃん、私の親友の近藤明菜、更に中学の女子達の多くは、柳原さんサイドだ。

 明菜に「いたの」と言われ、ショックから抜け出せないでいる美輪君は、しょんぼりしたまま江原ッチサイドにいた。

「まさか、喧嘩じゃないよね? 俺、女の子は殴れないよ?」

 江原ッチが言う。すると柳原さんは、

「違うよ。ボクは君を気で倒す。箕輪さんを守れるのは、ボクだけだという事を君にわからせてあげるよ」

と言い返した。気? やっぱり。まずいよ、江原ッチ! 柳原さんの気、半端ないよ!

 私は心配で見ていられなくなりそうだ。

「行くよ、江原君」

 柳原さんの気が一気に高まる。すごい。これは山形の遠野泉進ジイちゃんを超えてるかも。

「く……」

 江原ッチも柳原さんの気の凄さに驚いている。

「遅くなりました」

 そこへ何故か、小松崎こまつざき瑠希弥るきやさんが現れた。

「瑠希弥さん?」

 私は瑠希弥さんの登場にキョトンとした。

「おおお!」

 途端に高まる江原ッチの気。って言うか、エロパワーじゃないの、これ!?

 瑠希弥さん、何故か、気の特訓の時のTシャツ短パン姿だし!

「おおお!」

 美輪君までエロパワーが高まってる。あれ、いつの間にか来ていたリッキーまで……。

 何なのよ、一体!?

「江原耕司君、後でじっくりお話しましょう」

 私は闘気を噴き出して言った。

「後でね、まどかりん!」

 江原ッチはエロパワーを使って気を高めたようだ。このために瑠希弥さんを呼んだの?

「何?」

 柳原さんは、江原ッチのエロパワー、いや、気の高まりに驚いたようだ。

「でも、勝つのはボクだ!」

 柳原さんは気を集束させて、江原ッチに放った。大きな気の塊が江原ッチを襲う。

ぬるい!」

 江原ッチも気を放つ。二人の気がぶつかり合い、スパークした。

「ひ!」

 周囲で見ていた女子達が仰天して空き地から逃げ出す。

「靖子ちゃん、明菜!」

 私は二人を心配し、空き地の外に連れ出した。

「うわ!」

 遂に気のぶつかり合いに決着がつき、柳原さんの気が江原ッチの気を粉砕し、江原ッチに襲いかかった。

「そこまでです!」

 瑠希弥さんが言い、右手をかざすと、柳原さんの気をスーッと消してしまった。

「すごい!」

 私は明菜達を庇いながら叫んだ。

 柳原さんも江原ッチも、瑠希弥さんの大技に驚愕しているようだ。

「気は人を傷つけるために使うものではないわ」

 瑠希弥さんは微笑んで柳原さんに言った。

「は、はい」

 柳原さんは瑠希弥さんの存在感に圧倒されたのか、それだけ言うと、ペタンと地面にしゃがんでしまった。

 私を賭けた決闘は、結局ドローという結果に終わった。

 ところで、ドローって何?

 

 そして、翌日。学校に行くと、校門のところに柳原さんが立っていた。

 何だろう?

「おはよう、箕輪さん」

 柳原さんは私を見て微笑む。

「お、おはよう、柳原さん」

 私は少し警戒しながら挨拶を返した。すると柳原さんは、

「ごめん、箕輪さん。ボク、好きな人ができたんだ。だから、ボクの事はもう忘れて」

「は?」

 意味不明だ。私は別に柳原さんを好きだった訳ではないのに……。

 え? 好きな人って、まさか……。

「小松崎さんこそ、ボクの理想の女性だよ」

 柳原さんは白い歯を見せて、校舎へと駆けて行った。

 えええ!? 瑠希弥さん!?

 

 ますます十五禁に近づいているような気がするまどかだった。
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