EX:魔女のウワサ
大量のお菓子は、とうていミア一人で、食べきれる量ではなかった。
そこで全種類を少しずつ皿にもらい、残りは周りの男たちに食べてもらう。
酒のつまみとしては、あきらかにおかしい。
そのうえ、食べているのがとうに成人した、立派な男たちなのだ。
正直、気落ち悪い風景だと思うが、酒が入っている男たちは、気にしていないようだ。
「おぬしたち、シャイランについて、どんなウワサを聞いておる?」
さっきまで一緒にいたメグは、店主に怒られて仕事に戻ってしまったので、お菓子を食べている男たちに聞いてみる。
正直、『シャイランから来た。』というミアに対して、この街の住人の反応は異常だ。
全員が同情し、涙ぐみ、何も聞いてこない。
ミアにとってはありがたいことだが、気になってしょうがない。
「どんなウワサって・・・・なぁ?」
聞かれた男達は目をそらし、いいよどむ。
シャイランから来た当人のミアに、言っても良いのか、迷っている。
「ええっと、王宮の権威を使って裏で、すごいたくさんの賄賂を取っているとか・・・・」
――――ちょっと違う。魔女はその強大な魔力を使ってどうどうとお金を脅し取っていた。
そしてそのことを、まったく隠していなかった。
「若い男女をさらって、その血をしぼり、ワインのかわりに飲んでいるとか・・・・」
――――これも違う。正確には若い男女に限らず、片っぱしから人をさらっていた。
そして自分が使う邪法の生贄にした。
「地獄の番犬・ケルベロスを、ペットに飼っているとか・・・・」
――――さらに違う。魔女のペットは、3匹の凶暴なドラゴンだ。
こいつは、所かまわず暴れ、魔女のために人をさらっていくので、大変迷惑だった。
「なぁ・・・・ウワサって、真実なのか?」
――――この質問に、どう答えたら、良いのだろうか。
結論:魔女のウワサは、確かにヒドイものだった。
しかし、真実はさらに酷かった。
話の中で、『男性が甘い物を食べるのはおかしい』ととれるような書き方をしてしまいましたが、とーりすがりは、けしてそんなことを思っていません。
逆に、お菓子作りは趣味でたまに作るのですが、相手が誰でもおいしそうにたくさん食べてくれると嬉しいです。